5月19日

ところで「不思議の国の―」には
方舟創世期の記事が多くて、
これも貴重な情報だ。

振り返って、13年弱の間に
方舟も随分変化したのだと
あらためて思ってしまった。


それにしても可笑しいのが、
P59の記事の冒頭だ。

"夢のリスニングルームは「方舟」として実現してしまったので、
バージョンを考えるのが難しい。
方舟は金持ちの道楽に過ぎない」
オーディオマニアとは無縁の世界だ」という意見がある。
まずその辺から解明していこう。

僕は金持ちではない
オーディオは儲かる仕事ではない
生涯収入はサラリーマンなみと見てよい。

収入は同じでも、
生活と財テクは大きな違いがある。

僕はドケチである。
無駄使いをしない。
だからスピーカーも高能率タイプしか使わないのだ。

サラリーマンというのは
平気で無駄使いをする人種だ。
生活費は我が家の倍以上かかっている。
財テクも下手だ。
何も考えていない。
ここでも倍ぐらいの違いは出てくると思う。

あとは時間だ。
僕の場合、夢が実現するまでに
40年かかった。
今は寿命が延びているのだから、
そのくらいのタイムスパンで夢を考えてもいいのではないか。

ところが今の人は20代30代で「方舟」を
実現したがるのだ。
ふざけるんじゃねえよ、と言いたくなる。”

以上引用したが、
いやはや耳の痛くなるような、
(僕もサラリーマンだ)
そして痛快なお言葉だ。
思わずニコニコしてしまう。

この後、最低30坪の土地が必要だ、
と続くのだが、
その土地の入手方法については
"本誌にはふさわしくないので省略する”と
省かれてしまっているのが残念


以上の暴言?
言うだけで何一つ建ってなかったら
僕だって耳を貸さないが、
あいにく48畳という
全くもって馬鹿げた部屋が
実際に建ってしまっているのだから
文句のつけようが無い

さてさて、僕も長岡氏の収入が、そんなに高かったとは
思えない。

いっぱい仕事はしていたけれど、
それでどれだけ収入が伸びるものか?。

いつも原稿用紙を持ち歩いて
寸暇を惜しんで執筆していたらしいが、
それは本人が、なんだかんだ言っても
"書くことが好き”だっただけで、
言わば"ライター精神の塊”だったからに過ぎない
と想像する。

では、ドケチで方舟が建つかと言うと、
それも有り得ない

倹約や郵便貯金で大金持ちになった人間はいない、
と断言出来る。

では、どうして?、
と言えば、前出の文にあるように、
財テクの違いとしか言いようがない。


長岡氏の財テクとは
主に株式投資であった事は明白で、
実際別冊FMfanにも、
「長い間続けて来た株式投資が実を結び、、、」
と書かれている。

それによると、35歳くらいから
氏の株式投資は始まったようだ。

方舟建設が61歳の頃だから、
約25年掛かりと言う事になる。

長岡氏の株式投資が
どのような方針に基づいて行われていたかは、
続々長岡鉄男のレコード漫談」収録の
"株式評論家宣言”から窺い知る事が出来る。

またしても引用をさせていただくが
お許し頂きたい。

"最後に単純明快な株式投資のコツ、
秘中の秘を初公開しよう。
それは、株で儲けようと思うな
株はコレクションと考えよ

と言う事である。
(中略)
これから株をやろうという人は、
決して儲けようと思わないこと。
コレクターに徹すれば、株は自然に儲かるものである。”


じつはこれ、
4年ほど前にちょっとしたベストセラーになった
遠藤四郎氏の「株でゼロから30億円稼いだ私の投資法
(エール出版社刊)
に書かれている事とほぼ同じなのである。

遠藤氏の投資法も、
「株は売らないでとにかく株数を増やし続ける
というもので、株をコレクションとして考えるやり方だった。
投資歴も、長岡氏とほぼ同じ。
(なお、遠藤氏もごく普通の銀行員だった。)


