11月4日

何でもそうだが、たまには思い切り使って上げなくてはいけない。

オーディオもその一つ。

帰ってきたHMA−9500を徹底的に通電。
そして鳴らしてみた。

結果やいかに?。

ひとまず今回のチューニングは
成功と言える。

鳴らし始めは多少鈍重な感じもあったが
時間を追うごとに繊細に、俊敏になって来た。

耳に付く悪いところも無い。
一安心だ。

本当に安心して良いかどうかの判断には
まだ時間が掛かるが、それは追ってのご報告と
させて頂く。

手元にノーマルの9500初代があるのだから
その内比較試聴などもしてみたい。

それにしても、随分寒くなって
オーディオにも辛い季節だ。

どうしたって部屋が冷え切っていると
良い音は聞けない。

とりわけアナログには厳しい。
ついついCDに頼ってしまう。
(写真のCDはジョルジュ アルヴァニタスの
ランコントル」。これは良い)

常時20℃をキープ、、、なんてやってみたいが
叶わぬ夢である。

まあ何事もムキになり過ぎずほどほどに、、。

出来ない自分がここにいる、、、。(汗)


11月6日

おやおや、今度はシャープのポットが届いた?。

いや、そんなわけがない。

一ヶ月振りに“誘惑光線”を浴びてしまった。

Koyamaさんの“モトコー通信番外編”だ。

が来たかと言われたら、、。

そうです、テクニクスの
AudioFrequencyAnalyzer
SH−8000です。

いわゆる測定器の走りで
20〜20000Hzを1/3オクターブステップ
31ポイントで測定可能になっている。

当時テクニクスでは33素子のグライコ
SH−8065をリリースしており、
SH−8000はこれらと併せて使用される事も
想定されていた。

特徴の多い機械だが
測定信号にワーブルトーンを使用しているのがミソ。

ワーブルトーンとは、周波数変調された
測定用信号で、例えば1kHzのワーブルトーンは
950〜1050Hzの範囲で絶えず変化し、定在波が生じないため
室内の音響特性を測定するのに適しているものだ。
(以上取説より)

加えて、付属のマイクが優秀なのも広く知られているところ。
無指向性であり、固定電極を帯電させ
振動片を薄くしたバックエレクトレットタイプのため
高域特性も改善されており20〜20kHzの広帯域に対応。
プロ用にも匹敵する性能となっている。

このマイクだけでも、SH−8000は“買い”だと思う。

更に詳しく知りたい、と言う人はODAさんのページ
参照されると良い。

余談だけど、このSH−8000、
ほとんど使われた形跡がない

恐らく一度二度使って、
そのままになっていたのだろう。
ミントコンディションと言って良い。

ご丁寧に新品時に同梱されていたと思われる
電池までキチンと添えられていた。(笑)

もちろん、電池は空っぽではありましたが。

測定の実践については!。


11月9日

さて、測定結果なんか公表すると
ろくな事にならない?。(笑)

少なくとも信用失墜間違いなし??。

それは面白い、と考えて
堂々と公表する事にした。
(ひねくれ者!)

上がネッシーのF特である。
リスニングポイントでLR同時に計測。

マイクの高さは耳の高さ。
向きは正面を向いている。

多少の暴れはご愛敬だが、
気になるのは60〜100Hz付近の落ち込みである。

−15dBというと、SH−8000ではほとんど
スケールアウトに近い。

よっしーのヤツは日頃低音不足のカンカンした音
聴いて喜んでいる?。

いやいや、さすがにそんな事はない
嘘だと思ったら聴きに来て頂いて構わない。

特にHMA−9500のOHが終わった今日この頃、
叩き出される低音は実に良い感じで、
不足どころかプリメインの間に入っている
パライコが不要なのではないかという勢いなのである。

測定値と聴感のギャップ
目が丸くなってしまった。

ちなみにこちらはLチャンネルのみ、
SP軸上正面2メーターでの計測。

マイクの高さはツイーターの高さ。

さすがに暴れは少なくなる物の、
気になる帯域の落ち込みは相変わらず

一体これは何なのか?。

検証は又。


11月18日

全く
ウイルスには参る。
以下の日記は実は
11日には書いてあった。
後はアップロード、というところで
進退窮まってしまったのだ。

取り敢えず
一週間遅れてのアップロードとなる。




測定値なんかどうでも良い、と言いつつも
疑問は残る。

そこでプリとメインの間に常時接続されている
パライコのパラメーターを弄ってみる。

不足した帯域を持ち上げるのは
朝飯前?。

で、測定器が満足する状態に持って行ったら
音はどうなったかというと、、、。

これこそ酷い音(笑)である。
慌てて元に戻した。

だから測定に意味がないなどというお話しではない。

ただ、測定は難しいと言っても良いのではないか。

何しろちょっとしたマイクセッティングの加減で
結果は違って来てしまうのである。

ど素人が“ポン”っとマイクを置いて
ハイ出来上がり、と言う方がおかしいのだ。


ここでリスニングルームの考え方に関する
名文をご紹介しよう。

“(前略)部屋なんか遮音さえとれれば何でもいいんじゃないか?。
最近もこの問題についてふれたところ、
リスニングルームの専門家と称する人物から
「世の中に害毒を流すものだ」ときめつけられた。

