ところでGT-2000の ノーマルアームには、だいぶ前より "ある疑惑”を抱いていた。 それは何か?。 シェルを取り付ける部分が いやにグラグラしている。 シェルはきっちりロックされるが、 シェルを揺さぶるとロック機構ごと左右に揺れる、、、。 いったい全体、これって、、、?。 このグラつきが音を甘くしている可能性は大きい。 そこで、今回初めてまじまじと眺めてみた。
この部分はネジ二本で固定するのが順当。 仮に、2枚の板を釘で固定するとして、 釘一本ではいくら強く打ちつけても 板はその釘を中心に、回転する方向に 動いてしまう。 しかし、ここでもう一本釘を打ては、 その運動を止めるのは容易になる。 実際EPA-100にしても、 DV-507にしてもネジ二本で固定している。 もっとも、KP−1100/9010のアームでは ネジ一本だが、こちらは何の不都合も起きていない。 第一、ネジ穴らしきものまで用意して、 ネジを通さないとは不可思議としか言い様が無い。
これって"あっさり”分解出来ては いけないのでは?。 ネジを抜いても容易に外れない位 きっちり嵌っていて欲しいもんだ。 さて、どうやって"改善”するか?。 いっそ全面的に瞬間接着剤で 固定してしまおうか?、とも思ったが、 さすがにそれはリスキーだ。
(つまり上の写真で言うと パイプから抜け出している部分。) に、テープを一巻きして パイプとのクリアランスを 狭める事にする。 こーゆー時テフロンテープなど用いると 格好良いが、そんな物は持っていない。 なので、セロテープを使った。
取り敢えず成功?。 パイプに押し込むのに一苦労するくらい ピッチリパッチリだ。 そしてネジを元通り締める。 これにて一件落着!。 、、、とは行かない。 やっぱりフラつきは残る。 そこで、ネジに瞬間接着剤を一滴。 これでバッチリだ。 それに、この程度なら後年要再調整となっても 脱着可能である。
さて、一晩様子を見たりもしたが 接着?の方は無事に成功した様子。 この部分のガタはゼロ。 安心して音出しにかかる。 カートリッジはL-1000に固定で、 シェルはPH-L1000を久し振りに引っ張り出す。 試聴。 手を加える前の音との正確な比較は困難だが、 そんな事以上に色々な事に気がつく。
キチンと出て来る。 敢えてキャラクターと書いたが、 やっぱりPH-L1000とMC-L1000は 相性が良い。 純正だから当たり前と言えばその通りだが、 このように使いたいシェルを選べるのが ユニバーサルアームの優位な点だと 改めて認識した。 繊細、と言うのを通り越して、 常軌を逸したくらい細かい所まで描出する。 YSA-1もYSA-2も、 その点においては及ばない。 あくまでも推測だが、 これはシェルの違いによるところが 大きいようだ。 とは言え、YSA-1はアルミ切削アルマイト仕上げ、 YSA-2はダイレクト結合のアルミ削り出しという それぞれ本格派のシェルを装備してはいるのだが、、、。
アームケーブルの直出しに挑戦。 買ったままほったらかしにしてあった、 オヤイデ扱いのケーブル (モガミのだったと思う) を、この時とばかり持ち出してきてL-1000に接続。 適当に這わせてプリに直結とする。 さて、これで一段と向上?。 ところが正直言って その時はそんなに顕著な違いは感じなかった。 ひょっとして、ベールを一枚も二枚も 剥いだような音になるかな、と期待したが あて外れ?。 いや。実はその効果を感じたのは 付けた時より外した時だった。 なるほど、効いてました。 ただし、ベールを一枚、とは言わない。 0,1〜0,2枚くらい剥いだ感じだった。 直結の方が、細かい音の輪郭が キチンと出ていた。 しかし、それではこの使い方を永続的にやるか?、 と言うとちょっとご勘弁。 ユニバーサルアームを使う意味は薄れるし、 何より見た目に宜しくない。 ま、一応実験の成果は確認出来たので 良しとしよう。 とにかく繊細さは増す。 だが、普通の状態でも、充分繊細だと思う。 繊細さを主眼に置くならば、 (カートリッジはL-1000に固定しての話しだが) PH-L1000シェル+ノーマルJ字アームの組み合わせが 一番好ましかった。
では、これでノーマルアーム万歳、 オプションアームよサヨウナラ、 となるかと言うと、そうは行かないから面白い。 何が違うのか?。 それは根本的な"音の力強さ”。 YSA-1やYSA-2にはそれが有るが、 残念な事に、ノーマルアームでは それが感じられない。 ボクサーのパンチと、 よっしーのパンチくらいの差はある?。 (なんだ、この例えは。)
この違いはやはりアームの剛性の差から来るような気がする。 例えばYSA-1とノーマルJ字アームは 実効長は262mmで同じ。 サポートの形式も同じ。 しかしながら、YSA-1は高剛性削り出し センターパイプを採用している。 加えて、ストレートと言うその形が、 剛性の確保には適している。 (引っ繰り返して言うと、ストレートという形状だからこそ、 比較的コストを押さえながらも剛性の高いパイプを用意出来た?。) GT-2000は、直径374mmと言う大きめの ターンテーブルが売り物の一つであるプレーヤーだ。 対応するアームは、必然的にセミロングとならざるを得ない。 (、のだが正反対に実効長が通常より30mmも短い YSA-2が後からリリースされたのは、これまた興味深い事だ。) 他の要素が同じならば、 長い物ほど短い物より剛性の点で不利になるのは否めない。 巨大なターンテーブルは独特の魅力を持つが、 一方で対応するアームには、その点で厳しいものになる。 もちろん、ノーマルアームの長さ、形で より強度の高い物を用意する事は可能であったろうが、 そこまでやったらGT-2000は、とてもあの価格 (発売当時138,000円。税制の変更で途中から126,000円。) では販売出来なかったろう。 そう考えると、ノーマルの仕様は ある制約の中で限界の性能を確保していると考えるのが妥当だと思う。 採算面に目をつぶったとしても、 YSA-1のようなアームを標準装備としてしまえば、 カートリッジ交換を楽しみたい、 (恐らくは多数派と考えられる)購買層に敬遠される危険性が残る。 その様な危ない橋は渡れない。 よって、一般性に少し欠けるアームは別売りとして用意して ユーザーの嗜好に合わせて使い分けてもらおう、 というのがGTプレーヤーの、商品としての開発コンセプトだろう。 (GT-2000Xは想定するターゲットが、やや異なるので 最初からYSA-1が標準装備となったと見る。)
ここから先はどうしたら良いのか?。 アームの剛性を高めるなどと言うのは 素人の力の及ぶところではない。 剛性対策とはちょっと意味が違うが やれるとしたらテフロンテープや鉛テープを アームパイプにスパイラル状にでも巻く事くらい?。 試してみても悪くは無いが、 そこまでやるなら、いっそ適当なアームを装着してしまう方が良い。 (アームベースは自作するとして) それよりも、このアームに相性の良い カートリッジ&シェルの選定を もう一度真剣にする方が先決だ。 ローコンが良いか、ハイコンが良いか?。 ローマスが良いのか、ハイマスが良いのか?。 今更だけど、今一度スクランブルテストを やる必要がありそうだ。
ここらでちょっと一休み。 日記の続きはこちらです。 (5月13日 UP!) 一つ前の日記に戻る。 日記のMENUへ。 表紙へ。 掲示板へ。
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