かなりのモチカネと誤解されそうだが そんな事はない。 自宅…は取り敢えず良いとして 残りの二カ所は仕事の場なのでマイリスニングルームとは 本当は言えないのだ。 残りの二カ所とは一体何だ?という方のために改めて説明すると 一つは今回取り上げている YAMAHAアビテックスミニ4.3畳のこと。 これはピアノ等のレッスンルーム。 もう一つは、コンコルドやP−610が登場している スペースで、これはつまりアビテックス外全てと言うことになる。 床面積は20畳以上あって、ヨガ、フラワーアレンジメント 等の教室として使われている。
これでオーディオももう少し伸び伸び出来るか? などと甘い事を考えたがとんでもなかった。 事業用スペースは事業をやるためのもの。 僕が遊ぶためのスペースではないのです。 当たり前だけど…。 二年の間に色々な機材が持ち込まれては撤退を 余儀なくされた。 前述の20畳以上ある空間に置くことが 許されたのはCDプレーヤーにプリメインアンプ。 それにコンコルド105という小さ〜いスピーカーだけ。 ましてや4.3畳の防音室に置ける物には限度もあり… ここに至っては諦めのスペースと相成っていたのである。
振り返ってみよう。 まずスピーカーはコンコルド105。 小空間にはミニスピーカーという風に短絡的に考えて持ち込んだが これが悪戦苦闘してもまともな音はしなかった。 駆動系はPRA-2000+HMA-9500だとかA-10Vが登場。 結局邪魔物になって自宅に帰ってきている。 その後コンコルドはアビテックスから出された途端に 本領発揮。 12p2Wayのこのミニスピーカーは20畳用であって 四畳半向きでは無い事を確認して そのまま一方のリファレンスとして活躍中。 …は良いけどこれじゃあアビテックスの中で音が出せない ということでYAMAHAのティファニーというミニコンポの スピーカーを拾ってきた。 これを天吊りで設置したのが今年の春くらいの事だったと思う。 組み合わせたアンプはアイワのレア物ミニアンプ。 これにディスクマンという組み合わせで確かに省スペースは 実現したが、音の方はいかにせんどうしよーもなかった のが正直なところ。
アビテックス内の音響装置は8ヶ月以上 ないがしろにされていたのか。 何か申し訳ない気分になってきた。 と、反省だけなら猿でも出来る。 しつこくアビテックス内の二年間を振り返ってみると @スピーカーの天吊りは正解だった。 …ということがまず言える。 スピーカーというヤツはとっても愛おしいヤツであると同時に なかなか邪魔くさいヤツでもある。 例えば自宅のロジャース。 これだって一体何度壁掛けにしてやろうか と思った程だ。 実際壁掛けというのもスピーカー設置の 一つの方法であることは間違いないが それこそお相手となる壁のキャラクターを もろに背負い込みそうで二の足を踏む。 そして次に天吊り。 これはなかなか格好良い気もするが どうもブラケットにぶら下がるという事が スピーカーのふらつきに直結しそうな“気がして” 乗り気になれなかったのが正直なところ。 それにブラケットに取り付けと言うことは どうしてもエンクロージャーにネジ穴を開ける事になるわけで これはどうしてもしたくなかった。
スピーカー部。 実はこれの採用を決定したのは このスピーカーはサイド及び底面に 最初からネジ穴が切ってあって ブラケット対応みたいな作りになっていたからなのだ。 (ちなみにエンクロージャーは樹脂製) BOSEのブラケットを奮発して 3月くらいにやっと天吊り。 省スペースという意味ではこれが大正解。 それまではコンコルド用にとわざわざ自作した スピーカースタンドを使っていたが これを廃棄したらグランドピアノをグッと奥まで 押し込む事が出来て、4.3畳がとっても広く感じられたものだ。 いや、ほんの15p程度の事なのだが 元々のスペースがスペースなので10p20pが 大変大きな影響を及ぼす。 更にもう一つ言うとミュージックデーターを再生しながら ピアノを弾くという場合に、ほどよい角度(上方)から データーのサウンドが聞こえると言うことで かみさんには大好評でもあった。 また、このティファニーのスピーカーの音が なかなかに良いものである事もこの時確認出来た。
アンプは小さいのは良いのだが いかにもゲイン不足。 無理矢理ボリュームを3時くらいまで上げると音が歪む。 その内ディスクマンも絶不調になった。 さてやアンプなんか幾らでもあるが 問題はそれを美しく、かつ機能的かつ 邪魔にならないようにセッティングすることだ。 それが億劫で一日延ばしにしてきたわけだが とにかく、ということでJA-S71とCDP-777ESAを持ち込んだのが 先日の事だったわけ…。 (長い道のりだ?)