オーディオは正しく設計建築されたリスニングルームで
正しく聞かなければならないという。
それじゃ、ぼくを含めて世のオーディオマニアの
99,99%はオーディオをやる資格がないのか?。

そこであらためて声を大にして叫びたい。
土地と金とヒマのある人は
理想的なリスニングルームを作ればいい。

しかし、圧倒的大多数の人々にとっては
リビングルームがイコールリスニングルームであり、
装置同様に部屋も使いこなしがカンジンということ。

特性を測るだけでは決していいスピーカーが出来ないように、
リスニングルームも特性だけ測ったってダメだ。

測るとすれば部屋が使われている状態での
千変万化する音場、ダイナミックとでもいうべきものを
つかまなければダメだ。
結局最後にものをいうのはである。

現在僕が使っている部屋は団地6畳であり、
コンクリート壁面が対向している部屋だから
裸のままでは使いものにならないが、
住みこなし、使いこなして、かなりクセのない
リスニングルームになっている。

しかし、測定してみると大変なものだ。
ぼくの測定法は専門家のやるのとはちがう。

部屋は通常使用状態のまま取り散らかしておき、
左右の常用スピーカーから正弦波を出して
これをステレオワイヤレスマイクで受けて
オシロスコープにリサージュ波形を描かせる。

これでマイクを持って部屋中を歩き回り、
あるいは自分は動かずにマイクだけを移動させる。
また、マイクは動かさずに自分だけが歩き回るというふうに
いろいろやってみる。

更にホワイトノイズによる同じようなテストをやる。
そうすると、わずかな事で左右のバランス、位相特性、
残響時間などがいかに千変万化するかよくわかる。

これほどダイナミックに変化するものをスタチックに測定して
果たして意味はあるのか、
非常に疑問を持たざるを得ない。

スタチックな特性とダイナミックな特性が一致するのが
理想のリスニングルームだ、というのなら何をかいわんやだが、
ぼくの想像ではおそらくそんな部屋はこの世の中に
ありえないと思う。

ぼくの次のリスニングルームはコンクリートの洋間八畳である。
床も壁もコンクリートで、ドア、窓、ふすま、アコーディオンカーテンが
取り付けられている。

ドア側と窓側が対向し、
ふすまとアコーディオンカーテンが対向しているという状態だから
専門家に言わせたら完璧に落第であり、
こんな部屋にオーディオ装置を持ち込むなんて事は
冒涜だと言いかねない。

実を言えばぼくも最初はそう考え、
五角形で、天井に傾斜をつけた理想のリスニングルームを
考えたのだが、あえて最悪(といわれる)条件を選んだのである。

しかし、ぼくはこの部屋を十分使いこなしてみせるつもりである。

そこで、読者へのアドバイス。
リスニングルームの条件はただひとつ、遮音である。
これだけはオーディオ人のモラルとして
ゼヒ守ってほしいことだ。
あとは全てキミたちの腕にかかっている。”


以上、著者はもうおわかりだと思うが
長岡鉄男氏である。

スイングジャーナル臨時増刊
モダンジャズ読本’73
「わたしの考えるリスニングルーム」
より抜粋。

この本’72年の発売だからちょうど30年前の文章
と言うことになる。

ここで語られている、“次のリスニングルーム”
というのが後に方舟に対して“母屋”と呼ばれる事の多かった
パルコンによる一戸建ての一室であることは
申すまでもない。

五角形のリスニングルーム“方舟”が実現したのは
この文章の14年後だ。

測定の事とは必ずしも直接結びつかないが
リスニングルームに対する、母屋時代以前(直前)の
氏の考え方をご紹介する機会を以前より狙っていた事もあり
ここで取り上げさせて頂いた。
話が逸れてしまってごめんなさい。)

なお、同特集では他に上杉佳郎氏、菅野沖彦氏、
岩崎千明氏が文を寄せられているが
いずれも正鵠を得た論説ばかりで
(当たり前?)
感服してしまう。

さて、次はロジャースの測定です。

こちらはいかに?。

、、、とここまで用意したところで
PCトラブルに巻き込まれてしまったわけ。

続きは違う話題にしよう。


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