早い物で三月になってしまった。 ニューアイテムのお話しを続けよう。 2月26日の日記の写真でを見て、めざとい方なら 黒くて今まで出てこなかった“ブツ”がSL−7の下にあることに 気がつかれただろう。 (気がつかねーよ、ってか?。笑) あれは何かというとCDプレーヤー。 YAMAHA CDX−900Dである。
“拾った”のである。ゴミ置き場で…。 お前はなんでも拾うのか?と言われたらその通り…。 と言うことはなくて、さすがに出番が無さそうな物は拾わない。 CDX−900Dにどんな出番があるのかというと、 その段階では“もしかするとCDP−777ESAを自宅の方に持って帰るかも?” という漠然とした思いがあったのである。 だからコンコルドチーム用に必要になるかな?と予想した。
さすがに壊れてもいない物を捨ててくれる奇特な方は あんまり居ない。 (時々居る) だからCDX−900Dも、やっぱり壊れていた。 電源はOKだったがCDを読まない。 ピックアップ駆動用のモーターがキュンキュン動いている気配はあるが トラックを読めない内に断念してしまう。 「?」 よっこいしょ、とネジ5本外して中を見てみると 案の定ピックアップ駆動用のベルトがずっこけている。 外れていたベルトを掛け直して上げると これが見事に息を吹き返した。 一件落着?。 かもしれないけど、念のために新品ベルトを取り寄せた。
薄くて軽い気はするが、充分使える気がした。 で、ランニングテスト宜しく使い続けていたら音飛びが発生。 “ほらご覧”、と取り寄せてあった新品ベルトに交換。 これで良し…、と思っていたらある時やっぱり 音が飛ぶ。 特にファーストトラック(1曲目)辺りで飛ぶ。 どうもどこかで訊いた様な症状だ。 とにかく教室用と言うことは業務用なので ちょっとでも不安定な要素があっては困る。 なので一旦自宅に持ち帰る。
最近すっかりご無沙汰をしてしまっているが こんな時参考になるのが KAZURさんのHP。 こちらには数多くのジャンク蘇生記があって、CDプレーヤーも たくさん取り上げられている。 なんとYAMAHAのCDX−800なんて言う姉妹機的な物もある。 読ませて頂かなければ損というもの。 で、結局ベルト交換以外に僕が出来そうな事といったら @ピックアッププレンズのクリーニング。 Aピックアップ駆動用レールの清掃とグリスアップ。 くらいなものだと判明。 早速挑戦してみた。 が…、結論から言うと音は飛ぶ。 後出来る事はただ一つ。 レーザー出力調整。 これだけである。
結果的にプレーヤーを壊しても。あるいは発熱でもして 火事が起きても(大袈裟?)、誰も責任を取ってくれない。 同じ事に挑戦する時は自己責任でとしか言いようがない。 分解手順は省略するが、ピックアップの裏にある小さな基盤に到達。 そこにある小さな半固定抵抗つまみを弄る。 もちろん、大幅になんて弄らない。 取り敢えず時計回りに10度くらい回す。 元々がゴミ置き場にあったものだから出来たが そうでもなければとてもやる勇気がない。 これでお釈迦になったかな?と思いながら組み上げて CDを入れる。
音飛びも無し。 大成功?。 いや、世の中そんなに甘くないはず。 こーゆーのはしばらくランニングテストをしてみないと 迂闊には喜べない。 続報はまた、という事で、今日はここまで。 CDX−900Dの詳しいスペックについても後日。
どうやらCDX-900DはOKみたいだ。♪ その後も快調に回り続けている。 (あんな調整で何とかなったのだろうか?)
