mikuyuuさんから GTプレーヤーのオプションアーム YSA−1を拝借した。 僕はYSA−2は持っているけど、1の方は持っていない。 ありがたくお借りして、 ノーマルアーム、及びYSA−2との比較試聴を させて頂いた。
元箱入りでまるで新品の様に美しい。 組み立てるのに、思わず手が震えてしまった。
カートリッジはMC−L1000。 (やっぱりこれしか無い。) YSA−1のシェルへの収まりも良い。 ゼロバランスなど取っていると、 このアームの作りの良さが伝わって来る。 こんな時、アームフェチは 妙な興奮を押さえ切れない。 (怪しい、、、)
GT-2000は、PRA-2000を介して SA-3、A-10Type3、ロジャースLS5/9へと 繋がっているので、取り敢えずそのままでお試し。 「、、、。」 (あ、又使っちゃった!) う〜ん、良い!。 凄く良い!。 俺にはこれ以上の物は要らないんじゃあないか?、 と思えるくらい良い。 切れが良い。 加えて量感がある。 とにかく音のプロポーションが圧倒的に良い。 絶妙の肉付きだ。 音楽を聴くのが楽しくて楽しくて仕方無くなる。
ずっとノーマルアームで使ってきたので、 どうしたって、それとの比較をしてしまう。 ノーマルのJ字アームも悪くは無いとは思うのだが、 やっぱりオプションアームにすると 次元が違う音になってしまう。 一体どう違うのか?。 カートリッジをエンジンに例えると アームはサスペンション。 プリアンプ以降は路面と考えられる。 サスペンションとは何かと言うと、 タイヤを介して路面へエンジン出力をリニアに伝える役割を背負う物なり。 サスにも色々あるが、YSA−1はスポーツサスペンション。 余計な動きはしない。 カートリッジをしっかり支え、黒子に徹することが出来るヤツだ。 支点が明確で、余分な響きは付けない。 文句無しの高性能。 ノーマルJ字アームは普通の乗用車のサスペンション。 乗り心地、という点では勝るかもしれないが、 揺れは一発では収まらない。 エンジンから見ると、ロスの多いサスだ。 黒子に徹すると言うよりも、 一緒になって音を作ってしまうタイプ。 YSA-1を使うと、 GT-2000は、これが本当に同じプレーヤーなのか?、 と耳を疑いたくなるくらい 音の立ち上がり、立下りが良くなる。 とりわけ印象的なのが、 シンバル系の切れと バスドラの圧力。 いや〜、GT−2000って、こんなに素晴らしいプレーヤーだったんですね〜。 惚れなおしてしまいました。 ここまで来ると、インシュレーターを剛体の物に 取り換えても良いかもしれない。 いけない事を考え始めてしまいます。 (註 その後ノーマルアームについても、 いくつか気がついた点があり、 あれこれ模索中です。 詳細は追ってご報告申し上げます。)
ここでYSA−2登場。 YSA−1からバトンタッチ。 さてさて、音はどうなるか?。 「、、、。」 これは困った。 ちょっとボケボケに聞こえる。 聴き込むと、やはり楽器の質感の違いなどは こちらの方が出して来るが、 いかにせん内省的というか、元気が無い。 YSA−1が元気だから、と言うのもあろうが、 「それにしても、これはこんな音だったっけ?。」
YSA−2付きのGT−2000を ロジャースで鳴らすのは初めてだった。 そこで、ネッシー側のシステムにバトンタッチ。 「、、、。」 いや〜、安心しました。 こーでなくっちゃねー。 と言いたくなるような鳴り方。 まるで別物みたい。 繊細微妙で、ニュアンスに富んだ表現はこちらが上?。 思わず目を細めてしまう。 迫力も必要にして充分。 ただし、音楽全体の鳴らし方は YSA−1〜ロジャースの方が上手いと感じる。
ともう一度ロジャース側のシステムに差し戻す。 「、、、。」 あれれれ?。 やっぱりちょっといじけ気味?。 確かに質は良いのだが、 何とも元気が無い。 う〜ん、と唸ってYSA−1とバトンタッチ。 針を落とす。 「!。」 景気の良い音が帰って来るではないか。 シュンシュン、バスッバスッと小気味良い。
アームをYSA−1にしたまま、 ネッシーシステムに繋いでみる。 「、、、。」 確かに元気。 だが、ちょっと一本調子。 もう少し色々な言い回しがあるでしょ?、 と注文をつけたくなる。 加えて(YSA−2との対比で)厚みがちょっぴり減退。 濃密な感じは薄らぎ、 ややドンシャリ気味に聞こえなくもない。
ロジャース側のシステムには YSA−1の方が良く、 ネッシー側のシステムには YSA−2の方が良かった。 これはもう、お好み、としか言い様が無い。 例えば、ここに同じ量の上質のそば粉があったとしよう。 それを、う〜んと伸ばして麺を作ったのがYSA−1。 そこまで伸ばす、一歩か二歩手前で止めておいたのがYSA−2。 そんな感じの違いだ。 同じエネルギーを、 惜しみ無くグ〜ンと開放してしまったのがYSA−1。 ある枠の中に留めて、その分濃厚な味付けを狙ったのが YSA−2。 そう言い換えても良いかもしれない。 敢えて言えば、 YSA−1はノーマルJ字アームのグレードアップ版、という位置付けであり、 その音は、GT−2000としてはスタンダードと言えるものではないか、 と考えられる。 対して、YSA−2の方は、オールマイティさはさて置いて、 GTプレーヤーオーナーに対して、 上記2つのアームとは別の世界を提言してみようか、 といったノリでリリースされたなのではないか?。
こんなにも音が違うとは面白い。 アームの差し換え、聴き比べと言うのは どうしたって簡単な事ではないが、 GTプレーヤーのアーム達は それでもかなり取り換えが容易な方。 実に良く考えられているし、 高さ調整なども、馴れると早いし、しかも確実。 市販のプレーヤーのまとまりの良さをそのままに 各種オプションを豊富に用意して 発展性と夢を持たせてくれたコンセプトに、 今更ながら感心してしまう。 ’80年代を駆け抜けた名器に乾杯!。
あまりにも可愛そうだ!。 ちょっと研究してみよう。 、、、と言う事でこの話題、もう少し続きます。 日記の続きはこちらです。 (5月7日 UP!) 一つ前の日記に戻る。 日記のMENUへ。 表紙へ。 掲示板へ。
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