コンコルド105スピーカーのパフォーマンスには 思わず言葉を失ってしまった。 しばらく経って冷静に考えられるようになると、 色々な事がわかってきた。 ひとつはっきり言えるのは、このスピーカーは 四畳半の防音室には全くミスマッチだったということ。 もしかすると30畳向き?。 広い空間に引っ張り出したら、あっという間に本領を発揮し始めた。
大らかで開放的。 自由奔放と言って良いだろう。 溢れんばかり、というか弾けるばかりというか…。 とても10p2Wayが鳴っているとは思えない。 (かみさんはネッシーが鳴っているのかと勘違いしたくらい) スピーカーから音が四方八方に全開で拡散していく。 屈託というものがほとんど感じられない。
狂喜乱舞していたのだが、この日は夜にお一人ゲストを お迎えした。 お久しぶりにKiraさん登場。 実は以前より教室にある防音室(アビテックス)にご興味があり、 ちょっと体験してみたいとの事だったので レッスンの無い時なら良いですよ〜、と打ち合わせていたのだった。 地下鉄の駅で待ち合わせて、まずは防音室体験。 そして、ここからが本番とばかりオーディオタイムに 当然突入したのであった。
聴いて頂く。 (CD−10+A−10Vでドライブ) 数秒で、“あ、わかりました”、となってしまった。(笑) 事前に、“防音室の中のオーディオは今は酷いですよ” とお伝えしてあったのだ。 本当はそれで終わりの筈だったのだが、 たまたま同日午前中にコンコルドのパフォーマンスを確認してしまったので 本番はこれからとばかり同スピーカーを 再び防音室外に出す。 で、CDP−777ESA+JA−S71で…、と思ったら Kiraさん何とアンプを一つご持参下さっていた。 そこでそれをさっそく繋いでみる事にした。
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プリメインアンプというよりも、SP出力付きヘッドフォンアンプという 位置づけらしい。 大変小さく、そして軽い。 でなければバッグの中に忍ばせてお運び頂くことは困難。 コンコルド105との組み合わせは勿論Kiraさんも初めて。 CDP→アンプ間のピンケーブルも、そしてSPケーブルもお粗末な物だが さて、どうなる?。
滑らかで艶やか。 Kiraさんも“どうなるかな?”、という感じで持ち込まれたのだが コンコルドは充分に鳴る。 この辺り、やっぱりコンコルドは作りが上手いというか何というか。 どう組み合わせても破綻を感じさせないようだ。 よくよく聴くとハイエンドは下降気味。 思わずスーパーツイーターを載せたくなる気もするが 絶妙な感じでそれを思いとどまらせる良さ?がある。 併せて低い方はドーンと、ややオーバーに鳴るのだが これが独特のスケール感に繋がっている。 どんな状況でも音が痩せるという事がない。 たまたま先日からTM14というカートリッジに入れ込んでいるが あれと同じような音傾向と言える。奇遇というか何と言うか…。
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この組み合わせはよっしーも午前中に少し聴いただけなので 再び確認してみたい気持ちがあった。 何しろCDP、プリメイン、SPと三点セットなので 繋ぎ換えも容易。 先ほどまでCECで聴いていたソフトをかけ直してみる。 すると…。 人間の耳とは贅沢なもので、CECだけ拝聴していると “これを買うべきか?”と思わず思ってしまうのだが やはり差は出て来る。 無理もない。28年落ちとはいえJA−S71は当時8万4千円もした 本格的プリメインアンプである。 分解能など差が付いて、音色の多彩さはどうしてもこちらに軍配が上がる。 よっしーは正直ほっと胸をなで下ろした。 だって、CECが欲しくなっていたんだもの…。(笑)
個人的には魅力を感じる。 何故か?。 マンションの防音室外にオーディオをセットした場合、 それは個人用ではなくて、業務用になる。 お客様にBGMを提供するのも勿論だが 出来れば常連の方にはお好みのCDなど持参で 大いに使って欲しいと目論んでいる。 となると、CECの様に電源スイッチとボリュームだけ という構成は大変好適だということになる。 この場所では女性客が90%なので、スイッチが少ないのは 大変ありがたいのだ。 だから、音はS71だよね、と思う反面、 使い勝手でCECには大いにそそられるのだ。 (ああ、金さえあれば…)
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これが立派に鳴るからありがたい。 注文をつければ幾らでも出て来るかもしれないが、 ご覧の通りお気軽なセッティングでこれだけの音が出れば 言うこと無し?。 カートリッジのTM14とスピーカーの105が 同じキャラクターでやりすぎという考え方もあるので これはテクニクスのカートリッジに差し替えてみるのも面白い。 (時間切れで試せず)
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男二人は結構音楽を堪能出来たのでした。 外来ノイズに目をつぶれば、ここでもかなりオーディオを 楽しめる事が判明。 それが何より嬉しい。 この場所で遊べるとなるとOFFもやりやすい。 レッスンと被らなければ大丈夫なので お話し&お茶を楽しむ+音楽なんて感じで宜しければ お立ち寄り下さい。
その後もコンコルド105はあんばいが大変良い。 Kiraさんとお逢いした翌日。 今度は一人で聴いてみると、恐ろしく音場が 広がるのにビックラこいた。 もちろん、ソフトにもよるのだが、特に後方に広がる感じが 素晴らしく、何か間違っているんじゃないだろうか?と 思ってしまうほどだ。 これも一種の幽体離脱?。 スピーカーが透けて見える。おわかりいただけますか?。
かなり広い空間なのだが、僕はそこでニアフィールドリスニング とも言える聴き方をしている。 (SPまで約1〜2メートル) CDも良いが、SL−7のお陰でアナログも (良い意味で)気軽に楽しめる。 BGMとして掛けておいてもバランスが良い。 これは大成功。 あとは綺麗にセッティングするだけだ。 もっとも、それが一番難題なのだが…。
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