皆様明けましておめでとうございます。 昨年は座骨神経痛みたいな状態で年が始まったが 今年は腰痛で始まっている。 腰痛の原因は明らかで、防音室の移動が効いている。 床壁天井で合計40枚弱の重量級パネルを移設した上で グランドピアノその他を動かしているのだから 固くなった身体には厳しいに決まっている。 それは良いのだけれど、この寒いのに唯一の暖房器具とも言える ファンヒーターが壊れてしまった。 結果、とても寒い… 取り敢えずファンヒーターを買いに行こう。 これがお正月の目標です。(汗)
三が日は良くあるお話しで親戚巡りなどして 明け暮れる。 ちょっとの間を縫って↑で泣き言をいった ファンヒーターを買いに、某店までダッシュを入れた。 ところがこちらが希望する物はことごとく在庫切れ。 取り寄せで週末着ではどうしようもないので 涙を呑んで帰還。 この度は三台のファンヒーターが一度に不調になって 一台は持ち直し、一台は恐らく廃棄確定。 そしてこの三台目が直ったと思ったらやっぱりダメモードで (オーディオのある部屋で使っている物) いい加減嫌になり、もう深追いしない事にしていた。 でも、まあ在庫切れで頭に来て 性懲りもなく再度分解。 気合いを入れて徹底クリーニング! (何しろファンヒーターの中というのは、 大抵埃でもの凄い状態になっている) 結果… 何と何事もなく立ち直ってしまった… こいつは春から縁起が良い♪ こうなると在庫切れで買って帰れなかった事が吉と出る。 浮いた2万円弱で何かオーディオ製品を買おうか? う〜ん…、贅沢は敵だ。 でも、教室備品としてCDチェンジャーなら買うかも知れない。 これまではPC経由のCD−Rチェンジャーを使ってきたが この度の模様替えで教室のPCその物が行き場を無くしそうな 感じなので思案中と言えば思案中なのであります。
1979年発売。当時18万円というのだから かなりの値段である。 PX−2というからには当然“1”が先に出ているわけで そちらは’77年に登場。何と48万円と、ずばり高額機種。 ’81年にはPX−3も13万5千円で登場。 PXシリーズは以上の三台で完結となっている。
もちろんリニアトラッキングプレーヤーであるということだ。 ’70年代末から’80年代初頭にかけて リニアがちょっとしたブームになったことがある。 例えばパイオニアは’79年(’78年?)にPL−L1という 重厚長大なプレーヤーを発売しているし、同年にテクニクスも ジャストジャケットサイズプレーヤーSL−10を出している。 例に引いた二機種を比べてみるとわかるが リニアプレーヤーにも二つの考え方があったわけだ。 一つにはトーンアームの理想的な動作追求を主眼においた ド級型プレーヤー。前記PL−L1やPX−1などはこれだ。 もう一つはリニアの優位性を大切にすると同時に コンパクトさを追求。そこにフルオートを織り込む事で 最大限の利便性を追求したプレーヤー。SL−10はこれに該当する。 時正にCD登場を目前にした時期という事もあったのか、 数的にはド級型リニアよりもSL−10タイプのリニアの方が 亜流をたくさん残した。 これは無理もない事なのだが、 それ故に、今となるとPXシリーズなどの稀少さは高い。
重量17sとなかなかの重さだ。 点検の為に裏板を開けてみると 電子パーツフル搭載のためにキャビネットとしては がらんどうに近い。 それでいながら17sの目方があるのは キャビネットが5ミリ厚のアルミ製だからだ。 木製キャビネットよりもデザインの自由度が高い点にも 着目されたのだと思う。 直線的でなかなか美しいデザインが実現している。 余談めくが、このPX−2。そのデザインの良さは 実物をほどよいポジションに設置してみないと まず伝わらないと思う。 当時の雑誌の写真など見ても、このプレーヤーの 美しさが伝わってくる物は皆無?に近い。 これはもちろんカメラマンさんが悪いのではない。 PXが、ちょっと難解な被写体だということだろう。 僕も最初に見たときは、なんて不細工なプレーヤー(失礼!) なのだろう?と思ってしまった。 だが、しかるべき台に設置してまじまじと眺めてみると そのピラミッド型の姿形が何とも言えない格好良さを演出している ことに気がつく。 このあたりはさすがヤマハGKと唸らざるを得ない。 前記キャビネット、ダストカバー、そしてスイッチ類の質感も 申し分なく、見ているだけでも楽しめるプレーヤーである。
