山形と言えば“さくらんぼ”。 だがしかし、最近は新たなる特産品も増えたようで、、、。 さくらんぼドッサリ、、の代わりに? カートリッジどっさり、をお届け頂いた。(笑)
そして取次先はもちろん?limitedさん。 毎度お世話になります、としか言い様がない。 (いつもすんまそん) で、数え切れない位のカートリッジを お貸し出しいただいた。 全容を語っているのも何だから いきなり一つ二つ引っ張り出させて頂く。 トップバッター、デンオンDL−103S。
![]()
有名な、日本を代表するようなカートリッジの一つである。 その歴史を詳しくひもとこうとすると 物凄い事になってしまうので止めておく。 何しろ103系はバリエーションが多すぎるのだ。 今回ご登場の“S”はわかりやすく言うと “CD−4ステレオ対応の103” とご理解頂きたい。 そんな理屈はさておいて この白というかオフホワイトというかの 色が、滅茶苦茶お洒落に思えて見入ってしまった よっしーだった。 赤のラインとの対比が素晴らしい。
穴が開いたり針が折れたりするといけないので (そんな馬鹿な?。笑) さっそく拝聴する。 出て来た音は、そのルックスにあい相応しい 気品の有るものだった。 これぞ“日本の美音”。 いたずらに高解像度を誇るのではなく、 “見て見ぬふり”をするという美徳を ちゃんと知っている。 秘めたる力は凄いものがあるのだろうが、 常に20%の余力を残しているという感じがあって 聴く者を疲れさせない。 耳に入れない方が良い情報はお知らせしない 優秀な秘書というところか?。 とにかく音楽を楽しく聴かせてくれる。 ハッとさせるがさせ過ぎない。 うっとりさせるが眠らせない。 これは凄い事である。 よっしーは103SLを所有しているが SLあたりになると、新しい世代のカートリッジ達と 張り合おうという意気込みを 良くも悪くも感じてしまう。 例えは変だが、リフォームの行き過ぎた 古来よりある民家みたいなところがあるのがSLだとすると、 Sはほどよく使われた状態の一般住宅みたいな存在だろうか?。 “私の居場所はここなんです”、と あっさり言ってのける佇まいの良さみたいなものを Sには感じ取る事が出来る。
やまやまだったが、話題の主が次ぎに控えているので Sを取り外す。 説明が後手に回ったが、プレーヤーは GT−2000使用。 アームは標準のJ字で Y31ST1−GMとY31PB−1を使用。 HXが出家中だったのでプレーヤー出力は PRA−2000にダイレクトで繋がれている。 そして噂の?DL−103ボロン登場。 103ボロン。そんなものは当然103のラインナップには 存在しない。 これは(恐らく)世界に一本しかない スペシャルモデル。 知っている人は知っている ワークスさんというショップが針の折れた カートリッジの蘇生を引き受けて下さっていた。 この103はその手術の際に ボロンカンチレバーを手に入れた 類い希なるモデルなのだ。 しかもカンチレバーの長さが 標準よりちょっとだけ長いと聞く。 (あってるかしら?。 違ったら後で訂正します)
![]()
針を降ろすと、、。 “ガァ〜ン!!!” なんじゃい、こりゃ??。 一発で目と口が開きっぱなしになってしまった。
何ともはや、、、。 ネッシーは名うての長岡スピーカーではある。 だがしかし、あくまでも20pフルレンジ主体の スピーカーである。 そこから35p(38pと書かないところが奥ゆかしい?) 3Wayの音が出て来たら、やっぱり驚く。 しかし、103ボロンが描き出す音は 正しくそんな感じなのだ。 音圧に合わせて、ネッシーのキャビネットが 膨らんだり縮んだりしているのではないかと、 思わず目を凝らしてしまった。 実に雄大。そしてハイスピードな音だ。 ハイスピードと聞いて所謂ハイ上がりの音を想像してはいけない。 下手をすると超低音の方がツイーターの音域より 先に立ち上がっている?。 本物のハイスピードサウンドだ。 とにかく全てに遠慮がない。 103Sが視力1.2の世界なら、 103ボロンはいきなり視力2.5の世界である。 引っ掻くにも色々あるが 103ボロンはガッチリと爪を立てて食い込ませて 引っ掻いていく。 これと比較すると、103Sは 引っ掻いているつもりで実は撫でていた という事になる。 それくらい両者は異なっている。
