5月20日

さて、その超いい加減な電源ケーブルを
繋がれて、DV−S10Aのご機嫌は?。

冷静な判断をするべく、
CDP−777ESA鳴らし比べする形で
試聴を進める事にする。

幾つかのソフトを聴いてみて
改めて思ったのは、777ESAと言うプレーヤーは
実に音楽の聴かせどころをわきまえた
巧みな音作りのプレーヤーだと言うこと。

繊細さを持ちつつもたっぷりと鳴るところが憎い。

ギターで言うと弦自体も煌びやかに鳴るが
厚めの胴鳴りの音を忘れない。
太鼓の皮にバチが当たるアタックもそこそこ強いが
太鼓の皮全体胴全体悠然とした鳴りもしっかり聴かせる。

ボーカルで言うとアルトの領域の辺に
しっかりとした厚みを持たせているのだが
こういった事は特性がどうとかではなくて
音楽を聴くときのわくわく感を盛り上げる意味で
とっても重要だと思う。

いいなぁ〜、、と感じさせる音作り。
改めて777の良さが胸にしみる。

では、DV−S10Aはどうなのか?。

バトンタッチしてみると、そう言った演出は感じられない。

これが一種の素っ気なさに繋がるのだが、
電源ケーブル交換で、やや演出過剰気味だった
爽快感は見事に消えて、大変ニュートラルな仕上がり。

777ESAと比べて、良いなぁ〜と思うのは
全体の見通しの良さ。
ベールがはっきりと一枚剥けて、
部屋の空気が綺麗になったような気さえする。

何となく空気清浄機が回っている部屋みたいな雰囲気になる。
ただ、マイナスイオンがたっぷり発生しているような趣までは無い。

総じて777ESAみたいな、親切な聴かせ方はしてくれないので
交換直後は欲求不満も出てくるのだが
よく聴くとS10Aの優秀さもわかってくる。

777ESAの音は音で確かに魅力的なのだが
悪く捉えると、色々な物を一つの色に染めてしまう
777トーンみたいな物を感じる。

秘伝の味付けがあって、お料理を換えても
その味付けは耐えずついて回ってくる。

対してS10Aの方は、色調は食材次第みたいなところがあるのだ。

一見味。だから物足りなさも感じるのだが
よくよく噛み締めてみると素材の味を殺さないで
そのまま出してきているのが理解出来る。

例えばお気に入りのCDを聴いていて
777ESAだと全編に渡って
“良いね〜、このベースの音♪〜”みたいに
喜ばせてくれるのだが
S10Aの場合は、“お、おお〜、、、このベースの人
こんなに色々な鳴らし分けをしていたの〜?”
みたいに気づかせてくれる。


