来た。 何が?。 そう、SDサウンドのパワーアンプである。 パグさんのお取り計らいがあって 拝借出来たのである。 それも2台。 1台がAW−301。 そしてもう1台はA−202。
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ロジャース側のHMA−9500×2台を撤去。 代わりにSDサウンド2台を設置。 9500×2台はバイアンプで使っていたのだし、 SDサウンドも2台拝借出来たのだから 正にそのまま差し換えも可能。 だが、SDサウンド×2台のバイアンプドライブは 最後のお楽しみに取っておこう。 まずは1台づつの素性を知りたいではないか。
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ロジャースをドライブするアンプは この2年の間に PRA−2000+HMA−9500 から PRA−2000+A−10Type3 に変わり、 更に SA3+A−10Type3 に変更。 最後に SA−3+HMA−9500×2台のバイアンプ となって約半年が経っている。 バイアンプまでやって贅沢言うなと言われそうだが HMA−9500がロジャースをドライブするアンプとして 最適かどうか、については未だに疑問を持っている。 あるいはA−10Type3。 もしくはパイオニアのM−22などの方が好適なのではないか? との思いが断ち切れないのだ。 実際、過去の挑戦の結果では 奔放に、そしてたおやかに鳴る感じは 上記2台の方に分がある。 それを知りつつ9500×2台のバイアンプを やっているのは まあ、一種の実験。 あるいは自分なりの挑戦みたいなものなのだ。 困った事に (別に困らなくて良いが) さすがに9500を使った方が A−10Type3やM−22を使った場合よりも 優れていると感じざるを得ない部分も これまた多いのである。 この高品位の感じを損なわないで あと一息の馬力感を付け加えてくれるアンプが あるものなら試してみたいと、 生意気な事を考えているよっしーなのである。
SDサウンドのアンプ2台。 嫌が上にも期待に胸は高鳴るが ここは冷静に聴かないと 逆にアンプに対して失礼と言うものである。 ハートをヒートシンクに貼り付けて? 拝聴開始。
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それにしても、この真空管のゴツさは何だ?。 なんでも、かのミグ戦闘機に搭載されていたのと 同じらしい。 そしてその奥に、これまたとてつもなく巨大な トランスその他が林立している様は どことなく京浜工業地帯を連想させる。 見るからに“凄いぞ”と感じさせる。 こういったインパクトは 趣味の製品には大事だと思う。 だが、その割には完成品で328,000円と 随分安めの価格設定。 オーディオ機器がそこそこ売れていた時代ならともかく、 今のご時世、これでは損ではないだろうか?。 僕を含めて大抵の人が価格で値打ちを判断する。 50〜60万円とか付けておいてもバチはあたらない 内容だと思うのだけど、、。 (すみません、大きなお世話かも?)
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予想に違わず大変力強い音が得られる。 HMA−9500×2台で鳴らすロジャースは 良くも悪くも精緻な20cm2WAYと言う感じなのだが AW−301だと25cm2WAYくらい?に化ける。 奔放で力感がある。 その力強さは、どこかA−10Type3を思い出させるが もちろん同じではない。 A−10Type3の場合、 辺り構わず力強い。 大魔人は怒り出すと敵も味方も関係無く 踏み潰すが、そんな感じ(どんな感じ?)だ。 AW−301の力強さは、 辺り構わず、一切構わずというのとは一味違って、 ここを強く叩くが良いというミートポイントをキチンと心得た、 左脳の働きを感じさせる力強さと言えばおわかりいただけるだろうか。 ただ、ロジャースのポリプロコーンを制動するとなると、 A−10Type3並のクソ力があった方が良いかもしれない。 これは特にエレキベースなど聞くとそう思う。 それよりも特徴的なのが、高域方面のキャラクター。 キャラクターというと不要な添加物のように 受け止められてしまうかもしれないが、 AW−301の場合は巧みな味付けとなっているのが上手い。 弦楽器の妖しさはいかばかりか。 情緒たっぷり、思い入れたっぷりの 感極まった鳴り方になる。 そして、フルートなどは吹き口周辺の空気の流れが 見えてくるような鳴り方になる。 反面、ボーカルがやたらにハスキーに聞こえたりもするので この辺りが難しいところ。 つぼに嵌れば、抜け出せない麻薬的な魅力となるし 反面ソフト毎の音色を素直に引き出すには、 このキャラは障害とも取れる。