一発で正常に動く訳がない。 いつもの様に二三弄る必要が出てきた。 お陰でリニアアームの駆動の仕組みなど良くわかった。 アームは本当にゴムのベルトによってガイドレールの上を駆動されていく。 このゴムベルトが、まるで昆布かわかめかといった風情があって なかなか可笑しかった。 懐古録さんではPX−1とPX−3が掲載されているので まじまじと拝見したが、それによれば アームの駆動方式やアーム自体の作りなどは PX−2と3に共通点が多く、さすがPX−1様は ちょっとひと味違うのだとわかる。 結局例によってゴム部品の劣化が進んでいるようで アームの右送り左送りがもたつく症状は残る。 が、再生には支障が無いようなので安心した。
幾種類かのアプローチがある事がわかって興味深い。 まずアームの移動の形式だが、平行移動型、直線型、 パンタグラフ型、シェル取り付け角変化型と色々あるらしい。 主流はPXシリーズにも採用されている平行移動型で これは音質的に有利であるとか、操作性も良いとかの 理由があってのことだ。 この方式のメリットは、トラッキングエラーがゼロになること。 オフセット角、オーバーハング不要なのでインサイドフォースが 発生しない。 ストレートアームが使用可能。 もちろん普通のプレーヤーでも使えるが… @リニアの場合オフセット角がないのでラテラルバランスも完璧。 Aショートアームが使えるので実効質量を小さく出来る。 B固定アームベースのストレートアームでは 特殊な専用シェルしか使えないが、平行移動型の リニアプレーヤーではストレートアームであっても ユニバーサル型のシェルが使えるし、シェル一体型の カートリッジも使える。 そしてサポートの水平回転は極小でよいので アーム配線に太いコードが使える。 というメリットがある。
ロングアームを使おうとするとキャビネットの奥行きが 著しく深くなる。なのでショートアームが主流になるので 実効質量が小さくなり、超低域再生には不利になるということ。 アームベースをキャビネットにガッチリ固定出来ない(当たり前) 事も超低域再生には不利であるし、移動ノイズの心配もある。 更に、ベースの移動はアームの角度が一定値変化したときに モーターのスイッチが入って一定距離移動する。 つまりアームの送りはデジタル的であってこれが再生音にも 影響する可能性もある。 以上…、とわかったような事を書いたが、 これは別冊FMfan21号、長岡鉄男の 最新プレーヤー22機種フルテストの中の パイオニアPL−L1の項を参照…というより ほとんど引用させて頂いた事を告白する。
PL−L1ではアームは二本のレールの上を重量級アームベースが 移動する形となっている。 しかもアームのドライブにはリニアモーターを使っている。 (アームベースの底にマグネットを取り付けておき、 その下にコイルを並べて順番に電流を流していき、マグネットを引っ張る) だから無接触のドライブであり、ノイズの点では有利となる。 PX−2の上位機種であるPX−1もPL−L1同様 アームは二本のガイドレールの上をスライドする形となっているが リニアモーターではなく、別の形で振動をシャットアウトすべく 心がけている。 対してPX−2及び3などはゴムベルトの上にアームが乗っかり 動いていくような作りになっていて(ベルトドライブ) このあたりにコストダウンが感じられる事は否めないが 価格上昇を抑える為にはやむを得なかったとも言えそうだ。 …こんな事を書いているとPL−L1やPX−1にも食指が伸びて困るが PL−L1の場合は寸法も半端ではない。 そもそもリニアの場合はキャビネットの奥行きが深くなり勝ちなのだが PL−L1の奥行きは502o。なかなかセッティングに苦労しそうだ。 (キャビネをット開いた時の最大奥行きは573o!) その点PX−1は奥行き416o、PX−2及び3は428oと 現実的かもしれない。 尚、PL−L1と同時期にあったアイワLP−20Xは奥行き439o。 普通のラックに載せるにはこれくらいの奥行きが現実的ではある。 ただ、奥行きをギリギリまで削るデメリットも 特に使い勝手の面では出てくるわけで それについては明日以降書きます。
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