1月11日

明けましておめでとうございます

…というのは時間が経ってしまいました。
掲示板でのご挨拶も滞り、失礼をしております。

さて、いきなりのネタがオーディオネタではなさそうなところが
ご愛敬。

画像は文庫本で、「探偵の夏 あるいは悪魔の子守唄
岩崎正吾さん著 創元推理文庫刊

1987年の作で今回ご紹介の文庫本でも1990年の版だから
時間的には随分前の物だ。


よっしーは元来が探偵小説ファンである。

小学2年生の頃に名探偵カッレ君シリーズに嵌ったのが
きっかけで、その後お決まりだが江戸川乱歩さんの
怪人20面相等を読みふけり、
名探偵ホームズシリーズも読破した。

ちょうど中学生になった頃が探偵小説のちょっとしたブーム
と言うこともあり、横溝正史シリーズを読み
雑誌「幻影城」を無い金叩き買っていた。

その後も色々あるのだが、本棚から探偵小説、
あるいは推理小説という物は常に必ずある。

最近は勤め先の近所に古本屋さんが出来た事をこれ幸いと
一日一冊、100演円払って文庫本を買っているような次第。


くどくど書いているとそれだけで時間が無くなってしまうので
以下省略。

さて、今回ご紹介の物はいわゆる本格物とは全然違う。
それどころかタイトルからお分かりの様に、本家横溝正史さんの作の
本歌取り」である。
それだけに良い意味で気軽に読める。

まあ、それもどうでもよろしい。
内容…について書くのは難しい。
何せものが推理小説だけにネタをばらしては元も子もない。

が、本編エンディングのところで主人公が事件を振り返って
こんな事をいう場面があった。

“考えてみると(中略)身寄りのない孤独な老人だ。財産らしい物は何もない。
そんな老人が村がなくなって(註:舞台の村はダムに沈む予定)
どこへ行ってどう生きればいいと言うのだ。
恐らく(中略)深い絶望感を抱いていただろう
その絶望感が(中略)過去の一番美しい時代を
心の中に蘇らせたのだ

(中略)だから、あえて言いたいんだ、本当の犯人はダム建設だと”


僕は自己の啓蒙啓発の為に推理小説を読んだりはしない
更に言えばこの小説は推理小説といってもユーモアたっぷりのものだ。

しかしいよいよ大詰めの、エンディング近くのこの言葉には
ハッとした
、というか参った。

時は2009年

今私たちを覆っているのは“不況”というより
閉塞感”というヤツではなかろうか?と僕は思っています。

抑揚感の無さ、と言っても良いかも。

色々な人が色々な場所で、立ちつくしてしまっているような感じ。

そんな中で、以上のような言葉に出くわしただけに、
目をとめてしまったのでしょう。

変化には対応して行かざるを得ないと言うことは認めた上で、
しかし本当に年老いてしまった人達が、
よりによって慣れ親しんだ唯一のよりどころから
追われる様な自体になった時、何を見る
のか?
あるいはその目に何が映るのか?

それは過去の美しかったシーンなのでしょう。


年齢にかかわらず、そんなパターンを馬鹿にすることは出来ない。
否定も出来ない。

というのも、そもそも人の意識は年齢に関係なく
常に未来ではなく、既に起きた過去に向かっている
と思えるからです。

預貯金の無い人にも、身寄りの無い人にも
美しかった思い出の一つはきっとある。

逆から見ると、どんなにその他の物をたくさん持っていても
その種の美しい思い出が無かったら、
不幸なのかもしれない。

…なんて具合に、年初からこの本のお陰で思ってしまった
よっしーでありました。


人の意識は常に過去に向かう

これはきっと嘘ではないです。

アメリカという国は唯一継続的な繁栄をしている様にも
見受けられます。

ところがそんなアメリカで、テーマにすると必ずうける物の
一つに'50Sや'69Sを取り上げるという路線があるのは何故でしょう?

結局アメリカという国にしても、
その頃が一番良かったと内心思っている人が多いという事では
ありませんか?

どうして良く思うのかというと、
きっと、非常に多くの人々が、
今日より明日。明日より明後日が、もっと良い日になるという
想い、あるいは幻想を持つ事が出来た
からだと考えるのです。

今も良くなっているというかもしれませんが
あるいはそれはごくごく一部の人達にとって良くなっているだけで
80%〜90%の人にとっては如何なものか?という状況なのでは?

そして日本という国も取りあえずそんなアメリカの後追いを
やってきたのでありました。


日本という国で、これからテーマにすると
必ずやヒットするであろうと思われるのが
昭和”というキーワードです。

きっと、あの頃は良かった、と思う人が一番多い時代なのでしょう。

既に三丁目の夕陽で昭和30年代後半から40年代前半まで
来ています。

次は40年代中頃から50年頃かな?

国内オーディオ全盛期もその頃でしたか。

だから、僕はオーディオ博物館なんてやってみたいと
昨年あたりから考えているのです。

究極のお預かりシステム
1、保管業務 2、通電業務 3、ご希望によって鳴らし込み
4、オーディオ談義しながら宴会が出来る 
5、宿泊も可能

こんなのいかが?って最後はしっかり商売に結びつけている辺り
さすが?よっしーです(爆)

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