情緒豊かで熱情を感じさせるもの と言うのが今日の感想。 これからすると日頃HMA−9500で聴く音は 極めて分析的、俯瞰的とも言える。 両者は全く別の世界に棲むアンプなのかもしれない。 、、、なぁ〜んて、わかったような事を書き連ねたところで 一つご注意を。 この男、真空管パワーアンプを自宅で鳴らすのは初めて。 例えばAW−301には4組のバイアス調整つまみなどが ついているので、心得のある方なら これなど使って更なる調整や追い込みが出来るのかもしれない。 そのような事一切無しで聴かせて頂いた (出荷時にキチンと調整はなされているが) ファーストインプレッションである事はご承知置き下さい。 もう一つ。 電源コードなども3Pの脱着式なので 私に手持ちでもあれば交換すると音もまた変わるのかもしれない。 でも、あたしには生憎持ち合わせが無いのです。 何事も愛情が大切。 ポンっと使わせて頂いて全てわかるくらいなら苦労は無い。 しばらくはお貸しいただけると言うこのアンプ。 メキメキ良くなってしまったら、 今度は別な悩みがあたしを襲う事は目に見えているのでした。 (複雑な心境)
さあ、立て続けにA−202だ。 (贅沢) こちらは対照的にガンメタというか ガンブラックというか、渋い外観だ。 真空管はTV用と呼ばれる物が これもまたニョキニョキと林立している。
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「、、、。」 あれあれ?という感じで時間が過ぎる。 何故かというと、(誤解を招くかもしれないが) この音、普段HMA−9500で聴いている音と そっくり?。 片やFET、片や真空管と デバイスはもちろん、全てにおいて異なる筈の アンプなのだが得られる音は似通っている。
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HMAも壮快に突き抜けるアンプだが A−202は更に抜けが良い。 特に晴れ晴れとした高音域は印象的。 この感じはどこかで味わったな、と思って思い出した。 JA−S71がこんな感じだった。 (って、今時誰も持っていないアンプを 引き合いに出しても意味がない) ただし、ちょっと壮快過剰?。 ややもすると耳につく。 もちろん、この辺りは使い方一つで何とでもなる。 (という事もこの後発見した) 全体に清楚というかマジメな感じのアンプで 昨日拝聴したAW−301とは随分違う。 たっぷりとした鳴り方で、 向こうからにじり寄ってくる301に対して、 魅力のアピールはしっかりするが あくまでも最後のお誘いは待つ姿勢を貫き通す202 と言った所か。 力もあるが、空気の充満したタイヤを 木製のハンマーで叩く感じであって、 ガツーンという衝撃は感じにくい。 ただし、その分音が良く弾む感じが出ていて 安心して音に身を委ねられる。
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異なった魅力を持っているとなれば どうしたってバイアンプで鳴らしてみたくなるのが人情。 一気にやっては勿体無いと思ったが 我慢が出来なくなってしまった。(笑) 取り敢えずウーファーを301に ツイーターを202に受け持ってもらう事にする。 SA3のボリューム位置から想像して 301の方が、ややゲインが高いかな?と考えた。 故にやや下がたっぷりした鳴り方になるかと思ったが 結果は、、、。 う〜ん、面白いもので、そうはならない。 何と単体で使っていた時より 202の高域のキャラクターが耳についてしまう。 冷静に聴いてみるとエネルギーバランス的には ハイ上がりではないのだが 一聴するとハイ上がりに聞こえるというパターンだ。 特定の帯域だけ受け持たせると 通常全域を担当させていた時には そんなに気にならなかったキャラクターが 一際目立ってくるという経験は 実は9500でのバイアンプで遭遇済みである。 だから驚きはしなかったが (よっしーも大分場数を踏んだ?) ちょっと困ってしまった。