いい加減極まりないセッティングで音出し。 いい加減と言えば電源もピンケーブルもいい加減の極致。 そんな事はどーでも良いからどれくらいの音が出るか 興味津々でGO。 ソフトはその辺に転がっていた?CD−R。 恐らくどなたか先生が持ち込まれた物だろう。 いきなりピアノ演奏が始まる。 が、これが良いから思わず笑ってしまった。 適度に力強く楚々とした表現のピアノ。 良いではないですか。 冷静になれば、なるほど音は上空に漂っている。 天吊り故だろうか?ちょっと見上げる音場だ。 なのだけれど、思わずサウンドステージなどという 似合わない言葉を思い浮かべてしまうほど 見通しの良い世界がそこには広がっている。 オーディオベーシック誌付属のCDなど掛けてみるが (オケからソロまで色々な音源、それも優秀な物が収められているので 助かる) どこれもこれもなかなか良い感じで鳴るのですねー♪ どうもミニスピーカー(といって良いサイズだと思う)を ブラッケット使って吊り下げとしているせいか 音がスピーカーに全然まとわりつかない。 前方に広がる音場というよりも 後方に展開する感じなのだけど “対峙”、というより“鑑賞”という趣があって宜しい。 左右の展開なんかはもちろんバッチリ。 マルチモノ、古い録音と色々掛けるが どれも楽しめる。 カーペンターズなんか聴いても エンジニアの意図するところが大変良くわかるような 鳴り方だ。
浮かれているので許してやって下さい。 なんというか、今回は(というかここに至って初めて?) 部屋と装置のマッチングが取れた感じでとっても嬉しい。 4.3畳という広くはない空間なので やたら音があふれかえる様でも困るわけだ。 適度なまとまりが必要。 そして何より、この段になって初めて 防音室ならではのSN比の良さが生きている事に気づかされる。 狭いのもこうなると幸い。 散漫にならず音に音楽に集中出来るのだ。
相変わらず一人ではしゃいでいるが 両手を上げて万々歳とはなかなかいかない。 とりあえず、良い。 だが、例えば官能的な…とかいう音は いきなりは出ない。 スピーカーの限界? いや、実はこの鳴り方はP−610段ボールを鳴らした時も 感じた。 ということはJA-S71のキャラクター? 早速アンプを差し替えてみたいのだが その前に置き場というかラックをちゃんとしないといけない。 オーディオ用を買う気はないのだが お目当ての物を買いに行く暇が無い。 トホホな気分だ。 早くあれこれ試してみたいのに…。
とりあえずご覧の通り、防音室内の装置が 入れ替わった。 結果、音はどうだったか? …一言でいうと大変よろしい。 どうして…?と首を傾げてしまうくらいよろしい。 近年稀な事だが、4時間くらい続けて音と戯れてしまった。 何しろ邪魔が入らず集中出来るので 逆に自重しないと困った事になりそうだ。 帰宅してかみさんに、 “防音室で凄い良い音が聴けるようになったよ” と報告したら “あら、あの部屋で良い音が出るのは初めてね” と言われてしまった。 ちゃんとわかっていらっしゃるのでした。マル。 (詳しくは又)
一つ前の日記に戻る。 日記のMENUへ。 表紙へ。
|