900DのDはDIGITAL OUTのDだった様子。 この機種調べてみると’87年の製品。 なんともう17年も前の物になるのか。(!) 当時の文献を紐解いてみると、定価89,800円。 なんと9万円クラスだったとは知らなかった。 いくら17年経って壊れたとは言え、そんなもんがゴミ置き場に 出されているとはさすが先進国…。 ’86年11月に先代900が登場して一年足らずでマイナーチェンジ。 一応サブコード出力を省略してデジタルアウトを付けただけの筈だが 音も進歩したというのが当時の評価。 LR独立DAコンバーター。 デジアナ分離の電源トランスとプリント基盤。 D→A間は5系統の光接続で結合。 ハイビットデジタルフィルター。 高集積度の信号処理用とサーボ用を一体化したLSIの採用。 兄弟機種に700D(¥63,800)があるが900Dの方が2s重い 6,5s。 もちろん、10sオーバー組と比べるとボディー強度に限界はあるが 底板と脚はしっかりした物が使われている。 あるいは簡単なボディー強化で音質向上も望めるかもしれない。 いや、きっと良くなるに違いない。
何でも右へならへは日本の伝統芸?。 ’87年というとCD登場から5年であり 雪崩のようにADからCDへの移行が始まった年でもある。 この頃のCD界は多機能競争花盛りの感じがあって カセットへ、あるいはDATへの録音に便利だとか 今考えるとわけがわからないアピール合戦が行われていた。 僕としては機能が沢山あってもまず使わないのでどうでもよいが シャッフルという機能だけはなぜか好きだったりする。 (笑) 曲順がでたらめに掛かるというあれである。 それが、この900Dには搭載されていて嬉しい。 というか、それがあったから拾ってきたのだ。 ちなみにこの機能、SONYCDP-777ESAやディスクマンにも 用意されている。 尚、デジタルアウトを大きく謳っただけあって この時YAMAHAはDAコンバーターDX−U1(¥69,800)を 同時リリースしている。
とりあえず無事に動くのなら、としばらくコンコルドチームで使ってみることにする。
CDX−900Dについて、あるいはその時代について もっと書きたい事はいっぱいあるのだが 次のアイテムの話しに一旦移る。
アナログプレーヤーYP−700C。 同じくゴミ置き場で保護した。 ’74年当時55.000円。 母体となる700はロングセラー。 Cはそのデザインを変更したもの。 実際そのルックスは四半世紀以上経った今見ても美しい。 MVOベルトドライブ方式。 アウターローターシンクロナスモーター使用。 30pアルミダイキャストターンテーブル。 480W×166H×396D。 重量9,2s。 S字スタティックバランス型トーンアーム。 シュアーM75MB.TYPE2カートリッジ標準装備。 オートリターン、オートカット機能付き。 (つまりセミオートプレーヤー)
ちゃんと作動していた。 下はターンテーブルだが、ベルトが伸び気味で ずっこけそうだった。 それでもちゃんと回転はした。 これも凄い。 ただ、あまりにもスタート時など情けない立ち上がりだったので これもベルトだけは新調して上げた。 CDPの方はベルト二本で320円で済んだが さすがにADのベルトは3000円位する。 まあ仕方ない。
プレーヤー全体のデザインが良いため、美しく見える。 写真ではわからないが、このプレーヤーの脚は いわゆるインシュレーターではなくてごく普通の樹脂の脚。 ハウリングに対してはどうなのか?と思ったが アームの方がゴムでも介しているのだろうか フラフラと動きやすい。 音質にはどうかな?と思うが 方式だけで音は語れないのだろう。 それにハウリングマージンはある程度稼いでおかないと クレームの対象になる。 余談だけどCDX−900Dのメカもフラフラのフローティング。 これをリジッドにしてしまったら音も変わるのでは? と相変わらず危険な事を考えている私…。
聞き込めていない。 ただ、見ているだけでも幸せな気持ちになれるプレーヤーだ。 さすがYAMAHAというべきか、やることにそつがない。 アルミの部分の美しさ。ホンの少しだけ使われた クロームメッキの彩り。 ダストカバーも写真ではわかりにくいが 大変厚手で立派な物が付いている。 木の質感も好ましいもので 恐らく新品当時はもっっと白木っぽい感じだったと思われる。 長い年月を経て日焼けしているのだが、それもまた美しい。 当時はCA−600、CT−600が同じ木目を天板にまとって リリースされている。 これにジャストマッチのスピーカーはNS−470。 フルラインナップだと、より一層優美な感じになる。 “ステレオ”に夢があった時代。 良かったですね…。
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