接続する機器が増えると ケーブルも必要数が多くなる。 機器の配置換えをした結果、 ネッシー側の装置には 10年選手のTEAC製PCOCCケーブルが、 ロジャース側の装置には ISODAケーブルが集まった。 狙ったわけでは無くて、長さその他の制約が原因である。 それは良いが、ピンケーブルも不足気味だし、 ここらで敢えて別の血を入れてみようと思い立った。
超ローコストを目指して Fケーブルを使ってみる。 どれくらいのローコストかと言うと、 まずFケーブルは道端に落ちていたのを 数年前に拾った物である。(笑) 2,0のキャプタイヤ型。 これに一個220円のピンジャックを付ける。 一本440円。 なかなか安い。
ま、一種の実験&お遊びだ。 正直言うとFケーブルは好きでない。 (なら使うな?) しなやかさに欠けて、扱いづらい。 だから、これまでも作っても使ったり使わなかったりと あやふやな付き合いを繰り返して来た。 オマケに何より作りづらい。 2,0となると尚更で 不器用なよっしー向きでない事は確かだ。 過去に幾多の失敗を経験している。 超々ローコストを狙いたかったので ピンジャックも一個50円くらいのを使いたかったのだが それだと工作が難しく、かつ壊れやすい事もわかっているので 今回は高級品(?)を使った。 とはいえ、このピンジャックが最高かと言うと そんな事は断じてない。 一生に1回で良いからWBTでも使ってみたいもんだ。 Fケーブルも、2,0が良いのか、 1,6が良いのか、まだ判定を付けかねている。 ひねくれ者なので、ごつければ良いってもんじゃあないだろう とも思っている。 同じ単線でも、アクロテックの6N−S1030あたりが 用意出来れば、もう少ししなやかな物も作れる。 (太さは1,3) ま、今回は安易に手元にある素材で、という事で製作。 現在CDプレーヤーとSA3の接続に使っている。 ケーブルもしばらく使いこまないと正確な判断は出来ないので 良いとも悪いとも思わずに、お付き合いしてみる事にする。 何かわかれば、また日記で、、、。
ビクターのカートリッジ、MC-L10である。 ビクターのダイレクトカップル・カートリッジは ’77年のMC-1に始まり、このL10を経て ’84年、最終進化形のL1000に至り完結した。 このカートリッジ、 手に入れたのはもう7年近く前になろうか?。 実はSP−10U、EPA100と共に 同じオーナーの方から一括で譲渡頂いたのである。 生意気にも時を同じくしてL1000の方を手に入れていたので このL10は永らく活躍の機会に恵まれなかった。
時々引っ張り出して聴いてはいたが どうしてもL1000の陰に隠れ勝ち。 不遇の人生を送る内に 昨年聴いた時は音がビビり始めていた。 「こりゃあかん。」とそのまましまっていたが、 何故か今回無性に聴きたくなった。 さて針を降ろしてみると、果たせるかな酷い状態。 音は盛大に歪んでいる。 往年の名器、ここにその寿命を迎える?。 いやいや、死んだ物でも蘇らせるのが 「よっしーの部屋」である。 (別名オーディオゾンビの部屋?) このままにしてなるものか。
ワークスさんのお世話になるか、との考えが 一瞬頭を過ったが、 その前にやる事はやってみよう。 基本中の基本。 針先の点検。 愛用の拡大鏡で眺めてみると ダイヤチップはこれが案外まとも。 もっと酷い状態になっているかと思ったが 目視では大丈夫な範疇のようだ。 (もっとも本当の磨耗度合いなど 肉眼ではわからない。 ボロン師匠ご用達のデジタル顕微鏡でも欲しいところだ) しかし、カンチレバーの状態が酷い。 何やら正体不明の堆積物がいっぱい?。 恐らくレコードクリーナー等の影響だと思うが 相手が何かはこの際どうでもよい。 音にどの程度の影響があるかはしらないが このままにはしたくない。 そこで取り出したのがカッターナイフ。 じっと神経を集中して、慎重にカンチレバーに刃先を当てる。 ちなみにこの手法も、ボロンさんのサイトで知ったものだ。
再度針を降ろす。 「、、、。」 まだビリツキは残っている。 が、だいぶ減少しているではないか!。 これはいける、と踏んで更に大胆な行動に。 エアーダスターを使って、マグネットギャップ付近の掃除だ。 その構造上、ビクターのダイレクトカップルシリーズは 磁気回路のギャップは特に小さいし 第一カンチレバーそのものがプリントコイルの保護のためだろうが ほとんどダストカバーの下に潜り込んでしまっている。 埃が本当に入らなければ良いが 長い間には絶対に潜り込む。 入ってしまえば、今度は逆にとっても出て行き難い造りともいえる。 そこで空気で払い飛ばす。 幸い?このL10のダストカバーは経年変化で あちこちまくれ上がっている。 もちろん、最大墳圧など掛けない。 無茶をすればリード線が切れる?。 大胆さと慎重さを要する作業だ。 はっきり言って、よっしー向けではない。