この、"株コレクション方”は確かに一つの王道ではある。

気の長い話しだが、20年30年掛かっても良い、
と思えば、誰でもやる事は出来る

ただ、だからと言って
これからの時代においても最適な方法かと言うと
ちょっと疑問は残る。

と言うのも、長岡氏、遠藤氏が以上のような方法で
株式投資をしていた時代は、
今や死語となりつつある、"右肩上がり”の時代だ。

売らずに持っていれば、
増資だ、分割だ、でほぼ確実に時価が上がっていくのを
実感出来た時代だったのだ。

今はどうだろうか?。

もちろん、株式相場の本質は不変なので、
お二方のようなやり方でも間違いではないのだが、
いかにせん時間もたっぷり掛かる。

となると、やっぱり僕らには
「方舟」は実現不可能?。

だが、しかし、現在では優秀な株価分析ソフトを使うという手がある。
これは、やはり昔には無かった物なのだ。

僕等はそれらを活かして行こう。

今年の相場の底値は1月前半で、
今現在相場は売り信号を出している。
日経平均に騙されてはいけない

恐ろしい事に、一部の株価分析ソフトを正しく理解すれば、
今年の1〜2月に底値が来る事は、
何と約半年も前からわかっているのである。

良い時代が来たものだ。

夢は必ず実現するものである
ただし時間がかかる。」
(「長岡鉄男のスーパーAV ホームシアターを作る」より)

だから、長生きしなくちゃね。



5月16日

ところで、「開拓者」「アンソロジー」と取り上げて、
不思議の国の長岡鉄男」を取り上げないわけには行かない?。
(そんな事はないが、、、)

「不思議の国のー」も面白かった。
長岡氏の業績のエッセンスが詰まっている。
(もちろん、他の2冊も同様だが)

自作スピーカーの記事
「不思議の国の―」が一番充実していたようだ。

500機種以上のスピーカーを設計された長岡氏だが、
個人的には
バックロードホーン共鳴管
マトリックススピーカーの三種類に
特に強く興味を惹かれる。

なぜかと言えば、それらは市販スピーカーでは
手に入りにくい
タイプだからだ。


特に、マトリックススピーカー
長岡氏のMX-1世界初のはずだ。
(世界は広いから迂闊な事は言えないが、、、)

で、そー言えばテレビ用に作ったマトリックススピーカー
パートナーを失ったきり、
(29インチテレビが壊れた)
部屋の片隅で埃を被っているのを思い出した次第。

そこで久し振りに、繋いでみた。
(オーディオ装置に繋ぐのは初めてだったりする。)


なにせブツがマットブラック
塗られているので撮影が難しい。

ユニットはFE-87×4
バスレフで、ダクトの計算
なんかしていない。(笑)

正に、テキトーの極み。

でも、案外上手くいったと思っている。


取り敢えず、ネッシー側の装置に接続。

あれこれCDを掛けてみる。

「、、、。」

いやはや何とも面白い

ソース次第ではあるが、本当にこれ一本で
サラウンドまでする。

良くも悪くも、録音の仕掛けみたいなものは
一発で露見してしまう。

エンジニア―には一番嫌われるタイプのスピーカーかもしれない?。

傑作は、偶然にも前日中古で拾った
SUB ROSA のディスク
「THE MYTHS COLLECTION PART TWO」。
(SUB CD009−32)

2チャンですら恐ろしいまでの奥行きを演出する
特殊な録音なのだが、これなんか笑えるくらい広大な音場を
展開する。

HGさんから、こっそりお借りしている
(って、ここで書いちゃったら全然こっそりにならない?。)
CHESKYのCDも良い感じ。
2チャンでも良いのだが、
マトリックススピーカーだと、正に音に包まれる感じになる。

逆に、PONY CANYON
「JUNGLE CRUISE」(PCCB-00097)
みたいにVAPS(ヴァーチャル・オーディオ・プロセッシング・システム)を使った物は、
2チャンで充分効果があるせいか、
それほどの感動は無かった

最後に愛聴盤の「PRINCESS T」/寺井 尚子を掛けると、
なるほど、このCDが、良い意味でかなり積極的に音をいじっているのが
理解出来る。
エコーなど、人工的な面もあるが、
広がり、という面では凄い


と、かなり良いのだが、
やはりユニットがFE-87と言うのは
クオリティに限界がある。

83ならまた違うだろうが、
このスピーカーは気楽なAV用なので、防磁型
製作したのだ。仕方ない。

それに、このスピーカーは
上に29インチクラスのテレビ(重量約50kg)が乗っかると
音が滅茶苦茶引き締まるのに、
今回はそれを載せていないのも
大きなハンディになっているのも否めない。


だが、久し振りにマトリックススピーカーの
音場を体験したら、
もう少し良いユニットで作り直したくなったのも事実。

やっぱりMX-10あたりを作れると良い。
(10cm×4発、ダブルバスレフ採用)

問題は、どこに置くのか、だが、、、。


とにかく、聴き慣れた
CD
すらが新鮮
聞こえる。

マトリックススピーカーよ、
永遠に、、。


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