8月7日

せっかくだから長岡先生のプレーヤーの系譜を辿ってみよう。

写真はスイングジャーナル増刊
モダンジャズ読本’75。つまり’74年発刊の物より転載です。

長岡先生が若い、、。

なんてことはこの際どうでも良くて(笑)
これはパルコンの一戸建てに移って一年位の頃のご様子の筈。

基本的な配置はこの後ずっと変わらないのだが、
メインはFE−203×2のBH。
まだD−7の型番が付く前の物。
サブでUP−203のバスレフが置いてある。
プリはC−3、メインアンプはTAN−8550

お題のプレーヤーだが、これじゃあわかりにくい?。

そこでぐっとアップ。

ターンテーブルはSONYのTTS−2500
アームはグレースのG−940。これはこの後メインアームとして
永らく活躍する。
カートリッジはテクニクスで205CU

キャビネットは積層合板。
写真だとわかりにくいが、鉛板のスライドアームベース方式が
すでに採用されている。

右隣にもう一台プレーヤーがあるのだが詳細は不明。

尚、これ以前。松原団地の時代からプレーヤーは常時二台あった様子。

ついでだから部屋の全景をもう一枚

まだ普通のイスが使われている。
切り株の登場はもっと後。

印象的なのはやたらと写真のパネルが見える事。

当時はまだ新しい部屋の使いこなしが始まったばかりで
色々と響きが気になって対策をされていた。

後にこんな物は全て不要だったと気づかれて
除去されている。(笑)


8月8日

隣のプレーヤーはよくわからない、、、と書いたら
さっそくdateyoungさんからSL−1200とのご指摘を頂いた。
(ありがとうございます)
そう言われればダストカバーの一部が隆起している独特のデザインではないか。
SL−1200は’73年登場。前年発売のSL−1100(¥72,000)の
ローコストモデルとして¥59,800で登場。
以来延々ロングセラーを続け、MK5は現役なのだから凄い。

ついでに自作プレーヤーの方のTTS−2500だが
これは’71年発売。
前年TTS−4000という上位機種が発売されているが
そちらは¥65,000。ACサーボのDDだ。
2500は¥38,000。

長岡先生の《「日本オーディオ史2」によれば
アームが内周に近づくとカートリッジがハムらしきものを拾う
しかも、33と45回転でピッチが変わる。
最初は原因不明だったが、電源を切ってもターンテーブルを
回すとハムが出るのでわかった。
モーターのマグネットが犯人だったのである。
当時、これに気づいた人はほとんどいなかったから、
のんきなものだった。”
となっている。

なお、自作プレーヤーは二本アームになっているが
アームの詳細は不明である。

ここでせっかくだから?と言うことで
松原団地時代のシステムにも目を向けてみよう。

画像は「観音力」から拝借したもので
これは今でも売っているムックだからまずいかな?。
ま、宣伝と言うことでお許しを。
読みたい人は音楽の友社さんにお問い合わせを。

しかし、まあこの画像だけでもチェックポイントは色々ある。

取り敢えずプレーヤーだが、三台納まっている。
一つはコンダクトのベルトドライブ(MU−41とは違う物なのだろうか?)
それからトリオのベルトアイドラー(恐らく’69年発売の400M
もう一台は不明みたいだ。
アームはグレース他、と言うこと。
(G−540だと面白いんだけど、、、)

プレーヤーの天板はコタツ板を切り抜いて重ねて30o厚とした物
らしい。当時のコタツ板は高圧プレスの合板で比重が1,0より大きい
やたらと丈夫な物があったと言うことだ。
生活の知恵というか、時代を感じさせると言うか、、。
僕も贅沢言わないでコタツ板を探してくる事にするか?。

メインスピーカーはやっぱりBH
FE−203のサブコーンをカミソリでカットした物を使用。

天井近くに目をやると、自作コーナーバッフルSPがあるし、
自作壁掛け式アンサンブルタイプのSPも見える。

三角ピラミッド型の物はFE−103×3使用でこれはスコーカーの
役割?。
その下にはガラスの灰皿に5HH17を上向きに仕込んで
その上にポールを吊った(ディフューザー代わり?)
無指向性ツイーターというのもある。

当時は先生も暇だったみたいだが良いことだ。
そんな時代に日本も戻らないだろうか?。


8月9日

ところで拙宅の音のお話を少々。

先日来、どうも納得出来る音が出ていなかった。
原因は?というと思い当たるのは模様替えしかない。

オーディオ装置の置き場を従来より90度変えてみた事がと出ていたようだ。

そこで取り敢えずスピーカーだけ元の位置に戻す。

嘘のように昔の音が帰って来た。

ホッと一安心。これで良いのだ。

やっぱり何年も掛けて詰めてきた物をいじると
あんまり良い結果は生まないようだ。


そして改めてMU−41+G−540+ZYXの試聴。
考えてみるとこれが初めての客観的試聴かもしれない。
やっぱり馴染んだ状態で聴かないと、本当の事はわからなくなる。

現時点での結果から言うと、これはやっぱり耽美的というか
独特の美しさを持った音だ。

あくまでも控えめ
前へ前へとせり出して、せり出しすぎて聴き手を疲れさせてしまう音とは対極にある感じ。

右の耳から左の耳へと音が抜ける、と言ったような表現は
苦手というより全くする気配がない

それでいてよく聴くと、繊細微妙な表現は抜群で
細かい音まで徹底的に拾い上げている。
押し出しは感じられないが歯切れも良好。

ただし、それをこれ見よがしに見せつけるどころか
そっと背後に隠してしまうような仕草さえする。

“そこに良い物があるんでしょ?。それ見せて下さい。”と
お願いすると、“いえいえ、、”とか言って照れ臭そうに仕舞ってしまう?。

お陰でこっちが“見せて下さい”、と言ってどんどん向こうに
にじり寄って行く
。そんな聴き方に終始してしまう。

これって想像なんだけど、もしかすると江川先生とか
好まれる音傾向なのではないだろうか??。


8月11日

やっぱり夏は暑い。(当たり前だっちゅーの!)