「!。」 凄い。ほとんど完全に歪が消えている。 後はひたすら馴らし運転。 しばらく普通にレコードを掛け続けていると かすかにあったチリチリ感も霧散霧消してしまった。 見事に蘇生?。 と、ここまできて初めて、 今まで自分がやって来た作業の大胆さに気が付いて 腋の下に汗をかいてしまった。 どうせダメなんだから、と思い込んでいたからこそ あれだけの事が出来たのでありました。 復活した今となっては、2度とあんな事は出来ません。(笑)
復活なったMC-L10の音だが、 これがなかなか良い。 (いつもの自画自賛?) 最近はZYXを聴く機会が多かったので この鮮烈さは懐かしい。 ただ、ちょっとピリピリした感じは残る。 これはシェルのせいもあると判断。 SAECのULS-2Xも良いシェルだが この場合ちょっと軽い?。 そこで一気に重量級に交代。 V24Cさん自作の炭化珪素シェルの登場である。
果たして出て来た音は期待通り。 きりきりと切り込んで、しかも歪感無し。 特に弦の音を好んで聴きたくなる感じで、 日がな一日その手のレコードばかり掛けてしまった。 V24Cさんのシェルと、拙宅のMC-L10の 相性は最高のようだ。
以前このシェルにL1000を付けて聴いた時は ちょっと高域の艶やかさが減退する感じがあって それだけが心残りだったのに 今回はそんな感じが全く無いのである。 何故だろう?。 @いわゆる相性の問題。 L1000はPH-L1000というシェル込みで音を決めたのでは? と思いたくなるようなところがあるが、 L10にはそれが無い。 Aエージングの問題。 シェルのエージングが進んだ?。 そんな事があるのだろうか?。 実はこの現象、他の方のサイトでは 過去に報告された事があった。 僕としては信じ難い話しであったが、 今回の件からすると どうやら万物にエージング効果はあるようだ。 理屈はともかく結果が上々なのは嘘ではない。 尚、今回は23gタイプを使わせて頂いた。 これだとカートリッジ込み重量が32g弱になってしまうので 使えるアームも限られて来る。 18gタイプでも使いたかったのだが (それでも総重量27g弱にはなる) 18gタイプはカートリッジ取り付け穴位置が L-1000でちょうど良いような感じで開けられている。 L10を付けると、ボディーが大幅にはみ出してしまうのである。 23gタイプではあつらえたようにピッタリ。 ルックスは大事です。(笑)
来客あり、、。
上の写真はテクニカの AT−33PTG。 それはすぐにわかると思うが、 このPTG、ちょっと只者ではない。 limitedさん所蔵の一本だが ちょっとしたチューンが施されている。 まず、シェルはテクニカのLT−13。 a付きでは無い、削り出しの方だ。 そして、シェルとカートリッジ本体の間には 銅のスペーサー。 締めつけるネジはステンレスのキャップボルト。 スペーサーも2,6mmのFWワッシャーと どこを見ても隙の無い組み合わせ。 手に取るとズッシリと重く、 見るからに強靭そのもの。 針圧は指定の上限いっぱいの2gを掛けるのが お約束。 ここまでやると、音はどうなる?。
強靭そのもの。 部屋の空気が張り詰める?。 いやいや、オーバーでなく、それ位の力がある。 日本男児ここにあり。 だからと言って、荒さは微塵も無い。 一音一音、はっきりクッキリ。 微少な音まで明瞭に浮かび上がらせる。 定位は揺るぎ無く、どころか 音の存在感が凄すぎる。 マイクの設定が良くわかるというか、 エンジニアが頭に描いた画が良くわかるというか、、。 録音サイドの仕掛けもばればれの感がある。 また、強音にも強く、 なまじなカートリッジだと追従できない音溝も あっさりクリアーしてしまう。 一家に一本。この種の音を出すカートリッジがあっても良い、 と思ってしまった。 敢えて無理矢理難を探せば、 髪の毛程度の細さを描く繊細さは もう一歩。 しかし、それとて決して悪い事では無く、 だからこそ大変安心して音にのめり込めるのだともいえる。 第一、そこまで完璧にクリアーしてしまったら、 それこそお化けカートリッジであろう。
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