それにしてもあらためて接眼鏡で覗いて見ると 103族の針先は泥臭い? ここのところシュアーV−15系の華奢なカンチレバー及び針先ばかり 眺めていたから特にそう思うのかもしれない。 何しろシュアーと来たらカンチレバーは極細。 ついでにそこに付いているチップも極小。 よくぞこんな加工が出来るもんだと今更ながら感心してしまうほどだ。 それに比べると103はFLだろうがSLだろうがカンチレバーは極太に見えるし 針先チップも実に頼もしい限りの風情。 見た目は音に繋がるというか、103族の音はとにかく どっしりと安定しているとこれは通説。 オリジナル103も名器とされる一方、もう少し切れがあればと メーカー自身が考えたのかどうかはわからないが 前述の通り幾多のバリエーションを産んでいる。
聴いた事のない103系の方が数が多いくらいなので 偉そうな事は言えないが、拝聴する限りでは長い時間を掛けて 結局オリジナル103の音調に戻ってきたのかな?と 感じさせるのが103FL。 手元に103初代が無いので1対1で確かめる事は出来ないのだが 過去の記憶を辿ると元祖103を上手にチューン出来たのが103FL なのでは無いかと思ってしまう。 …と、この時点ではいささか曖昧な判断しか下せなかったのだが ここで自分の103SLを使ってみたら色々な事が判明した。
これは随分高解像度系の音に聞こえる。 すっきりシャッキリ、冴え冴えと音が抜けてくる。 これは正直好みの音だ。 そして、僕の思うところではそれでも103族特有のエネルギーバランスは 失われていないという感じ。 そこでもう一度FLに換装。 するとやはりSLよりは随分大人しい音に感じられる。 が、これは眠たい音というのとは訳が違うのがわかってくる。 この場合の大人しいは、引っ込み思案という意味ではなく 文字通り“大人の解釈が出来る=大人らしい”と捉えるべきか。 よくよく聴いてみるとSLと同じ様な仕事はしているのだが “やりました!”とこれ見よがしに走ってきて報告をするタイプとは違う。 サラリーマンだったらSLのタイプの方が出世しそうだが オーディオ装置に出世は関係ない? FLの暖かみやそこはかとなさを愛する人もいるだろうし SLの現代調を愛する人もいるだろう。 どちらか、と決める必要が無いのなら両方を楽しめば良い。 どちらも元祖103の路線を崩さずにファインチューンに成功した 限定モデルだと思う。 ただ、FLの方は元祖103の求心力が及ぶ範囲の中に しっかり根を下ろしているが、SLの方はその求心力が 及んではいるがそろそろ届かなくなる 瀬戸際くらいの位置に存在している感じだ。 最後に非常に個人的な事を言うと、SLとは10年くらいの付き合いになる 僕なのだが、“103SLってこんなに良いカートリッジだったけ?” って多少焦っている。 これは今回の機会を与えてくれた方がFLに同梱してくれた “SLにはこれが合いましたよ”という但し書き付きのシェルのお陰かもしれない。 (テクニカの…。品番は不明ですが) いやはや、とにかくここの所アナログの奥の深さに 頭を垂れる事が多すぎるくらいの私なのでありました。 シュアーにデンオン。本当に凄い物をリリースされていた。 されていた…と過去形で語らなければならないのが 唯一悲しい気持ちになってしまう部分ではありますが。
唐突だけど、やっぱり人様に音を聴いて頂く事は 大切だと感じた一日。 Pippinさんにご来訪頂いた。 OFF会、といっても特に熱くオーディオについて 語り合ってばかりいる訳ではなし。 まったりと〜まったりと〜で時間は過ぎる。 ただ、人様が介在するというそれだけで 普段は気にならない音のあれこれが気になってくるのが 家主の常。 ここのところ自分のオーディオという意味では停滞気味だったので そろそろあれこれ手を入れてみたくなって来ました。
教室の方にもお立ち寄り頂いた。 こんな所なんですよ、とご覧頂きながら 当然のように?コンコルドシステムでBGM。 ここにあるコンコルド君は本当に幸せ物だと僕は思う。 フラワーアレンジメント教室をやっているときの BGMはコンコルドが一手に引き受けるし、 昨日の体験教室がお陰様で成功だったこともあり 来月からはヨガ教室もスタートする事になった。 その時のBGMもコンコルド君が流すことになる。 コンコルドシステムが奏でる音は オーディオマニアでも何でもない生徒さん達 (ほとんどが女性)にも好評らしい。 もっとも、評価されているのは音質ではなくて音楽自体みたいだけど 選曲担当のよっしーとしては嬉しい限りだ。
たびたび言うようにこの場所にはコンコルドはうってつけ。 色々物が入って実質容積は減っているとはいえ 約30畳弱のエアボリュームのある所で コンコルドは何故か朗々と鳴る。 30畳に10p2Wayがマッチするとは妙な話だが 本当だから仕方ない。 広い場所で鳴らすと何でも良く鳴るのか?というと そんな事は全くない。 それに、この場所は決して良い条件ばかりではない。 国道沿いだから暗騒音もそれなりにある。 吸音処理などしている訳がないから もの凄いライブな空間だ。 でも、コンコルドには適しているみたいで これは理屈では説明が難しい。 それにしても、コンコルドは無条件で誉められて 羨ましい立場だ。ロジャースはなかなか持ち主に誉めてもらえない。 やっぱり長男の悲哀だな、可愛そうに。
結局自宅戻しになっている。 一年の間に行って帰ってきた感じだ。 一つには、やっぱりこの場所は遊びの場所じゃあなくて (当たり前だけど)仕事の場所だから、というのがある。 色々な教室が始まると、要らない物はやっぱり邪魔でしかない。 コンコルドは取り敢えずこれで良いとして アンプも本当はJA−S71ではでかすぎる? ただ、このアンプ本当に発熱というものをしないので 業務用としては最高?かも。 音も不足無い。 もっと小さくというと、いっそデジタルアンプが候補に挙がる。 ソースは結局CDがメインになっている。 FMも…と考えるが、最近の放送内容だとお花やヨガの BGMにはちょっとならない。 (アナログ再生にはSL−7が好適) そのCDも掛ける機械はPC用のCD−Rチェンジャーが メインとなっている。 これはなかなか優秀な機械で、7連奏ランダム再生可能というあたりが とっても嬉しい。 PCを立ち上げないといけないというあたりに ちょっと違和感があるが、そんな違和感を感じているあたり 自分はやっぱり時代遅れの人間なのかもしれない。 いや、時代遅れ間違いなしを痛感したのが Pippinさんにお持ち頂いたiPodミニを拝見した時か。 (もっと写真を撮ったのだが失敗してしまった。汗) 実際コンコルドシステムに繋いで音を聴かせて頂いたが これでバッチリOKだ。 スペースファクターを考えると、理想的にはノートPCをそばに置いて、 後はiPodミニ→デジタルパワーアンプ→コンコルド で完結するのが正しい? 利益が出たらiPodやデジタルパワーアンプを 備品として買って貰おうかな?などと虫の良い事を思いつつ、 その後直ぐに自宅に向かい直系30p以上、 重さ18sもあるターンテーブルを回しに向かったのでした。マル。
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