SY−77が東芝から帰ってきた。 伝票には一言。 「部品入手不能。返却」と書かれていた。 無理もない。 気落ちしなかったと言うと嘘になるが 四半世紀前の製品を 引き上げるだけでも引き上げてくれただけで 充分御の字だ。 メーカーにしてみれば赤字の仕事である。
古典的オーディオの名器を手に入れる際は メーカーにアフターは期待してはいけない (*機能部品の保有義務年数はアンプ等で 製造打ち切り後8年) と言うことを肝に銘じておかなければいけない。 よっしーみたいに3千円で拾ってきました、 なんて人は諦めもつくが、 それなりの価格で手に入れる人は 何かあったときにはどうするかを 充分考えておかないと衝撃が大きいと思う。
アンプの修理能力は無いに等しい。 でも、中を見るのは好きなのだ。 SY−77はその後の88シリーズに比べると 内部にはまだ余裕がある。 作りもおおらかだ。 症状は時々左チャンネルがご機嫌斜めになるというもので そちらだけ音が出なくなってしまう。 ボリュームをガンガン上げて信号を通していると その内正常になってしまうというもの。 患部の特定が難しいパターンだ。 これからどうするかは考えよう。
システムに組み込む。 音は正常に出続ける。 里帰りしただけで直った?。 いや、そんな事はない。 ただご機嫌が良いだけだろう。 いつまた再発してもおかしくはないのだ。 でも困ったことに出て来る音は 個人的には素晴らしいの一言。 思わず次から次からソフトを取り出して来てしまう。 細かい注文もあるのだが それについては又。
SY-77で鳴らすロジャースの音だが (もはやメインアンプの存在は薄い。 プリがスピーカーを鳴らしている感じだ) 一言で言って“豪放”。 何ってたってかみさん (僕より耳は良い)が ネッシーが鳴っているのかと 勘違いしたくらいだ。 それでいて質感は大変良いので 「君ってさすがにBBCモニターだったのね?」 と尊敬の目でロジャースを見つめる よっしーなのでありました。
ほとんど全ての要素で今の方が優れている。 ただし、やはり失われたものもあって 例えば豊潤極まりないアルトサックス、 と言うのは何処かへ消えて行ってしまった。 ちょっと残念。でも仕方ない。 万能のプリアンプなんてあるわけがない。 (という事にしておこう) もっともSA3も球の差し替えなどは 試していないので 一度くらいは挑戦してみる価値はある?。 (その前にSY完治させろって?)
思うところあってCDプレーヤー交代。 NECのCD−10を引っ込めて SONYのCDP−777ESAを引っ張り出した。 日頃はアナログ党のような顔をしている よっしーだが、いざとなるとCDに頼る部分も多い。 (ずるい?) で、CD−10→SY−77→HMA−9500 →ロジャースというラインで聴いていると、 押し寄せる風圧みたいな物は充分なのだが いかにせん硬質というかダイレクトというか 身も蓋も無さ過ぎるような気がしていた。
CDプレーヤーの違いはハッキリ出て来る。 ガツーン、ガツーンと体当たり一本槍の CD−10と比べると、777ESAはしなやかで 繊細さにおいてCD−10を引き離す。 歌手の唇の濡れ具合が良くわかる などと言うが正にそんな感じ。 CD−10は10万円で同時代の20万円クラスに ひけを取らないハイCP比機と定評だったが、 対するCDP−777ESAも20万円はバーゲン価格で 内容からしたら30万円でも通ったのではないかと言う、 こちらもハイCP比機だった。 同列に比較してはCD−10が可愛そうだが トータルでは777ESAが僅かに優れているようだ。 シビアーなディスクで聴き比べをすると 良くわかるのだが、 特に分解能において777ESAはCD−10に 水を開ける。
