6月1日

9年目にして遂に「よっしーの部屋」のURLが変わった

長年親しんだプロバイダさんを乗り換えたためにそうなった。

取り敢えず単純に以前からの物を新サーバーにアップロードしたので割とご苦労無しな方。

ただ、この際にと眺めてみると、画像が変だったり、リンクが切れていたりと
色々発見する。
10年近い歳月を考えると、仕方ないといえば仕方ないのだが、
これを機会にお掃除する…かどうか知らない(笑)

念のためだが過去の日記の末尾にある、「掲示板へ」をクリックすると旧掲示板へ飛んでしまうので
ご注意を。
この辺は直さないといけませんね。


過去の膨大な日記を見直す。

実はこれ楽しそうなことこの上ない
再構築なんてした日には、と考えるとわくわくする。

しかし、これはなるべくやらないようにしよう。
時間がいくらあっても足りないじゃないか、そんな事していたら。

今日もアドレス帳を整理すべく古いメールのバックアップを取り込んで
パッパパッパと捲っていた。

「こんな事している場合じゃない」と言いながら、10年前のメールを見るのは
なかなか楽しい。

1999年頃。これはダイヤルアップだったのだ、と懐かしむ。
パソコンも一台だったからかみさんが友人に宛てたメールなんかも出て来る。

ああ、あの日子供は熱を出していたのか、なんて感慨深く思う。

時は流れパソコンの数も増え、それぞれのメールはそれぞれのパソコンからとなる。
それ以前にケータイメールが主流になり、パソコンにはやたらスパムメールが多くなる。
時代は変わった。

回線速度は上がった。
ダイヤルアップ→ISDN→ADSL→光と来た。

変わらないのは「よっしーの部屋」の中身ばかり?

これはあんまり変わらない方が良いとも言える。
変化の激しい世の中だから、旧態依然の物も無いと
人間も疲れてしまうのだ。


6月6日




久々にステサンねた。

といっても167号だから2008年物だ。

特集の一つが、「魅了するコンポーネント いま私のほしいもの、手に入れたもの」だが
登場する機器が凄い。

コードのCDプレーヤー Red Reference 3.490.000円
dCSのSACD/CDプレーヤー Scarlatti System 8.590.000円
TADのスピーカー Reference One 6.000.000円
JBLのDD66000 6.000.000円
リン LP12SE 1.925.000円
YGアコースティクス Anat Refere.nceU 7.6000.000円

…全部挙げていくと疲れるからこの辺でやめておく。


さすがオーディオを仕事とする人たちは違う
…って、オーディオってそんなに儲かる?

そんな事はあり得ない。
だから皆さん相当な覚悟、決断、苦労をされてそれらを手に入れているようだ。

しかし、それにしてもこりゃ凄い。
たまたまよっしーの妻がそばに居たので、
「凄いよーこの人たち〜」と見せたら
絶句、というより呆れていた。
無理もない。門外漢には尚のこと理解出来ない世界だろう。

「これだけお金掛けるんだったら、あなたがよく言うなんとか鉄男さん
(註 長岡鉄男さんの事だ。いいかげん覚えなさい)
みたいに土地と建物にお金掛けた方がまだいいんじゃない?」
とのたまう貴方は確かにまともな金銭感覚の持ち主だ。
長岡さんがどうの、ということはさて置いて、
うちら夫婦の価値観は似通っていて、
そうじゃ無ければ夫婦なんてやってられないか。


それにしてもハイエンドオーディオも値上がったもんだ。
その昔、スイングジャーナル別冊で組み合わせ特集をやると
一番高いの一式で350万円くらいだったと思う。
今やそれではスピーカー一本がやっとみたいだ。
こりゃぶったまげる。
物価のスライド考えても凄いもんだ。


ご登場の皆さんには素直に頭が下がる。
音の求道者たるや、これくらいでなければいけない。

…が、たぶんこれだけやる方達もこの世代の皆さんで終わりな気がする。

先月の日記の最後の方で書いたが、
若い世代はもうこういう感覚を持ち合わせていない
(一人残らず、とは言わないが)

