能書きはさて置いて、 今回パッシブコントローラーを 使ってみての感想は?。 これがなかなか良いんですね〜。(笑) 実は僕はプリアンプ大好き人間なので、 自分で作っておきながら言うのもなんだが、 「パッシブ〜。イマイチじゃあないの〜?」 なんて思っていた。 でも、この抜けるように壮快で 澱みの無い音を聴いてしまうと 外してしまった時が怖い気もする。
パッシブが是か非か、 プリが是か非か、 一概には決めつけられないという事。 確かに今回プリを外す事によって 失われた部分もある。 プリはシステムトータルの音を決定する 鍵だという説に僕も頷くところである。 けれども、音を作るのは プリだけではないのも事実。 今回の場合で言うと フォノイコライザーが音を作っている。 それ以前にカートリッジも アームも、 もちろん、パワーアンプも、スピーカーシステムも 音を作っている。 それらトータルで 自分の目指す音が出てくれれば それで宜しいと言うこと。 ただし、今回は入ってくる物が アナログオンリーだからまだ良いが、 ここにCDその他が加わって来ると システムトータルとしての 音決めは、なかなか難しいものに なってくると想像される。 実際の話し、僕もこの自作コントローラーを 常用しようという気には 今の所なれないのである。
このパッシブコントローラーを ロジャース側のSA3を外して 代わりに入れる事は 全く考えられない。 ロジャース側のシステムは あのプリが無くなってしまうと 成り立たないのだ。 しかし、ネッシー側の装置は PRA−2000が無くなったからと言って 全て崩壊という訳ではない。 以上は想像ではなく、 過去いくつか試した上での一応の結論である。 プリの重要性というのも システムによっても、その程度が 違うみたいだ。
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(七夕ですね) ところで、パッシブコントローラー PC−5とは一体何なのか?。 無電源のアッテネーターなのは 今更言うまでも無いが 一応補足説明をしておく。 PC−5の製作記事の初出は 「ステレオのすべて’93」。 (つまり’92年末の発刊) パッシブ型のアッテネーター、 あるいはボリュームボックスの 製作記事は’89年頃から 盛んになった筈で、 そこからこの’92年頃が全盛期だった ように思う。 PC−5は長岡氏の設計による パッシブ型アッテネーターとしては 4番目の作例。 最初はPC−1で、これは通常のボリューム (東京光音の2P65CS/10kΩ)を使用。 入力4系統、出力2系統。 続く第2弾のPC−2でボリュームの無駄 (通常は限られた範囲でしか使わない) を排除すると言うことで 4個のスナップスイッチで 抵抗を切り換えて減衰量を 調整する形に挑戦。 入力2系統、出力2系統 REC・OUT1系統。 PC−3はPC−2の改良型で 使い勝手を向上。 スナップスイッチ5個使用。 入力4系統、出力2系統、 REC・OUT1系統。
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間に入る形でプリアンプのテスト用としても 約1年間活躍。 ところがここでテクニクスから SU−C7000が登場。 PC−3を打ち負かした。 原因はパーツの違いと判断。 (C7000は当時、というか現時点でも 最高のボリュームを採用。) 抜かれたら抜き返してやろうという事で PC−5の誕生となった。 PC−5は、正確にはPC−5Proと言う。 良くわからないユーザーが使うと トラブルの元になるという事で Proを明示したらしい。 ピンジャックはWBT、 抵抗はリケンのRMG、 配線用コードはアクロテック 6N−S1020(SP用単線ケーブル) と贅を尽くした物となっている。 入力は2系統で、1系統はコンデンサーインプットで サブソニックフィルター内蔵のような形になっている。 出力は1系統。REC・OUT無し。 スナップスイッチの数は4個と PC−3の5個より減っているが 中点OFFタイプのスイッチを採用したため PC−3より広範囲の音量調整が 可能になっている。 肝心の音質についてだが、 製作記によると “こんなに透明度の高い音は、 今まで聴いたことがない。 澄み切って、透き通って、 奥の奥まで見通せる クールでシャープで、 歪み、ノイズ、付帯音ゼロのサウンド。 (中略) 見えすぎちゃって困る、 というより悲しくなるようなサウンドだ。 (中略) PC−5Proを使う人は ソースを著しく限定されてしまうという 不幸が伴うことを警告しておく。” となっている。 う〜ん、いかにも長岡氏らしい文章だー。(笑)
