月をまたいでしまったので、もう一度Kさんのシステム全体図から ご紹介。
ここまで割り切られた装置もなかなか無い。 何しろスピーカーが排除されているのだ。 音の出口はSTAX。 考えてみるとこれはイヤースピーカーと呼ばれるのだから、 広義ではスピーカーの一つだ。 それにしてもシンプル。 だが、実はこれだけで総額100万円に近い装置なのは 目利きの皆さんならおわかり頂けよう。 CDプレーヤーはデノンのDCD−S1。 これがSTAXのSRM−717に導かれ、SR−007へと流れる。 電源はCSE。ラックはADK。 う〜ん…、やっぱりシンプルの極みだ。
その間メインは一貫してSTAXだというから これはもう筋金入りだ。 ご存知のようにSTAXは一度消滅の危機に瀕したことがある。 その時はさすがにKさんもお先真っ暗に思われたらしい。 現在は立ち直っているので一安心。 もちろんKさんも普通の?スピーカーをセットに取り込んだ事が しばしばある。 しかし、その都度どうしてもSTAXオンリーに戻ってしまうという。 どうしてそこまで?、という疑問は音を聴かせて頂くと わかってくる。
ご厚意に甘えてSR−007ヘッドフォンを装着。 CDを掛けて頂くと、そこには濃密な空間が展開する。 そこには…といっても、もちろんよっしーの頭蓋の周辺に、 なのだが、これが実に隙間が無い、密度の高い空間だ。 これには参ってしまった。 そして、ヘッドフォンなんだから当たり前でしょ?と言われるかも知れないけれど 塵の塵まで見えてしまうような、見事な再現性。 この世界に慣れてしまったら、なるほどそれは なまじなスピーカーでは納得もいかなくなりそうだ。 Kさんは幸せなのか?、それとも不幸なのか?。 ご自身も判断には悩むところのご様子。
世代的には少しだけ古いタイプのヘッドフォンを出していただく。 ドライバーはSRM−717で変わらず。 こちらはどうか?というと魅力は感じつつも007と比べると 差がつく。 Novaも冷静に聴けば充分素晴らしいヘッドフォンなのだろうが 007を聴いた後だと、やや分が悪い?。 007の密度の高さは尋常ではない感じで、 それからするとNovaは所謂普通のヘッドフォンの様に聞こえる。 もっとも007は味が濃いからNovaの爽やかさを自分は愛するという人がいても 不思議ではない。 ただ、僕としてはSRM−717+SR−007の方が一発で 気に入ってしまったので、以降この組み合わせで聴かせて頂いた。 Kさんとよっしーのおつき合いは足掛けで数えるとかなり長く、 以前よりKさんがSTAXを中心に据えてのオーディオをやられていることは 存じ上げてはいたが、実際に拝聴してみないと この世界ばかりは実感が出来ないと改めて痛感してしまった。
成立しているわけではない。 DCD−S1というCD専用の一体型としては 最高峰に近いプレーヤーを更にショップオリジナルチューン された物を使われている事も効いているに違いない。 改めて、見て触れて、S1というプレーヤーの凄さも感じてしまった。 Kさんとて次世代CDに興味はあるのだが、 S1改で聴けるCDの音を遥に凌駕する次世代CD対応機というと 一体どれくらいの物を用意しなければならないのかを考えると 二の足を踏んでしまうのは無理もない。 更にCSEの電源を用意されるなど気遣いは抜かりない。 ヘッドフォンステレオと言えば確かにヘッドフォンステレオなのだが あたしゃこんなに立派なヘッドフォンステレオは 初めて見ました。はい。(汗)
何しろSRM−717+SR−007の世界は良質ではあるが ある種の緊張感を強いられる事も事実。 真剣に聞き続けられるのは30分くらいだろう。 故にリラックス出来る世界をスピーカーに求めるのだが これがなかなか上手くいかないらしい。 リラックスといっても、寝ぼけた音ではリラックスは出来ないのが オーディオ好きの性(さが)。 かといって高密度高分解能を追求すると なかなかSTAXを越えられない?。 痛し痒しでスピーカーを手にしては結局手放して…で 今日に至る。 どなたか良い提案はありませんか?。 僕はいっそのことモノラルに走るか マルチチャンネルで独自の世界を追求したら? なんて言っちゃったんですけど。(笑)
最大のヒット?は中島美嘉さんの「LOVE」。 流行音痴のよっしーもこのCDは知っていたし、 第一職場の女の子達がCDラジカセで繰り返し掛けるから 嫌が応にも耳にはついていた。 しかし、それがまあこんなにも真面目で緻密できちんとして お金もしっかり掛かった物だったとは気づかずにいた。 超優秀録音かどうかはわからないが Kさんの装置には大変よくマッチしていた。 註 写真に写る白いオールドSTAXはよっしーの物です。 記念撮影用に持参しました。
