6月17日
そう、それは楽しかったshuksさん宅オフ会も
終盤となり、いよいよ解散となる頃合いでの事だった。
S「あ、よっしー君よっしー君」
Y「あ、はい、なにか?」
S「うん、これね。これ。これ聴いて君も益々精進しなさい」
Y「へ?こ、これは??」
S「見ればわかるだろう」
Y「い、いや、なんでっか?」
S「わかっているじゃないか。そうだ。でっかだよ」
Y「え?そ、そうでっか?」
…という会話が本当にあった確率は0.001%だが
カートリッジはここにある。
ほ、ほんまデッカ??
(続く)
6月18日
さてDECCA。
そりゃ名前くらいは知っているが昭和の日本オーディオの食い残しをせっせと拾っては賞味している
よっしーには縁遠いというか遠くで輝く眩しい存在というか、ベンツみたいなものか。
知ってはいるが縁遠い。そんな感じ。
故に慌てて勉強し直す事になる。
その構造は口で伝えようとすると無理があるので
図を見て頂きたい。
*海外サイトから勝手に拾って来てしまったので
これは後で差し替えないとまずいっす
分かる人にはすぐわかるだろうし、そうでない人にわかるようにするのは
難しい。
発電方式はバリレラと呼ばれるのだがヴァリアブルレラクタンスの略称。
針先で磁気信号を拾い上げてリケージフラックス=漏洩磁束で磁石(マグネット)に伝える
形を取っている。広義ではMI型の仲間か。
目指すところの一つは振動系の軽量化。
マグネットもコイルも振り回しませんというわけ。
だから色々な物が針先チップの上に構築されている。
ずばりこれは後にMCでSATINやVictorが目指すダイレクトカップルと通じるところがある。
というかデッカの方が当然先だ。
水平方向と垂直方向を違う発電機構で発電。
最終的にコイルの結線でステレオ出力にしているのも特徴的。
…ということなのだが海外名器というのはよっしーの疎い分野なので間違いがあったら
ご指摘頂きたい。
デッカの歴史の長さも説明不要だろうが今回の物はLONDON JUBILLEという事で
言うなれば復活組デッカ。
思いっ切り値段も上がっているのでビビってしまう。
1996年発売でなんと18万円。
自重10gと軽くない。ただ、見た目の割には軽い?
最適針圧2g。
トータルで考えると昔のデッカよりも遥かに近代的にリファインされていると見る。
民主的とも言える。
良かった。どうもこの種のブランドはレコードの溝に鉋でも掛ける勢いの物を想像してしまうのだが、
それは無さそうだ。
さて、能書きはこれくらいにして音を…
なのだが…
6月19日
音…なのだがその前にアーム、あるいはプレーヤーの選定をしなくてはいけない。
ご覧の通りシェル込で26g。
まあこれ位になるわけだ。
悩んだがWE-407/23を使いたいということでGT-2000をチョイス。
針圧2gを出して、慎重に針を降ろすと…
あまりにあっさり音が出てしまう。
出なくちゃ困るがそういう意味じゃない。
なんというか…
実にフツーなのである。
フツーで何が悪い?
いや、もちろん悪くない。
というかフツーが一番。
これは人生訓でもある。
ただ、なにしろ日頃見ない形式のカートリッジ。
見るからに手強さの固まりみたいなカートリッジ。
一体どうなってしまうんだろう?と思わない方が嘘でしょう。
なにか逆に間違っているかと思い、ここからしばし迷い道に
入っていくのであった。
(続く)
6月20日
あまりにもナチュラル。
それで何が悪い?と一通り試した今ならあっさり言える。
しかしこれだけ独特の構造であるとか
往年の名器であるとか
神話めいた物を後ろに感じると変に気負ってしまうのは
凡人の悲しい性だ。
ざっと挙げるとこの後、
MU-1800+EPA-100の組み合わせに装着。
あるいはHX-10000だと美しくなりすぎるのかと
PRA-2000のMM入力も使ってみた。
あるいは長めのアームでよりガッチリと、と思い
MB-800+WE-506/30のプレーヤーで
プリも換えてみようとSY-88なんかも使ってみた。
…もちろんどれも悪くないのだが気負いが音に出るというのか
かえってちょっと荒れた感じに?
あ、自分は道迷いをしていると自覚できるお歳になったので(エヘン!)
元のGT-2000+WE407/23に戻してみたら
やっぱりこれが一番しっくり来た。
なるほど、構造というか思想というかはエキセントリックな
カートリッジだが、奇をてらったわけでは無いのだ。
そのように考えた時、このカートリッジの奥深さがわかると同時に
これはまだまだ色々な横顔を覗かせてくれるな、と
期待を持たせるところを感じる。
何しろ我が家にはお相手をしたがるアームやらプレーヤーやらは
いっぱいあるのだ。
これからも楽しみではありませんか♪
慌ててはいけない。
アナログは焦ると本当に物理的に壊してしまう事があるので
気を静めながら進まなければいけない。