4月15日

先日kazzさん宅にお邪魔しました。

本当に一年振り。

よく考えてみるとよっしーがオーディオ引きこもりを始めたのが
ちょうど一年前。

(いや、別にオーディオが嫌いになったわけでも何でもなく
ただ単に会社の仕事が忙しかったんです、ホント…)

ちっとも出歩かなくなってジャスト一年だが
前回出向かせて頂いた最後がkazzさんのお宅であった。


…それから早一年。

よっしーが“鎖国”をしている間に
kazzさん宅のシステムはすっかり様変わりをしてしまっていた。

あたしゃすっかり浦島太郎?

などとボケている場合じゃない。
一年も引き籠もっていると世の中?は随分進んでしまうと
痛感したのが今回の訪問。


さてさて、kazzさん宅では何とスピーカーも、
更にパワーアンプも
変わってしまっていた。

まずスピーカーだがティールはティールでも7.2

これまでお使いだったのが1.6

何が違うって、まず高さが違う

コンパクトでキュートな1.6から背高のっぽの7.2へ。

ただ、さすがトールボーイ

極端に占有床面積が変わる訳ではない
故にラックの大移動などは一切しないで済んでいる様子。

このあたり、やっぱりトールボーイの有り難さだ。

都会にはトールボーイがよく似合う?

しかし、それでも長大。これはただ者ではない風格が漂う。

どうでも良くないが、この日は携帯のカメラしかなく
画像がいつもに増して酷い。
まずはkazzさんにお詫び申し上げます。
実物は1000倍美しい

さ、パワーアンプの説明は後に回すとしてまず音だ。

この日ご同席はPC-X60ADさん、しわしわさん
そしてよっしーは初めてお目に掛かるwhitewindy さん。
(順不同)

お三方は既にNEW kazzさんサウンドを体験済みと言うことで
よっしーは特等席に座らせて頂く。

で、その音なのだが、これがなかなか不気味である。

不気味とは何事か?と言われそうだが“不気味”なのである。

目の前にはkazzさん宅のオーディオ装置があり壁があり床もある。
更には天井もあるのだが音はそれらの存在を無視して現れるのである(汗)

「どうです〜?」なんて訊かれるのだが
よっしーは最初の10数分、視覚と聴覚のミスマッチを
脳内で是正するのに精一杯
だった。
思わず目をシバシバさせてしまうのでありました。

とは言え、この現象kazzさん宅では昔からあった。

CS1.6最初に聴かせて頂いた時の日記に
音を左右に放り投げるスピーカーを聴いてきた
とかなんとか書かせて頂いた気がするが
とにかくこのティールというスピーカー、
真っ正面にいても音を直進はさせてくれないような
何とも言い難い音の出し方をする。

音は実在する家具調度品を無視して現れ消える。
一種の超常現象だ。

そして浸透力が素晴らしい。
kazzさん宅では元来かぶりつきのソファー席と
その後のテーブル席と、と言った具合に二種類(以上)の
ポジションで音が楽しめるのだが
部屋のどこに居ても音が充満している感じに思える。

それも何が凄いって(これについては後でもまた触れると思うが)
特に大音量でも何でもないのにそれが実現しているのだ。

実はこれが今回凄い事の一つだと感じたのだった。

さあ、それにしてもこの音、
単にティールCS7.2の力だけで成立しているわけでは無さそうだ。

お題その2はパワーアンプにあるのだが…


4月16日

ところでこの音、どうもCS7.2だけで成り立っている訳ではない様だ。

前回訪問後変更があった物のもう一つが
パワーアンプ

何やら怪しげ(失礼)な銀色の“箱”が二つ
ラックに収まっている。

これは一体何か?というとAcousticRealityeAR1001という
モノブロックのデジタルパワーアンプなのだ。

サイズは極めて小さく、215mm(W) x 60mm(H) x 350(D)mm
しかない。
二つ並べてよくあるCDプレーヤー一台分という感じ。
持ち上げてはみなかったが軽量級なのは間違いなし。

それでいて1200W600Wというとんでもない
パワーを弾き出すから凄い。

電力消費は極少で発熱はもちろん僅か…というか微か。



なにしろkazzさんはこれまでジェフローランドのパワーアンプをお使いだった。

それを追いやっての登板。
ただ者ではない訳だ。

デジタルアンプの時代が始まっているのは
世相に疎いよっしーだって知っている。

しかし、その威力について、
ここまでのものとは思わなかったのが本当のところ。

何というか、とにかくオーディオ装置から音が出ているという
気がしない
のである。

…と書くと“オーディオ臭さの無い音
なんて思われるかもしれないがそれとも違う

“オーディオ臭さがない”、という場合、
オーディオ臭がしないオーディオの音
を想像する。

しかし、今回の場合はそうではない


では、生みたいな音、という言い方が合うのかというと
それも違う気がする。

何というか、従来型のオーディオの音が
スクリーンに写る映像の世界だとすると
こちらはどうもホログラフィックの世界と言ったような違いがあるのではないか。
そんな気がするのである。

従来の場合は、「ああ、アンプが働き、スピーカーがこう動き、
そして音がこう出て来るのだなぁ〜」なんていう風に
良くも悪くも装置を意識させるところがあるものだが
デジタルアンプの場合は駆動力があるというよりも
駆動という行為も、あるいは増幅という行為も
しているであろう事をすっかり忘れさせる感じがある。

とにかく、音はそこにある

そして装置はその存在を限りなく無視されている

これはひょっとしてもの凄いことなのじゃあないか?