熱く語っても仕方ない?。(笑) きっと今時の10〜20万円台のCDプレーヤーを 聴いたら、よっしーは卒倒してしまうのだろう。 そんな事にならない様に、そっと(う)しておいてくれ。 それはさておきCD−10と777ESAの 比較はなかなか楽しい。 全体の作りは結構似通っているのだが、 片やマルチビット、片やワンビット。 DACの形式だけで音が決まる訳ではないが、 両者共その時代の各方式の 典型的特徴を匂わせるから興味深いのだ。 全てはシステムの流れの中で語るべきだとすると 777ESA→SY−77→HMA−9500の泣き所は いささかローエンドが緩くなってしまうところか。 もっともこれはCD−10の音の出方が異常であって 777ESAは正常人だという説もある。 太鼓の皮やギターの胴。 あるいはピアノの郷板の鳴りが良くわかるのが 777ESAで、太鼓の皮にバチが当たる瞬間や ギターをつま弾く指先やハンマーのアタックが 良くわかるのがCD−10。 そんな違いみたいだ。
SYだけでなくて、よっしーの体調もイマイチに なりつつある。 それはさておき、CDプレーヤーを入れ替えたりしたのには ホントは理由があった。 簡単に言うとSYの実力チェックである。 実力チェックとはオーバーだけど、 僕は周辺機器を入れ替えた時に どれくらい敏感に違いを出してくれるかを チェックポイントの一つにしている。 結論からいうと、今回のSYは合格。 CDプレーヤーの違いをきちんと (あからさまに、とは意味が異なる)出してきた。 今後も安心してお付き合いが出来そうだ。 安心したついでに(?)アナログも聴いた。 SP−10U+DV−507+MC−L1000 →HX−10000→SY−77→HMA−9500 →ロジャースLS5/9という流れだ。 おっ!と驚く素敵な音。 やや!?と感激したところで音が(左チャンネル) 途切れた。 あかん。いい加減お手当をしよう、、。 一応の準備は整った。
SY-77は某所にてメンテナンスを 受ける事が決定。 患部も大体想定出来ると言うことで 一安心。 それはさておきSA3を復帰させて ロジャースを鳴らしている。 心新たにして聴くと、 これはこれで大人の味である。 とてもチャーミング。 そして奥ゆかしい力強さがある。 あるいはこれが本物?。 いやいや、オーディオに本物も偽物も無い。 あるのは好みに合うか合わないか、それだけだ。 ただし、この判断基準自体が 色々な経験を積まないと妙に凝り固まったものに なり勝ちだから気をつけないといけない。 大事なのは色々な音を聴くこと。 でも、あまりにもポリシーが無いのも考え過ぎ?。 よっしーにはポリシーが無さ過ぎる?。 おまけに自宅でも様々な音が出る。 お陰で余計に悩みを深くしているような気がする今日この頃。 ちょっと疲れて来たので しばらく耳を休めておこうかとも考えてしまう。
巷を騒がす?、Y31プロジェクトによる KPシリーズ用ターンテーブル。 ついに名前も決定。 Y31KT−1。(!) センタースピンドル確認用治具も完成。 プロジェクト本格始動も秒読み。 切削前の生材を見ただけで 期待が持てる。 これから出来上がるターンテーブルを得ると KPシリーズはどのようなパフォーマンスを 示すのだろう。 完成が待ち望まれる。
オーディオは精神状態に左右される ところも大きいと思う。 それからすると、どうもここ最近 よっしーの精神状態は良くなかったみたいだ。 CDはまあまあなのだがアナログがいけない。 いったい何故なんだろう?と悩んでいたのに 今日針を落としてみるとそんな悩みはどこへやら?。 気分屋とお笑い下さい。 いや、やっぱり体調かな?。 寝不足には注意注意。 勝手なもので、今日の場合は 掛けるディスク掛けるディスクみんな良く聞こえる。 いつもこうだと良いな。
一つ前の日記にもどる。 日記のMENUへ。 表紙へ。
|