3月21日

SS誌に触発されて買った物。その2

ブルーススプリングスティーン
ネブラスカ」を買ってきた。

これはSS誌に村上春樹氏が連載されている
音楽のある場所」に触発されてのこと。

連載第五回は“ブルーススプリングスティーンと
彼のアメリカ
”と題されていて
当然ながらスプリングスティーンについて、
そしてレイモンドカーヴァーについて書かれている。

が、実際に記事を読んだ人にはわかるだろうが
特にこの「ネブラスカ」というアルバムについてだけ
書かれた物ではない。

よっしーが「ネブラスカ」を写したのは
偶然中古で買えたレコードがこれだったからという
ただそれだけの理由でしかない。


それにしても、この「ネブラスカ」というアルバムが
世に送り出されてから既に22年が過ぎていることに
今更ながら気づき、そして驚いている。

22年前、僕はこのアルバムをレンタルレコード屋さんで
借りてカセットテープに録音して聴いていた。

その頃僕は大学生だった。
そして「ネブラスカ」の前作にあたる「リバー」や
更にその前の「明日なき暴走」なども録音して聴いていたと思う。

今回、恐らく20年振りくらいに聴く「ネブラスカ」は、
やはりというか当然というか、当時と変わらぬ
「ネブラスカ」だった。(当たり前だっちゅーの!)


ファンの方ならご存知の様に
この「ネブラスカ」というアルバムは
スプリングスティーンがEストリートバンドを全く入れず、
ニュージャージーの自宅においてエンジニアと二人だけで録音
したものだ。

聞こえるのはスプリングスティーンの
ギターハーモニカだけ。

そして収録に使われたレコーダーは
TEACの144という(正確にいうとタスカムブランド)
カセットテープを媒体とした民生用の4Trマルチトラックレコーダーだった。


僕はその頃、その144の後継機にあたる244を持っていたので
「ネブラスカ」というアルバムを借りる時は
かなり特別な“想い”を持って借りたと思う。

ただ、とにかくこのアルバムは一言でいうと
地味で暗い”。
だから当時もこれを聴く回数は
「リバー」辺りを聴く回数と比べると圧倒的に少なかった

今回20年振りに聴く「ネブラスカ」は、やはり地味で暗かった。

が、地味で暗いというのは受け取り方が悪いだけで
本当は真剣真摯で訴えかけて来るものがある、
と言い直した方が良いだろう。

やっぱり僕には歌詞カードと対訳が必要だ。
あの頃レンタルレコードを使った多くの人がそうであったと思うのだが
曲名をカセットのレーベルに書き写すのが精一杯で
歌詞カードや対訳のコピーを取るまでには至らなかったから
僕はその頃、ただ暗く沈むスプリングスティーンの唄だけを
聴くことだけしか出来なかった。

20年を経て、僕は今歌詞カードと対訳をに「ネブラスカ」を
聴いている。

そして、なお一層いたたまれない気分になっている。

もちろん、それは詞のヘビーさに対していたたまれなくなっているのであって、
このアルバムに対していたたまれない気持ちになっているのではない。


3月22日

「ネブラスカ」とタスカム244のツーショット。

「ネブラスカ」も超シンプル録音の良さが出て
オーディオ的優秀録音盤
…となると面白かったが、そうは問屋が卸さない。

どちらかというとデモテープがそのままレコードになってしまったような
感がある。
悪く言っているのではない。そこが「ネブラスカ」の面白さの一つなのだから。

さて、もうひとつLPを。
こちらは日本物。

これもSS誌に感化されて買ったような物だ。
南佳孝さんの「モンタージュ」。
’80年の作品みたいだ。

何を突然…と言われると
やはりSS誌のレビューに南佳孝さんのベスト盤
30th STREET SOUTH」(SACD/CDのハイブリッド盤)
が紹介されていたのがきっかけ。

そんな物を買う金は無いが、中古LP480円也なら僕にも買えた。(笑)

さて、と聴いてみると南佳孝の音楽センスには改めて感心
させられる。
ただ、音的にどうかと問われると、ちょっと上手く鳴らなかった

僕は針を落としてすぐ諦めてしまうタイプではないので
何とか上手く聴こうと思ってあれこれやったが難しいかも。

仕方ない。南佳孝は僕の装置に合わせて音を決めている訳ではない。

くどくど書いても仕方ないから結末だけ言うと
PC41MC+V24Cさんの18cシェル→SA3のPhono入力という所で
落ち着いた。

アナログは楽しいけれど時に疲れる。


3月23日

ということで、時々出てきては活躍するカートリッジ、
PioneerのPC−41MC

高出力MCでMM入力で使えるところがミソ。
しかも針交換可能な構造。

奇妙な味わいのあるカートリッジと言うべきか、
つぼにはまると楽しくて仕方ない一本だ。

主に日本のポップス(死語?)に使っている。
高域に独特のキャラクターがあってソフトによるが
キラキラぴちぴちと撥ねる感じがたまらない。

良かったらお試し下さい、と言いたいが
単売はされていなかったので入手は困難。
やる気があるならPioneerのPL−X9とか
PL−88Fとかのプレーヤーごと捜すしかない?。

シェルはV24Cさんの炭化珪素シェル。18cタイプを使用。

カートリッジに対してシェルがオーバークオリティーという説もあるが
ネジ穴が単純に貫通していてこれくらいの重さがあるシェルというのを
他に持っていない。

PC−41MCはかなりの軽量級なので
あんまり軽いシェルだとゼロバランスさえ取れなくなる。


3月24日

が近づきました。
春と言えばの音色?。

珍しいのではないだろうか?。
琴、尺八、ギター、ベース、ドラムでお送りするバッハというのは…。

タイトルはずばり、「A New Sound from the JAPANESE BACH SCENE」
(VICS1458)

尺八は山本邦山。琴はファーストとセコンドと二人いる。

これを掛けたらかみさんはひっくり返った。(笑)

もちろん中古で買ったのだが、いつ買ったのかすら忘れてしまった。

たぶんオーディオフェアーのジャンク市みたいな所だったと思うのだが。

ゲテモノ、というつもりはないが
珍しい物であることは否定出来ない?。

これで超優秀録音盤だったりすると面白いが、
あいにく録音は可もなく不可もなく

裏ジャケの写真からすると衝立を立てての重ね録りではなくて
一同ホールに会しての一発録りみたい。

ただ、ワンポイントで拾うとかそんな事ではなくて
各々にマイクを立ててミキシング
だから写真で見る各楽器の配置と実際の音の定位は
まるで違う。
まあ、それで普通だろう。

PC−41MCはここでも真価を発揮…、
していたかどうか、さすがにわからない。(笑)


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