7月4日

いけない。なんと7月に入ってしまった。

なのに話題はまだ先月の鎌倉オフのままだ。

いつからこんな遅筆になってしまったのか?

大いに反省したい。

さて、一同N先生宅に向かう。

N先生宅にはつい先日もお邪魔したばかりだし
さすがに新しいネタはない

ひたすらJAZZ

そのひと言だ。

長々お邪魔してしまったが、N先生の探求心は相変わらず。

新しい物を常に検索されているから凄い。

ただ、誰にも原点はある。

N先生の原点。
それはやっぱりカウントベイシーみたいだ。

この日のラストにカウントベイシーの最新アルバムを通して掛けて頂いたが
それこそ圧巻であった。

もう言うことはないという感じ。

約17年前に一関の「ベイシー」で、それこそ生のベイシーと
接しているN先生のお写真
など拝見すると
これはもう“筋金入り”を痛感する。

JAZZと共に生きた人生。

ためを張って話せる人なんてそうそう居ない

オーディオマニアである前に、
N先生はJAZZマニア。それも第一人者だと今回も痛感した。


そうそう、一つだけオーディオネタがあった。

N先生の元にもカーボンのアクセサリーが登場していた。

CDディスクスタビライザーだ。

もちろん効果があったから導入されている。

ADと比べて遙かに高速回転をするCDだからこそ
その効果が顕著に出るという説もある。

さすがに真偽のほどは自宅で検証しないとわからないが
あり得る話しだ。

デジタルな物ほどアナログ的対策が効く?

考えようによっては不思議なお話ではある。


以上にて鎌倉OFFの部終了。

次からはモスビンさん宅襲撃記です。


7月5日

行って来ました。
シェルリード線御殿

アップが遅くなってしまいましたが
先月某日モスビンさん宅襲撃。

プチオフ会…ということで乗り込みましたが、
いや、プチどころか“濃い”オフでした。


モスビンさんと言えばシェルリード線

確かにそうなのだが、そんな簡単なもんじゃなかった

説明は順を追って、ということでまずは装置概略から。

写真の通り、メインスピーカーは長岡先生設計のD-57
ユニットはFE-208ST925
フルレンジはESも試された様だが今はSに戻っている。

ツイーターは他にもたくさん所有されているが
925をチョイス。

ADプレーヤーは三本アーム仕様で、イケダIT-407,テクニクスEPA-100,SME3012R
が載る。

モーターはテクニクスSP-10V

MCヘッドアンプがパーオニアH-Z1

MCトランスにライラARION

フォノEQも豪華でSME SPA-1HL,フェーズテックEA-1s

プリはサンスイC-2301V。パワーアンプはサンスイB-2105MOSV

ラインケーブルにオーディオテクニカAT-6A66

SPケーブルはオーディオテクニカAT-6S60

以上わかるようにアナログ党
CDプレーヤーはTEACで25XS

僕の場合、まずスピーカーを拝見して嬉しくなる。

D-57

'95年に設計されたもので20p一発ものとして人気を博した
D-55('89年発表)のスリム&トールバージョン。

これが発表されたとき、僕は既にD-55を作って使っていたので
随分悔しい気がしたものだ。

それだけスタイルは57の方があか抜けて感じられたからだ。

ユニットも嬉しいFE-208Sオリジナル
よっしーも最初はD-55に、その後はネッシーにこのユニットを使って
早10年以上になる。

最新のES、EΣの優秀さを認めつつ、
やっぱりFEはWコーンじゃないと、という説もある。

もちろん好きずき、好みで選べば良い。

ツイーター本当にゴロゴロしている。
価格で言えば925より高い物もあるのだが
それらは今全てSPを抑え込むウエイトに?なっている。


7月6日

一通り機材ウオッチが終わったところで
さっそく音出し。

最初だけCDが登場する。

VRDS-25XsでCDを。
そしてアナログの方はAT-F3U
(アームはSME 3012R、フォノイコSME SPA -1HL
で同一タイトルのADを掛けて頂く。

ここでまずCDとADの差に驚く。

もちろんこう書くからにはADの方が好ましかった。

もちろん装置に掛かっているお金が
CDとADで格段に違う
から何とも言えない。

申し遅れたが、この日は「手作りスピーカー研究会」
谺-kodama-さんとご一緒させて頂いている。

CDが上かADか?などという議論はしていない。

ただ、面白かったのが、
“ADに10万円掛けたなら、掛けたなりの変化が明らかに出るが
CDに10万円掛けた場合、それだけの変化が出る?”
というお話し。

どうも三人とも過去に(期待を持って)CDPのグレードアップを
した際に、“え?この程度の違い?”という思いをしたという
共通点を持っていたみたい(

いやいや、CDだって10万円掛けたら掛けたなりの違いが出るよ。
君たちろくな目に遭っていないね、と言われたら
ハイ、その通りです”と応えるが
よっしーの経験範囲ではCDで凄まじい変化というのは
まだ体験がない。

まあ、もしかするとやっぱり価格差30万50万と無いと
素人目(耳?)にもはっきりわかる違いというのは出ないのかも?

CDについて語りたければ最低100万円は積みなさい、と
言う人が居たらそれは正しいかもしれない。

取り敢えず僅かなお金の掛け方でも
音の違いを楽しめる
のがADの良さか?という結論。

つらつら色々な事を語りながらオフはスタートしたのでした。


7月9日

さて、本題のアナログ。
最初は前述の通り
AT-F3Uで始められた。

もちろんF3Uと言っても一本ではない

何本?