う〜ん…疲れが抜けない…。 歳のせいという事にしておこう。 説明すると長くなるので…。
Y31プロジェクト、拘りの逸品。 今度はディスクスタビライザーだ。
LP再生時の理想はディスクとターンテーブルを 接着してしまう事とさえ言われる。 実際にはもちろん接着は不可能。 いかに密着させるかに腐心することになる。 そこで登場したのがディスクスタビライザー。 スピンドル付近に“ドン”と重しを載せてディスクを ターンテーブルマットに密着させる役割を果たす。 考えてみると簡単至極の物なのだが、 アナログ全盛時にはこれも雨後の筍のごとく色々なタイプが 存在していた。 スタビのコレクターみたいな方もいらっしゃるくらいだが、 僕個人は案外関心が薄く、現在使用しているのはテクニカの AT−618というありふれた?物。 過去興味を持ったスタビライザーというと よくオーディオフェアーのユートピアのブースで見掛けた 水中花の仕込まれた物。 あれは良いなと見るたび思うのだが 案外高価だったはずで手が出ないで今日に至る。
これは一概に言えない。 良い例が昨年手に入れたMU−41だ。 これの純正シートはディスクを線接触みたいな形でうける物。 そこにセンタースタビを置くとLPの外周が浮いてしまい 却って音にも良くなかった。 現在MU−41にはJP−501をドーナッツ状にカットした物を 載せているが、どうもスタビを載せる気がしないで今日に至っている。 だがしかし、同じJP−501を使いつつも SP−10Uの場合は必ずスタビを載せる。 単なる習慣と言ってしまえばそれまでだが こちらはその方が音にも良いみたいだ。 以上とは別にY31ST−1GMという砲金シートを 使う時はセンタースタビが必需品となる。 何故ならくだんのシートは外周から内周に向けて テーパーがついている。 所謂すり鉢状になっていて ディスクの密着度を抜群に高めているのだ。 JP−501も実はテーパーが掛かっているのだが Y31ST−1GMの方が明らかに、ハッキリとそれが感じられる。 逆にいうとY31ST−1GMの方はディスクスタビ無しでは 使いづらい事にもなる。
Y31ST1−GMにはセンタースタビが必需品。 で、日頃はテクニカのAT−618を使用。 こちらは重量約600g。 Y31ST1−GMでこれを使うと レコードを載せただけではスリップが残る。 ただし、レコードクリーナーでくるっと一周 レコード盤を撫でてあげるとピタッとフィットするから面白い。 これを一段上の850gクラスの物に換えると スタビを載せただけでレコードが張り付く感じになることは よそのお宅で確認済み。 今回のY31RS−1は重量1.2Kgということで重さは充分。 持ち上げるにも多少の心構えは必要。
というか充分過ぎるほどの心配りがなされている。 スピンドル穴はテーパー付きだ。 さてさて、それは良いがディスクスタビライザーによる音の違いなど そんなにわかるものだろうか?。 確かに各種素材などで音が変わるというのは頷けるのだが…。 何しろ最近心身共にお疲れ気味なこともあって 聞き分けをやるにはバッドなコンディションだったことを 先にお断りしておく。 AT-618を使用した場合と聞き比べてみて 結果はどうだったか?。 これはなかなかビミョーな違いと感じた。 それでも一つ言えるのは音のエネルギーが急峻な部分の再生において 破綻が減ずるということ。 つまりギリギリまで嫌な音を出さないように出さないようにと 踏ん張ってくれている気がした。 これが相手を見事に抑え込んだ賜だとすれば 正にスタビライザーの面目躍如。 どことなくV24Cさんの特製炭化珪素シェルの効能と 相通ずるものを感じた。
その点はご考慮の上お読みください。 それにしても持つ喜びは高い物があると思う。 形状、握りやすさも素敵。 また、いつまでも磨いていたい衝動に駆られるところも いつもながらのY31プロジェクト製品の魅力だろう。 価格は46.000円と安くはないが 永遠に使えることを考えれば、それもその人の財布の厚み次第では 高いとは言い切れないものがある。 試してみたい、と思う人はY31さん宛にラブコールを送れば きっと応えて下さると思う。 (良いのか?、勝手にこんな事書いて。笑)
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