777ESAの優秀さも理解しつつ、
ソースに忠実なのはS10Aだなぁ〜と
それぞれに良さがあって、機器の飼い主としては
大いに困っている。

取り敢えずS10Aの電源ケーブルにちょっかいを
出してみよう。

何となく素晴らしい結果が出るような
そんな気がしているのです。


5月23日

ところで、せっかくのDVD−A対応プレーヤーで
CDばかり聴いているのも何と言えば何なのだけど
現実問題DVD−Aのソフトはあまりに少ない。

店頭で見つけるのも至難の業だし、手持ちに至っては
一枚しかない。

それでいてDVD−Aについて語ると
絶対に墓穴を掘ると自覚している。

今はまだ、DVD−Aを語らず?。

それでも、危険を承知した上で一つだけ感じた事を
言わせてもらうなら、DVD−AやSACDと現行CDの違いは
間引き”のある無しかもしれない。

入れ物の大きさに限りがある以上、
どこかでカットされる物が出てくるのは当然。

別に悪い事でも何でもなくて、大抵の場合現行CDでOKと
なってしまう。

ところが人間のと言うのは贅沢に出来ていて
省略の少ない物を聴いてしまうと
“あ、今までのは結構省かれていたんだなぁ〜”と
気がついてしまう。

僕たちの持つ感覚器官と言うのは実に鋭くて
特に耳は目より騙しが効かないのかもしれない。

とはいえ、現行CDが常に次世代CDに
負けるかと言うと、そんな事は今のところ無いのだろう。

同一タイトルで比較した場合、丁寧に作られたCDの方が
生まれたての次世代CDより良い音を聴かせてくれるケースもあるみたいだ。

それに、CDがラストメディアのスタンダードとなってから
随分な時間が経つ。

パッケージメディアの作り手も、無意識の内に現行CDが
リリースされる際の入れ物と思って製作をしているだろう。
その事も現行CDに有利に働いていると思われる。

それでも、やはり根本的な器の大きさの違いは
最後に支配力を発揮すると、僕は(誰でも?)想像するけど
多くを語るにはソフトもハードも少なすぎる?。

やっぱり、“ 今はまだ次世代CDを語らず”の
立場でいる方が無難みたいだ。(汗)

第一語れる立場じゃあないわなぁ〜、、、。


5月26日

Kchanさんから電源ケーブルをお借りしてしまった。

二本お借りして、一本はオーディオ用
一本はPC用?らしい。

どっちがどっちかわからないが
太さ手触りはまるで異なる。

音も当然違う筈だが、取り敢えず太い方から
DV−S10Aに繋いでみる。

こちらはMADE IN USAらしいが
それ以外の事はわからない。

一聴してこれまでとまるで違う音が出る。

何となく想像はしていたけれど、これにはビックリ。

ここまで違いますか、、、。

一言で言って高解像度
はっきり、クッキリ。

迫力充分。それでいて荒れる事もない。

良くも悪くも、いかにもオーディオをやっています
というノリの音になる。

皮肉を言っているのではなく、これは充分魅力的な音だ。

ただ、ちょっと個性が強いというか、
濃いめの調味料をふりかけてしまったみたいな感も
なきにしもあらず。

強く惹かれる反面、ではこれで万歳かというと
やや心に引っかかるところもある。

ここですかさず細い方のケーブルに交換。

HANAIとの刻みはあるのだが
それ以上の事はわからない。

音を出してみると、これまたコロッと変わる。

ごくごくオーソドックス

なにしろ先に拝聴した太い方のケーブルが
個性的だったので損をするが
よく聴くと大変ニュートラルな音だ。

強調感が無く、屈託無く音が出てくる。

面白いもので、Dレンジ、Fレンジ共にこっちの方が
広く感じられる。

ただ、繰り返しになるけれど強調感が無いので
完全な初心者だったら、先ほどの太い方のケーブルの方が
ワイドレンジに聞こえる事請け合いである。

更に言うと、この音は自作のケーブルを使った時の音に
似ている。

そちらと比べてどうかというと、これまた一長一短みたいな
ところがあるから興味深い。

ちょっと時間をおいて、冷静に聞き直してみたい。

Kchanさん、もうしばらくお貸し下さいね。


5月27日

それにしても電源ケーブルでこれだけ音が変わってしまうのは
良いことなのかどうなのか

機器の音の管理という点では疑問も残る。

でも仕方ない?。ピンケーブルやフィーダーアンテナが
付属で付いていても、それがベストの物と言うことが無かったように
同梱の電源ケーブルは取り敢えず電源が入るだけの
オマケみたいに思うべきなのかな?。

でも、ちょっと心に引っかかると言えば引っかかるけど、、。


さて、僕は新しいフォーマットの物に対する取り組みが
極めて遅い人間だ。

別に新しい物に懐疑的とかそんな立派な動機でそうなるのではなく、
ただ単にお金が無いからそうならざるを得ないのが理由なのです。

CDも確か最初にソフトを買ったのが
’86年くらいだったと思う。
ハードが来たのは’88年だ。

ビデオデッキを手に入れたのは’88年
これもかなり遅い。

今回DVD−Aと言う、かなり新しめのフォーマットに
対応する事が’03年の段階で出来たのは
よっしーにしてみるとかなり早い方だ。

人間現金なもので、自分がそれを再生出来るとなると
これまで横目でしか見なかったDVD−Aソフトの
新譜状況などもちゃっかりチェックするようになる。(笑)