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ところで、そのPC−5Proだが、 どうもその後活躍したのを 見た事が無い。 もちろん、実際には使われていたのかもしれないが、 雑誌等にお目見えした形跡が見受けられない。 方舟にはネッシーを中核としたメインシステムとは別に 各種機器のテスト用システムが存在し続けていたが、 ’93年頃のそのシステムは CD−10(CDプレーヤー) SU−C7000(プリ) B−2103MOS VINTAGE(メイン) スーパースワン(スピーカー) というラインナップだった。 PC−5ProではなくてC7000を使っているのが ミソだが、一つには各メーカーに対する配慮が あったと、僕は想像する。 プリを否定されては、誰より困るのはメーカーだ。 方舟を作ってからは長岡氏も 高級セパレートアンプを使っていたという声は 良く聞くが、 採用されていた機材をよくよく眺めてみると サンスイ、アキュフェーズ、ラックス、 テクニクス、ソニー等、 どこかに偏ること無く満遍なく使っている。 バブル崩壊で、どこのメーカー(のオーディオ部門)も 弱体化していた事を考えると、 極端に偏った事など出来なかった筈で、 これは無理の無い話しであろう。 まして、デンオンPRA−2000ZR等 ディスコンになった機器ばかりを 氏が使っていたら、 業界には多大な?迷惑が掛かってしまう。 もっともHMA−9500Uだけは 例外であったようだが、、。
パッシブコントローラーの内部紹介。 え?。誰も見たくないってか?。(笑)
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本当は配線はピンっと張るのが普通?。 いやいや、こんなに弛んでいるのには訳がある。 前項でも書いたが、指定のピンジャックは WBT。 しかし、ボンビーなよっしーに そんな物買えるわけが無い。 取り敢えずは普及品を使ったが いつかはWBTに換装出来る日が来るのではないか? と考えた。 で、その時は配線に余裕が無いと困るだろうと思い こんなにしてしまった訳。 だが、あれから7年経つが 一向に交換の予兆すらない、、。(涙)
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ホント難しい。 指定の線材は6N-1020だが、 僕が使ったのは一回り細い1030。 (1020はとっととディスコンになっていた) それでも加工は大変だった。 RMGなんて言う、金メッキリード線の高級抵抗を使っても よっしーのイモ、、、というかタコ半田では その良さも引き出せない?。 ピンジャックこそケチったが、スイッチは 何と金メッキ接点の、スナップスイッチには珍しい物。 “金メッキ接点のスナップスイッチなんて物は手に入らない” と製作記の中で長岡氏がぼやいていたら リケンさんの方で用意してくれたという代物。 当時リケンではPC-5Pro製作の為の パーツ一式を通販していたのだ。 WBTのプラグを抜きにすれば8千円くらいで スイッチや抵抗は手に入った。 (ケーブルやコンデンサーは別途)
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コンデンサーインプットなのだが、 どうもこれは不要なようだ。 (僕には、だ) 単純にインプットを2系統にして 入力切り換えスイッチで切り換えるように 改造しようかな?。 アナログとCDの二つが聴ければ充分だ。 このように自分に都合良く改造出来るのが 自作品の良い所?。
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こちらがWBTでないピンジャック。 でも、僕にはこれで充分かとも思えたりして、、。 さて、パッシブコントローラーだが 聴きなれるほどに良好?。 またプリ(PRA−2000)に戻すとは思うが しばらくは楽しみたい。 何しろ、7年かかって日の目を見たのだから、、、 って、まるでセミだ?。(笑) 季節柄ぴったりなお話し?。 季節柄で思ったが、プリの分電気を使わないで済むので 今の季節にはありがたいかも。 さして広くも無いよっしーの部屋では 機器の発する熱は ダイレクトに住人に還元されてしまう。 今年もオーディオに相応しくない季節が やって来たのである。
ここでニューアイテム登場。 こちらは(も?)借り物です。 オーディオテクニカのAT−30E。 オーナーはlimitedさん。 まるでMMのように針交換が出来るという 珍しいMCカートリッジである。 詳しくはボロンさんのサイトをご覧頂くのが 宜しいかと存じます。
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ここのところの流れで フォノイコはLE−109。 プリは使わずにパッシブコントローラー。 一聴して予想外にパワフルな鳴り方に びっくり。 もっとアダルトな感じという 先入観を持っていた私でした。 実に景気良く鳴る。 ちょっと大人しめの組み合わせに 喝を入れたい時など最適?。 だからと言って、同じテクニカの33系とは 趣きが違う。 あからさまには華やがない。 でも、底力は相当なもの。 ただし、高解像度とか高分解能という路線ではないみたい。 見通せないと言うか、 ややもすると、ちょっと自分の視力が落ちたかのように感じさせるところがある。 徹底的に描き切る、と意気込むところはなくて まとめるのが上手な世話役タイプ?。 どことなく、同じテクニカのAT−15Eaを思い出してしまった。 相通じるところがあるのだろうか。 今しばらく拝聴させて頂きます。
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