こんな時はMU−41+G−540+ZYXの音はありがたい。

これでピアノひっそりと、、、
そう、隣室の窓が開いていても隣の家のおじさんが
音を立てて窓を閉めたりする事の無い位の音量で掛けるのが
正しい行き方だろう。

たまゆらの、、、という言い方がぴったりの音を楽しむ。

1/f揺らぎがあるのか、あるいはワウフラの効果か?(笑)、
心が和む。

盛夏にはぴったりの音かもしれない。

音とは関係無いのだけれど、このプレーヤーの
上方から見たプロポーションはなかなか良いと思う。

ただし、このサイズだとSAECの506/30みたいな
ちょっと長めのアームを付けるとお尻がはみ出してしまう。
これは致し方ないか。

キャビネットの高さはもう少し低くて(薄くて)良い。
その点はちょっと残念だ。

作り直す時は高さ(厚み)には気を付けよう。


8月12日

夏はやっぱりオーディオには不向きな季節だと思う。
音を出せる時間があっても、何となく敬遠したくなる。

そこで工作
これは多少マシな気がする。
夏休みに工作に走った方が良いのは子供だけではない。

更にもう一つ。夏に向くものがある。

何かと言えば読書である。
読書は秋という説もあるが、暑さを感じながら
蝉の声を聞きながら畳の上でする読書というのは
独特の魅力がある。

古本屋さんで100円だった。

内容からすると2000〜3000円付けても良いのでは無いだろうか。


8月15日

話しはあちこち飛ぶが、今回は良い恥さらしのお話。

いや、G−540のラテラルバランスの事だ。

これまでの画像をご覧になっていた方の中には
お気づきの方もいらしたと思うが、実に妙な方向に取り付けて
しまっていた。

ま、これには軽い訳もあって、手に入れた時
そのような状態だったことが一つ。

それと、参考に見ていたG−545(540の後継機種)
写真ではラテラルバランスのバーがやはりアームに向かって
に取り付けられていた。
それで同じようにしていたのだが、545はS字で右に重量が
偏っている。それを補正するためにバランスは左に取り付けられる。
これは正解である。

しかし、540はJ字なのである。
この場合は当然ながらラテラルバランスを取る物は
側に取り付けられるに決まっている。

そんな事に気が付かないとは、さすがよっしーは大物である?。

と言うことで、やっと正常な方向にラテラルバランサーが
取り付けられた。

どー考えてもこれが正解である。

調整の仕方は当てずっぽうだが、ラテラルウエイト
目盛りの位置に合わせた状態でアーム全体の0バランスを取る。

その上でL字型のパイプの突き出し量を調整して
右にも左にも流れない位置を探る。

ピタッと制止した位置でラテラルウエイトを針圧位置
(ZYXの場合は2gなので、2の位置)に進めた上で
メインウエイトを動かして針圧2gを確保。

これで良いのかな?。

余談だけどG−540には針圧ゲージと言うものが見あたらない。

故に針圧計は必需品

僕は元々テクニクスの電子針圧計
SH-50P1を常用しているから苦にならないが
面倒と言えば面倒だ。

それでも、個人的にはこのアームの佇まいはこのアームの佇まいで好き。

アームリフターも無い、シンプルな造り。
これはこれで好きな路線だ。

幸いと言うべきか、WE-506/30でリフター無しの生活に
すっかり慣れ親しんで?しまったので楽勝で取り扱える。
怪我の功名というべきかしら?。

何でも物事はトータルで考えなければいけないから、
誤解の無いようにお読み頂きたいのだが、
基本的にはアーム周りなどは余計な機能が付いていない方が
好ましいと言う考え方は確かにある。

ステレオ誌’84年1月号に読者の方のSMEアームの改良と言う記事が
紹介されている。

この時俎上に上がったのが3009で、内部配線の交換等が
行われているのだが、事の発端は分解して磨いた際の
アームリフターの取り付け忘れだったと言うから面白い。

ちなみにアームリフターが無い状態にしただけで
定位と音像がはっきりくっきり。音場の見通しも良くなり
奥行きも出てきたように思えた、とのコメントがある。

自分では試した事が無いので責任は持てないが
ちょっと頷けるお話ではある。

だからと言ってSMEのあの美しい佇まいを積極的に壊そうとは
個人的には思えないのだが、リフターを外してみるだけなら
割と容易に実験出来る事だから、やってみる価値はあるのかもしれない。

(持っていればとっくに試しているけど、SMEなんて持ってないも〜ん。笑)

ま、くれぐれも念の為に申し上げますが、それぞれのアームに
それぞれの考え方
あるので、オリジナリティを損なうのは良くないという
考え方もあります。あくまでも一つの挿話と思ってくださいね。


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