でも、まあ本当にリリースされる数の少ない事、、。

その点SACDなどはここへ来て波に乗っている感がある。

本来僕はSACDの方とがあって
SCD−1SCD−XB9に付いては自宅で拝聴もさせて頂いている。

だから、まさかDVD−Aの方が先に来るとは予想外以外の何物でも無かった。

こうなってくるとSACD対応機も是非欲しいが
やっぱり一台で収まって欲しいとも思う。

最近は一台でSACD、DVD−A、そしてCDその他と
対応可能なマルチプレーヤーも増えてきている。

高嶺の花で手が届かないから、又数年先の導入となるのだろう。
破格値で買えるまで待とうホトトギス。

デザイン的にはマランツ製の、左にトレイがある物が
とても気に入っている。


5月28日

暇を見てはS10Aの電源ケーブルを差し替えて
ああでもないこうでもないとやっていたら
仕舞いには何が何だかわからなくなってきた。
というか、どうでも良い気持ちになってきた。

こりゃいかん、と言うことで
気まぐれにCDP−777ESAでCDを聴いてみた。

ところが音が出た途端固まってしまった。

こりゃ凄い説得力である。
音が訴えかけてくるとはこの事か。

S10Aの方が見通しが良いと言えば良いのだが
そんな事は吹き飛ばしてしまう程の“迫り方”の違い。

ちょっと考えてしまったが、10年のギャップを越えて
やはりまじめに作られたCD専用機には一日の長があると言うことか。

もっとも、S10Aにしてみれば映像用DVDのチェックも
して貰えず、切り札のDVD−Aのチェックもして貰えず、
CDばかり掛けられても困るに違いない。

これから先、SACDやDVD−AというNEWフォーマットに
対応するマルチプレーヤーを導入するにしても
せめて777ESAの音は越えてくれないと困る。

別に777ESAがベストでも何でもないだろうが
ウチでは一つの試金石になることは確かみたいだ。

しかし、777ESAではDVDを観ることも
DVD−Aソフトを掛ける事も出来ない事を考えると
S10AのCPは大変高いと言える。

本来はプロジェクターに繋いで上げないと
可愛そうな機械ではある。


5月30日

オーディオという趣味は大変良いものだと思うのだが
最大の難点は音を出すものであるために
やれる時間帯が限られているという事だろう。

(別棟、あるいは地下に防音のリスニングルームでも
作れば別だろうが)

その上働き盛りは忙しい。
そうそう早い時間に帰ってくる事は無い。

そこで多大なストレスが発生する。
音は出したし、時間は無し、、。

それを解決する手段の一つとして
ヘッドフォンというものがある。

いや、そんな言い方は失礼かもしれない。
ヘッドフォンは決してスピーカーの代替え品などではないと
言われそうだ。

実際数年前からおつき合い頂いている
群馬県のKさんなどはSTAXのヘッドフォン
(イヤースピーカーと言わないと怒られる?)
を主体にシステムを構築。オーディオを楽しまれている。


それで、、、と言うわけでは無いのだが
僕もSTAXのヘッドフォンを持ち出した。

このヘッドフォン、数年前にある方の形見として頂き、
時々引っ張り出しては使っていたのだが
常用するには至らなかった。

至らなかった原因は幾つかある。
SR−3というこのヘッドフォンはSDR−5という
専用ドライバーを使わないとならないのだが
このドライバーはパワーアンプ(あるいはプリメインアンプ)の
SPアウトに繋がないとならないのだ。

要するに機器のヘッドフォン端子や
ピンアウトに繋いでOKとはいかない。

これが案外やっかいな上に、過去において
その面倒を押して接続した結果の音が
思ったより芳しく無かった事もあって
常用するには至っていなかった。

今回はSA3のプリアウトを二股プラグで二系統に分配。
HMA−9500一台をSTAXドライブ専用とする事にした。

考えてみると随分贅沢な使い方だが
その甲斐あってか出てくる音の方は
以前とは違って良好だ。


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