数えていられないが(笑)幸いモスビンさんから
資料を(オフの後)頂戴している。


何といきなり五本であった。

なぜに五本というと、全部リード線が違う
(シェルはLT-13aで統一)


サエクスーパー、同LTD、Mラボ、7N+PC-OCC、ステージ203EVO.2
とこうなるのだが、どれがどうだったと
詳述は不可能だ。

ただ、全部音が違うのは確か。

カートリッジのピンとシェルのピンという
ほんの僅かの距離を結ぶリード線で音がコロコロ変わるのには
本当に驚く。

しかし、もっと驚くのが試聴用のレコードだ。

マライアキャリーのデビューアルバムのみ

別にマライアが悪いとかそんな意味ではない。

だが、モスビンさんのお部屋には
いわゆるA級外盤もゴロゴロしている。
優秀録音盤の数も半端でないのだ。

それなのにそれらを差し置いて、なぜにマライアキャリー?

しかも聴くのは「LOVE TAKES TIME
で、更にその冒頭1分少々くらいの所のみ。

これをこの日延々と聴くことになるのである。

正直最初は唖然とした。

だがしかし、実はこれには深い意味があったのである。

もっともそれがわかるのはオフが始まってから2時間以上経ってからなのだが(笑)


さて、同じレコードの同じところを延々と聴く。

実はこれ、よっしーも自宅で良くやっているのである。

AB比較などをやるときには、ソースは固定しておいた方が
やっぱり好ましい。

ビミョーな判定となると、聞き酒よろしく一口味わったらチェンジ、
なんて事になる。

だから一曲まるごとなんて聴いてはいられないのが本当のところ。

なのでモスビンさんの気持ちや考えは良くわかる

だが、これを来客があろうともやってのけるというのは
なかなか根性がいる。

なぜそうしたのかのオチはちゃんと用意されていて
最後にはああ〜そーだったのかぁ〜…
と唸らせる自信と確信があればこそ出来る所行なのである。

だが、昨今これだけ徹して出来る人はそういない
(もちろんこれは誉め言葉

逆にいうと一般のオーディオマニアは僕も含めて軟弱になりすぎている?

これくらい腰を据えてやらないと、
リード線の探求やアナログの追求。そして自作スピーカーの追い込みなど
本当は出来ないのかもしれない。

モスビンさんは謙虚で極めて腰も低いのだが
こと音に関しては求道者の如く探求されている。

モスビンさん宅を後にする頃には
すっかり日和った我が身を深く反省したよっしーなのだが
それはさておきオフの話しは半分も行っていない。

この後驚きの連続となるのである。


7月10日

ところでモスビンさんのADプレーヤー自作

モーターはSP-10V
ベースは積層合板。

そしてアームはなんと三本アームである。

向かって左にSME3012R。奥にテクニクスEPA-100
そして右はイケダでIT-407

これの比較をしてみようと相成ったが
随分贅沢な比較である。

で、違いはどうよ?
と訊かれても、そう簡単には判定がつかない。

ある意味万能型で守備範囲が広いのがSME

恐らく軽量軽針圧ならベストパフォーマンスのテクニクス

そして守備範囲も広く、シビア過ぎず、しかも音に威厳があるのが
イケダとでも言うべきか。

曖昧な言い方だが、どれをとっても第一級のアームなので
ケースバイケースで使い分けるということで良いはず。

それより何より、三本アームのプレーヤーをラックの王座に
置いておける環境自体が羨ましい。

写真ではわかりにくいかもしれないが
ラックの背後は窓であり、ベランダというかバルコニーに面している。

だからいざとなればラックの後に回り込むのは容易
これもなかなか無い。恵まれた環境、
あるいは使いこなしの妙であろう。


取り敢えずここからはアームをIT-407に限定。

AT-33シリーズ歴代の比較試聴なんて楽しい事を始める。
(シェルはLH18occ)

まず33ML

馬鹿売れした無印33や結果的にロングセラーになったML/occと違い
稀少性がある。

音はというと無印33がどうしてもやや中域が引っ込み勝ちだったが
是正された感じで、これはやっぱり改良型とみるべきか。
初代がスカッと爽やかコカコーラだとすると
こちらはペプシコーラ?(ホント?)

次にこれも稀少なML/occ6N

こちらはやっぱりコカコーラ系。

次に限定生産だったLTDVTGが登場。

これはやっぱり33全体の中で見ると異端児と思える。

スポーツマン兄弟の中に突然生まれた読書好きみたいな存在。

渋みというか落ち着きがあって若くして悟りを拓いた秀才がLTD。

VTGもそれに近いが、こちらはもう少し大衆的。
遊びも知っている大人のテイスト。

でも、どちらも33の中では毛色が違うのは明らか。
お持ちの方は大切に。

PTGは量産型という事になるが、ここで再び33の系譜に戻る。

とは言ってもプレステージの名に恥じない高級志向
“まっとう”である。

更に最新、“R”が登場すると
これは遊びが後退して真面目に突き進む感じ。
カートリッジ界のGT-Rか。

…とわかったような事を書いたが
そんな違いを明白に出してくるモスビンさんの環境は
やっぱり普通ではないと言えよう。

(続く)


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