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スピーカーケーブルの入れ換えである。 それまではウーファー側にISODA ツイーター側にクエストをあてがっていたのを反転。 ウーファー側にクエスト ツイーター側にISODAとしてみた。 これが正解!。 何と気になっていたキャラクターは一気に消えた。 適度に壮快で緻密な鳴り方に変身。 (きっと202単体で鳴らす時も 上記使い方にすれば大分印象が違っただろうと 反省した。) 思わず聞き惚れるような鳴り方に涎が出そう。 ここまで来ると後一歩、後一歩望み通りの鳴り方になりはしないかと 更なる欲も出て来る。 さてさて、上手く行くでしょうか?。 そうそう、本題とは外れますが 真空管アンプ3台に一斉に火が入ると いや〜、これは凄い発熱量。(笑) 夏にこれをやったらなら、 狭いよっしーの部屋はたちまちサウナと化すでしょう、、。(汗)
limitedさん宅を襲撃して Y31さん特製ターンテーブルシート (真鍮製の方) にお目に掛かって参りました。 既に掲示板でlimitedさんが 詳細を語られているが 正式ロットのものを拝見するのは よっしーもこれが初めて。 とにかく素晴らしい仕上がりである。 この素晴らしさは僕の下手くそな写真などでは 伝え切れない。 試作品も素晴らしい出来あがりだったが これは一段と凄い。 テーパー付きなのでスタビライザーを載せると LPがピタッとシートに貼りつく感がある。 す・て・き!。 今度limitedさんが貸して下さるそうで 大変楽しみなのであります。
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既に多少使用しているので 変色も感じられる。 もちろん、ちょっと磨けば 到着時の輝きが戻る筈だが 今回はそこまで出来なかった。 到着時の輝きは それこそ眩いばかりだったとの事です。 念の為。
ここでバイアンプの上と下を引っ繰り返してみる。 ツイーターにAW−301、ウーファーにA−202となる。 これでどうか?。 、、、う〜ん、、、と唸りたくなる。 実に豊潤。 CD、アナログ取り混ぜて聴いたが、 「ああ、こんなにも一音一音が複雑なニュアンスに満ちていたか」 とため息が出てしまう。 噛んで含めて言い聞かせるという感じで、 知らず知らずにこちらが頷きながら聞き入っている?。 これが最高?と一瞬思ったが、 残念、下がついて来ない。 明らかにウーファーが遅れて立ち上がって来て、 そのくせ何時までも鳴り止まない。 多くの部分で最高に素晴らしいだけに残念至極。 いやはや難しいものである。 いや、SDサウンドのアンプに 問題があるという意味では無いので誤解の無いように。 ことほど左様に2種類のアンプを同時に使うのは難しいのである。 それにしても、ロジャースは手強い。 改めて痛感した。 特にこのポリプロのウーファーをシャキっと鳴らすのは至難の技。 全くしゃくに触る。 悔しがっても仕方ないので もう一度結線を元に戻す。 AW-301がウーファー担当。 A-202がツイーター担当。 音を出してみると 現状ではこちらの方が無難。 音の印象は大分変わるが とにかくまとまりが良い。 さて、これから?。 既にお見通しの方もいらっしゃるようだが ウーファー側に手持ちのトランジスターアンプを あてはめて、SDサウンドと一致協力してもらう?。 試してみる価値はあるはず。 その上で、最後にはやはりAW-301、A-202単体での 拝聴に戻りたいと贅沢な事を思うのでした。 そうそう、やっぱり発熱が凄いので 扇風機を出してみました。 もちろん、冷やし過ぎも良くないし 偏って冷却されるのも良くないに決まっている。 だから注意して、ほどほどの距離から、そっと風を送る。 さすがに温度の方は大分違ってくるのでした。
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