![]()
カンチレバーの素材と長さ、 針先形状の僅かな違いだけで ここまで違ってしまうのか?。 (当たり前と言われればそれまでだが、、) とにかくワイルドでシャープ。 欲しいと思っても、もう手に入らないのが 悔やまれる。 みんなでワークスさんに嘆願書でも出すか?。(汗) (ウチのMC−L10も手掛けて欲しいけど、無理かな?) 唯一気になるのが、やや音の粒子が大きいかな?と 感じるところ。 粒子が粗いのではないから誤解のないように。 念のため常用カートリッジ達と比較したが やっぱり粒建ちが大きいみたいだ。 しかし、これはあくまで好みの範疇で こういう音の方が好きだ、と言う人も多いはず。 シンバルをスティックの先ではなくて 根っこ寄りの部分でサイドからガシガシ叩く。 そんな表現が好きな場合は 103ボロン一本あれば他は要らない、 となる可能性大だ。 もちろん、本当の事はもう少し拝聴しないと わからない。
DL−103ボロンだが益々快調。 というか尻上がりに良くなって来る。 慣れ、かもしれないし馴染み、かもしれない。 とにかく空気を突き動かすパワーは 半端ではない。 だからといって荒っぽくはならない。 この辺りはやはり育ちだろうか。
![]()
続いてハイフォニックのMC−A3登場。 これは’80年代前半のカートリッジだ。 103よりはぐっと世代が若くなる。 ハイフォニックはデンオン系の製品(OEM?)と言うことで ところどころ共通点が見受けられるのが 今となっては楽しい。 このシリーズはA3(アルミ)、R5(ルビー)、 A6(アルミ)、R15(ダイヤ)とあり外観は共通。 上記()内がカンチレバーの素材であり、各々違う。 A3とA6が、R5とR15が、それぞれ姉妹関係にあるのは 想像頂けよう。 オリジナルのA3はカンチレバーがストレートの丸棒。 A6がテーパー付き。 針先チップは上記四機種共通で 0,06o角柱ソリッドダイヤ超楕円針。 この0,06oというのはデンオンDL−1000、 及び同1000Aと同一サイズであり ローマス化の為の細いチップの中でも 最小に近いサイズのもの。 以上、、、なのだが今回ボロンさんからお借りした A3は、前出の103ボロン同様、 ワークスさんの手によりボロンカンチレバーに交換されている。 故に音の方はオリジナルとは当然別物のはず。 だが、しかしよっしーはA3のオリジナルは体験した事が無い。 だから比較は出来ないが、そんなことはこの際大した問題でない。 尚DL−103ボロン、及びA3ボロンに関する ボロンさんのご感想はこちらにあります。
![]()
う〜ん、これは“好み”だ。(笑) 実にキュート。 どこもかしこも、キュンっと引き締まって たるんだ所が無い。 余分な動きをしないというか 音の振動が1回1回キチンと止まるのがわかるみたいな鳴り方だ。 それでいて低域の量感は充分。 この例えが良いかどうかわからないが トランジスターグラマーという感じ。 ハイエンドには明らかに独特のキャラクターがあるのだが これが絶妙で色香を添えている。
これはたまりません。 こだわりの天然素材のみ使用、ではなくて どこか人工的な響や着色を感じさせるが 嫌味がない。 引き締まった実像。 そして漂う間接音が聴く者を酔わせてしまう。 そんなカートリッジである。 それにしても、DL−103Sを聴けば これ一本あればもう良いのではないかと思い、 103ボロンを聴けば違う世界に椅子から落ちそうになり、 ハイフォニックを聴けば、これも手放せないだろうと思う。 人間と言うのは真に気が多い生き物である。 え?、そんなのはお前だけ?。 い、いや、断じてそんなことは無い。 僕だけではないと、これだけは断言する。
一つ前の日記に戻る。 日記のMENUへ。 表紙へ。
|