12月20日

山形と言えば“さくらんぼ”。

だがしかし、最近は新たなる特産品も増えたようで、、、。

さくらんぼドッサリ、、の代わりに?
カートリッジどっさり、をお届け頂いた。(笑)


ブツの発祥の地は、もちろんボロンさん

そして取次先はもちろん?limitedさん

毎度お世話になります、としか言い様がない。
(いつもすんまそん)

で、数え切れない位のカートリッジ
お貸し出しいただいた。

全容を語っているのも何だから
いきなり一つ二つ引っ張り出させて頂く。

トップバッター、デンオンDL−103

103シリーズは今更言うのも馬鹿らしいくらい
有名な、日本を代表するようなカートリッジの一つである。

その歴史を詳しくひもとこうとすると
物凄い事になってしまうので止めておく。

何しろ103系はバリエーションが多すぎるのだ。

今回ご登場の“”はわかりやすく言うと
CD−4ステレオ対応の103”
とご理解頂きたい。

そんな理屈はさておいて
この白というかオフホワイトというかの
色が、滅茶苦茶お洒落に思えて見入ってしまった
よっしーだった。
赤のラインとの対比が素晴らしい。


いつまでも見つめていて
穴が開いたり針が折れたりするといけないので
(そんな馬鹿な?。笑)
さっそく拝聴する。

出て来た音は、そのルックスにあい相応しい
気品の有るものだった。

これぞ“日本の美音”。

いたずらに高解像度を誇るのではなく、
見て見ぬふり”をするという美徳
ちゃんと知っている。

秘めたる力は凄いものがあるのだろうが、
常に20%の余力を残しているという感じがあって
聴く者を疲れさせない。

耳に入れない方が良い情報はお知らせしない
優秀な秘書というところか?。

とにかく音楽を楽しく聴かせてくれる。
ハッとさせるがさせ過ぎない。
うっとりさせるが眠らせない。

これは凄い事である。

よっしーは103SLを所有しているが
SLあたりになると、新しい世代のカートリッジ達と
張り合おうという意気込み
良くも悪くも感じてしまう。

例えは変だが、リフォームの行き過ぎた
古来よりある民家みたいなところがあるのがSLだとすると、
ほどよく使われた状態の一般住宅みたいな存在だろうか?。

“私の居場所はここなんです”、と
あっさり言ってのける佇まいの良さみたいなものを
には感じ取る事が出来る。


このまま良い気分でを聞き続けたいのも
やまやまだったが、話題の主が次ぎに控えているので
を取り外す。

説明が後手に回ったが、プレーヤーは
GT−2000使用。
アームは標準のJ字で
Y31ST1−GMとY31PB−1を使用。

HXが出家中だったのでプレーヤー出力は
PRA−2000にダイレクトで繋がれている。

そして噂の?DL−103ボロン登場。

103ボロン。そんなものは当然103のラインナップには
存在しない。

これは(恐らく)世界に一本しかない
スペシャルモデル。

知っている人は知っている
ワークスさんというショップが針の折れた
カートリッジの蘇生を引き受けて下さっていた。

この103はその手術の際に
ボロンカンチレバーを手に入れた
類い希なるモデルなのだ。

しかもカンチレバーの長さが
標準よりちょっとだけ長いと聞く。

(あってるかしら?。
違ったら後で訂正します)

これを壊したら、弁償のしようがないとビビリつつ
針を降ろすと、、。

“ガァ〜ン!!!”

なんじゃい、こりゃ??

一発で目と口が開きっぱなしになってしまった。


12月21日

何ともはや、、、。

ネッシーは名うての長岡スピーカーではある。
だがしかし、あくまでも20pフルレンジ主体の
スピーカーである。

そこから35p(38pと書かないところが奥ゆかしい?)
3Wayの音が出て来たら、やっぱり驚く。

しかし、103ボロンが描き出す音は
正しくそんな感じなのだ。

音圧に合わせて、ネッシーのキャビネット
膨らんだり縮んだりしているのではないかと、
思わず目を凝らしてしまった。

実に雄大。そしてハイスピードな音だ。

ハイスピードと聞いて所謂ハイ上がりの音を想像してはいけない。

下手をすると超低音の方がツイーターの音域より
先に立ち上がっている?。
本物のハイスピードサウンドだ。

とにかく全てに遠慮がない。
103が視力1.2の世界なら、
103ボロンはいきなり視力2.5の世界である。

引っ掻くにも色々あるが
103ボロンはガッチリと爪を立てて食い込ませて
引っ掻いていく。
 これと比較すると、103Sは
引っ掻いているつもりで実は撫でていた
という事になる。