ここまではやらないだろう。

そしてそれはオーディオに限ってのお話しではない。
全てにおいて、だ。


いつの時代でも犠牲になるのは若者と相場は決まっている。
例えば戦争で特攻隊になるのは若者だ。
発案者はしっかりと生き延びる。

現代でも然り。
おじさんの雇用を守るために若手が割を食う。

これはもうはっきり言って世の中そういうもんだと思って良い。

そして僕は若い者の味方を買って出るつもりもない。

若い衆には若い衆で道を切り開いて欲しい。
既得権益などたたき壊して行って欲しい。
それが出来なきゃ、負けなのだ。


しかし、今、若い世代はひと味違った形で世の中に復讐を始めている気がする。

例えば子供を産まない。

例えば物を買わない。

昔なら「頑張らないとこういうのは買えないぞ」
というのが一つの動機付けになった。
ニンジンをぶら下げて馬を走らせるようなもんだ。

しかし、そこそこ豊かな国であるから
死なない程度で結構です」と開き直ったら何も買う必要はない。

自動車?いえいえ結構です。まああれはお金もかかるし
環境にも悪い。僕らは夫婦で自転車です。
子供でも生まれれば考えるかもしれないけど、
こう先行きが暗いと作る気にもね…」
なんて言われて終わりである。

こうなるといくらおじさん達が消費をたきつけようとしても
無駄
である。
物はおいそれと売れないのだ。

あれやこれやでおじさん達も追いつめられ…

まあ一種の悪循環だが、先に追いつめられるのはおじさん達の方な気がする。
ある意味、欲しがらない方が勝ちなのである。

加川良も歌っていたではないか。
「命はひとつ、人生は一回だから、命を捨てないようにね。
慌てると、ついフラフラとお国のためなどと言われるとね。

蒼くなって尻込みなさい、逃げなさい隠れなさい。

死んで神様と言われるよりも、生きて馬鹿だと言われましょうよね。
きれい事並べられたときも、この命を捨てないようにね。

蒼くなって尻込みなさい、逃げなさい隠れなさい。

お国は俺たち死んだとて、ずっと後まで残りますよね。
失礼しましたで終わるだけ、命のスペアはありませんよね。

蒼くなって尻込みなさい、逃げなさい隠れなさい」



何だか夢も希望もない話になった。
あるいは高級品に縁がない男のやっかみか。
まあそう解釈して貰うのが良いと思う。

なお今日の日記は5月の最後の日記の続きみたいなもんだ。


6月12日



ぱっと見てすぐわかった人は立派なオーマニ…
というか雑誌好きかもしれない。

SOUND STAGE」音楽出版社刊。
CDジャーナル増刊という位置づけになっているが
立派なオーディオ誌である。
もともとはLISTEN VIEWというタイトルだったのが
途中でSOUND STAGEに変わっている。

季刊であり、これ↑は1993年夏号。通巻18号だ。


1993年という年はオーディオ全体を見てもエポックメイキングな
年ではないし、激動の一年という事でも無かった。
1990年のバブル崩壊スタート。1991年の湾岸戦争
1992年の株価大暴落など考えると1993年は地味な年である。

しかし、よっしー個人にとっては忘れがたい年だ。
それはオーディオ再開の年だったからだ。


6月14日

凄く個人的な事だけど、'93年というのはとても静かな年だった。

なぜそんな風に感じるかというと、前年に母が亡くなり、
そして長男が生まれるという二つの大きな出来事があり、
その翌年だったからだろう。

母の入院が'91年の出来事だったから、
都合一年間くらいの間、それはもう説明のしようがない位
大変な一年数ヶ月
であった。

ある意味'93年あたりは腑抜けになった年だったのだ。


何度も書いているが、それまで僕は車きちがい
バイクきちがい
な日々を送っていたのだが
この頃それらはほぼ完全停止を余儀なくされていた。

まあそれは無理もない事なのだが
根っからの趣味人であるよっしーにとって
道楽らしい道楽無しで過ごせというのは
かなり無理があるのも事実。

車庫に行くとクレームが付く。
では室内で何かやろうではないか、と単純に思ったとき
ムクムクと沸き上がって来たのが「オーディオ熱」というものだった。

この熱は10年位前に冷めてしまった筈だったのだが
病は完治していなかったようで、再発してしまったわけだ。

月刊ステレオを毎月買うなどという事を始めたのが
'93年の1月号からだった事を記憶している。


6月15日

1993年、久し振りに買う月刊ステレオはとても新鮮だった。
まあ中身は相変わらずという説もあったが(笑)
長岡先生もご健在。これは結構結構という感じ。

で、当然月刊誌だけでは飽きたらず、単行本なんかも読みたくて買いに行く。
オーディオA級ライセンス」「オーディオクリニック」「外盤A級セレクション」…
これらも今は絶版。店頭で買えたのは未だ佳き時代だったというべきか。