僕は特にデジタル信仰者でもない
逆にアナログ信仰者でもない

そう言いながらプレーヤーに関しては
デジタルプレーヤーよりもアナログプレーヤーが登場する率が
圧倒的に高いが、そりゃカートリッジを、アームを、
あるいはプレーヤーその物を操ったりする行為自体が
魅力
だからである。

敢えていえば古いもの好きだから
CDよりアナログを可愛がる傾向はある。

だが、実際にはどうでも良い事だ。
CDしかなければ、それはそれで充分やっていける。

しかし、今回の場合はちょっとカルチャーショックを受けた。

やはり時代はデジタルなのか?と
CD登場から四半世紀経った今、初めて畏怖を覚える。

デジタル繋がりでいうと、パワーアンプがデジタル化されてこそ
CDという規格が真価を発揮される気さえしてきた。

とにかく今回この様な機会を与えてくれたkazzさんはじめ
計四名様
には深く感謝したい(ありがとうございます)

訊けば皆さんデジタルパワーアンプを体験ご用意済み。

やっぱりよっしーは浦島太郎になっていたか…

そんな“浦島”よっしー含む五人はこの後
竜宮城(本当は焼鳥屋さん)に突入。
オーディオ談義に花を咲かせた。

いや〜、やっぱりオーディオ仲間って本当に良いものですね、と
心から思った。

今年度は絶対に脱引き籠もり、と改めて誓うよっしーの手には
帰りにはしっかりお土産がぶら下げられていたのだが…

お土産を開けてびっくり玉手箱…?(汗)

(続く)


4月18日

箱を開けると煙がもくもく、という事はなかった。

出てきたのはeAR202というステレオ機

サイズは210mm x 60mm x 350mm。え
要するにeAR1001一台分の箱に2チャンネル分が収まっている。
重量は2.5s

しかし、それでもパワーは4Ωで290W8Ωでも130W。

デザインは共通と言って良い。
怪しげに眩しく光るパワーインジケーターランプが
無ければただのメッキをした箱でしかない。

リアパネルを見ると一組のRCAインプットと一組のSPOUTがあるだけ。
1001では存在したバランスインプットも無い。
電源ケーブルは3Pの脱着式だが付属はしていない。


何しろ軽くて小さいからすぐセット出来る。
むしろHMA-9500をどかす方が手間だ。

ラックに納めると小ささが際立つ。


何しろまっさらの新品だから多少エージングは必要だろうが
そんな悠長な事は言っていられない。

接続確認してパワーオン
パワースイッチはリアに可愛らしいのが付いているだけ。
余談だがとにかく各パーツが秋葉原ででも売られている物みたいで
愛くるしい。限りなくマニアの自作品に近い
たぶんこのパワースイッチは最初に入れたら二度とOFFにしなくて
済む
だろう。
それくらい発熱電力消費も無い。


考え方は人それぞれだが、僕個人は年々
発熱や消費電力が凄い機械を使いたいという気持ちが
萎えている。

音を聴いている時はまだ良いのだがエージング中も
大飯を喰らっている
のはどうも許せない気持ちになってしまう。

そう、段々大仰さを歓迎出来なくなっているのだ。

これは歳を取ったからだろう。

バイクや車に例えると若かかりし頃は燃費の悪さ
排気音の大きさを密かに自慢するようなところもあったのが
歳と共にハイブリッドカーなんか良いな、なんて思えるようになったのと
一緒だな、きっと。

とにかく気軽に相対することが出来るメリットは大きい。

どんなに音が良くても、でかくて大飯くらいのパワーアンプは
それだけで結構暗黙のストレスを与えてくれる部分がある事は
否定できない。個人的には…だが。


4月19日

さて、いきなり“音”だが
これはもう立派としか言いようがない。

と言って、駆動力最高=爆音も出せる、とかそんな話しとは
ちょっと違う。(爆音も出せるだろうが)

アンプがスピーカーを、そして部屋の空気を支配しているのが
わかる感じだ。

闇雲に、デジタル万歳、と言っているのではない。

ただ、音の出方が違うということだけは確か。

特に印象的なのが、隣の人と会話が出来るレベルの
通常音量における音の出方だ。

大きめの音の時との対比で、音の大きさは下げても
音の出方は変わらない感じ。

車の加速に例えて言うと、100キロ→140キロの加速
(エンジンの回転が充分上がった状態での加速)
20キロから60キロへの加速
(エンジンの回転がさほど上がっていない状態での加速)
及び加速感が等しい感じとでも言ったらおわかりいただけるか?

これは大変ありがたい事だ。
何でもそうだが実用帯域でも本領を発揮してくれないと
“特別な日”以外は実力を持て余す事になる。

気軽でしかも役に立つ
このあたりデジタルの本領発揮?


だが、しかし拙宅では手放しで万歳と言えない部分が出てきてしまった。

…といっても、それはデジタルアンプが良くない、というお話しではない。

一つはセッティングの問題らしき物まで出てきてしまったこと。

ソフトによって、やや洞窟的鳴り方をする物があったのだが
これまで騙し騙しで付き合えたのが
ちょっと厳しい鳴り方になってしまった感がある。

色々やり直しをしなくちゃね、という気になってしまった。
(正確にはいつかはやらなければならなかった事を
やらざるを得ないようになっただけ?)

これに関しては部屋の模様替えを含めて
取り掛かってみたい気がする。

もう一つは、これも似たようなものだが
他の機器を同時に見直さないといけないのでは?という
疑問が沸いてきてしまったこと。

まあ、嵌り過ぎると大変な事になるが
時間の許す限りで色々検証してみたい。


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