それくらい両者は異なっている。

こうなると103とはとても言えない

カンチレバーの素材長さ
針先形状の僅かな違いだけで
ここまで違ってしまうのか?。
(当たり前と言われればそれまでだが、、)

とにかくワイルドでシャープ
欲しいと思っても、もう手に入らないのが
悔やまれる。

みんなでワークスさんに嘆願書でも出すか?。(汗)
(ウチのMC−L10も手掛けて欲しいけど、無理かな?)

唯一気になるのが、やや音の粒子大きいかな?と
感じるところ。

粒子が粗いのではないから誤解のないように。

念のため常用カートリッジ達と比較したが
やっぱり粒建ちが大きいみたいだ。

しかし、これはあくまで好みの範疇で
こういう音の方が好きだ、と言う人も多いはず。

シンバルをスティックの先ではなくて
根っこ寄りの部分でサイドからガシガシ叩く。

そんな表現が好きな場合は
103ボロン一本あれば他は要らない、
となる可能性大だ。

もちろん、本当の事はもう少し拝聴しないと
わからない。


12月23日

DL−103ボロンだが益々快調

というか尻上がりに良くなって来る。

慣れ、かもしれないし馴染み、かもしれない。

とにかく空気を突き動かすパワーは
半端ではない。

だからといって荒っぽくはならない。

この辺りはやはり育ちだろうか。


12月24日

続いてハイフォニックMC−A3登場。

これは’80年代前半のカートリッジだ。
103よりはぐっと世代が若くなる。

ハイフォニックはデンオン系の製品(OEM?)と言うことで
ところどころ共通点が見受けられるのが
今となっては楽しい。

このシリーズはA3(アルミ)、R5(ルビー)、
A6(アルミ)、R15(ダイヤ)とあり外観は共通。
上記()内がカンチレバーの素材であり、各々違う。

A3とA6が、R5とR15が、それぞれ姉妹関係にあるのは
想像頂けよう。

オリジナルのA3はカンチレバーがストレートの丸棒
A6がテーパー付き

針先チップは上記四機種共通で
0,06o角柱ソリッドダイヤ超楕円針

この0,06oというのはデンオンDL−1000、
及び同1000Aと同一サイズであり
ローマス化の為の細いチップの中でも
最小に近いサイズのもの。

以上、、、なのだが今回ボロンさんからお借りした
A3は、前出の103ボロン同様、
ワークスさんの手によりボロンカンチレバーに交換されている。

故に音の方はオリジナルとは当然別物のはず。
だが、しかしよっしーはA3のオリジナルは体験した事が無い。

だから比較は出来ないが、そんなことはこの際大した問題でない。

尚DL−103ボロン、及びA3ボロンに関する
ボロンさんのご感想はこちらにあります。

さては?というと
う〜ん、これは“好み”だ。(笑)

実にキュート

どこもかしこも、キュンっと引き締まって
たるんだ所が無い。

余分な動きをしないというか
音の振動が1回1回キチンと止まるのがわかるみたいな鳴り方だ。

それでいて低域の量感は充分。

この例えが良いかどうかわからないが
トランジスターグラマーという感じ。

ハイエンドには明らかに独特のキャラクターがあるのだが
これが絶妙で色香を添えている。


聴いていて、自然と頬が緩むのがわかる。

これはたまりません

こだわりの天然素材のみ使用、ではなくて
どこか人工的な響や着色を感じさせるが
嫌味がない。

引き締まった実像。
そして漂う間接音が聴く者を酔わせてしまう
そんなカートリッジである。

それにしても、DL−103Sを聴けば
これ一本あればもう良いのではないかと思い、
103ボロンを聴けば違う世界に椅子から落ちそうになり、
ハイフォニックを聴けば、これも手放せないだろうと思う。

人間と言うのは真に気が多い生き物である。

え?、そんなのはお前だけ?。

い、いや、断じてそんなことは無い。

僕だけではないと、これだけは断言する。


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