そして当然「スピーカークラフト」系の本も買うわけで、
読めばどうしてもバックロードを造りたくなると相場は決まっている。

それまで崩した事も無かった貯金をやおら下ろし
東急ハンズさんへレッツゴー。

さっそくD-55の制作に取りかかり…

という話は過去にも書いているからどうでも良いか。

しかし、つかまり立ちをやっと始めたばかりの子供が
うろちょろする中で、よくも大型スピーカーの自作なんか

始められたもんだと、今にして思う。

トントントン、と釘を打っていて、手を止めると
何故かトントントンという音が続いている

へ?と顔を上げると長男がおもちゃのハンマー(木製)
よっしーの真似をしてトントンしていた。

今でも忘れられない光景だ。

「室内で出来る趣味って良いな」と
単純に思えたよっしーであった。


6月26日

トントンと釘を打ち木工ボンドのお世話になる。
のんびり作っていた訳で、本当に静かな時代だった。

今思うと本当に良かった。

スピーカーを作るのは良いがアンプはビクターのJA-S31というもので
これは中学生の時から使い続けた物であちこちガリが出て悲惨と言えば悲惨な状態だった。

D-55が完成して、わくわくしながら音を出した。

実に景気の良い音がして嬉しかったのを覚えている。

で、この頃ちょうど「壊れているけど直して使うなら上げる」と
言われて貰ったマランツPM-94が有ったので修理に出した。

'75年製の39.800円のアンプから'85年製の20万円強のアンプにチェンジ。

これは相当音が良くなる…

と思ったのだが生気は何故かJA-S31の方があった。

それでも高級機の方が本当は良い筈だと思ってJA-S31は捨てて
PM-94に乗り換えた。

これはちょっと失敗だったかも、と気づいたのはだいぶ後の事だった。


6月30日

猛烈に忙しい6月だった。

お陰で気がつけば最終日ではないか。

'93のお話し
あまり個人的な事ばかり書いても仕方ないかな。

そこで上記雑誌をめくってみる。
どれどれ…

広告を見ると真っ先にあるのが
PioneerPD-T06
レガートリンクコンバージョン機能が誇らしげに謳われている。
CD11年目。ワイドレンジ化への試みのひとつだった。

続いてはSONYDTC-59ES
なんと、DATである。

なんと、とは失礼な言いぐさだがこの頃はまだDATが広告2ページ目を
飾っていたのかと思うと感慨深い。

そしてKENWOODL-D1。
力作と話題になった一台でCDプレーヤー。

Victor SX-500Dolce。同700Spirit。
ブックシェルフスピーカーだが個人的には700の面構えが好み。

アキュフェーズE-406が新製品。プリメインアンプだ。

広告外でもアキュはDP-90/DC-91を姿を見せる。

またDENONDP-S1/DA-S1も登場。

どちらも超弩級のセパレートCD

もっともこれらの正確な発売年は92年だと思われる。
'92年は'82年のCD登場から10年の節目だったので
これらセパレートも熱心に開発されたと思われる。
また、'92年はまだバブルの余勢を借りる事が出来たから、というのも言える。

'92年8月。東証は'90年に続く暴落を経験。

'93年はバブル崩壊が誰の目にも明らかになった、
正に宴の後の年。

「ステレオのすべて」は毎年年末の刊行だが
'92年末に出た「ステレオのすべて'93」が超充実だったのに比べると
'93年末の「ステレオのすべて'94」はかなり薄く紙面も暗い。
この辺りに明々白々な違いが出ている。

それでも2009年の今から振り返るとオーディオにとっては良い時代だったと言うべきか。

今回取り上げたブランドも、統廃合になってしまった物もあれば
名前は残っていてもピュアオーディオからは撤退してしまった所もある。

それも時の流れだが、なんともわびしいものだ。

ま、取り敢えずよっしーのオーディオ復活はそんな中だったし、
雑誌に何が取り上げられていても我関せずのラインナップだったのだから
何をかいわんや、だ。

当時はCDプレーヤーがYAMAHA CD-X3
アンプがVICTOR JA-S31マランツPM-94
スピーカーはD-55

そんな感じだった。


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