4月20日

昨年話題にさせて頂いた
V24Cさんの自作シェル。

この度量産(と言っても個数限定)開始、
とお知らせ頂いたのが今年の初めの事。

いよいよ完成となり、お届け頂いた。


一応おさらいしておくと、
このシェルの素材は、ビクターのPH−L1000と同じ、
炭化ケイ素。

ただし、同じなのはそれだけ。

最も違うのが重量。

昨年モニターさせて頂いたプロトタイプは
なんと23g。

カートリッジ込みの重量は、大抵の場合30gオーバーとなるので
使えるアームは限定されるが、
その音は一種独特のものがあった。


今回は、プロトタイプと同じ23gの物(No1)の他に、
全長を短縮して軽量化を図った
18gの物〈No2)も用意された。

注文の際、どちらか選ぶ事になり、
大いに迷ったが、少しでも多くのアームで使用出来る方が、
と考え、未試聴の18gバージョンをお願いした。


理屈はさて置き、音の確認。

取り出したのは、例によってMC−L1000。

前回プロトタイプとの比較をする為には
カートリッジは固定しなければなるまい。

装着してさっそく音出し。


「、、、。」

と言っても、今回は固まってしまうと言う事は無かった。
むしろリラックスさえ出来た。

何故か?。

それはそれだけ自然な音だったから。

だからと言って、フツーのシェルとは
明らかに一味違う。

まず、驚かされるのがSN比の良さ。

テープヒスノイズと、サーフェースノイズが
はっきり分けて聞こえるのはもちろんの事、
それまで僅かにあったベールを、
さっとひと拭きしてくれたような感じが有り、
大変クリーンな世界がそこに生まれる。

「今まで聞こえなかった音が聞こえた。」
なぁ〜んて、お決まりの言葉を使いたく無いが、
今回は明らかにそれがあった。

耳にタコの愛聴盤を掛けていて、
「あ。」と呟いてしまった。


さて、前回プロトタイプを拝聴して、
一点だけ気になっていたのが“高域”。

いや、このシェルの聴かせる音こそが本物で
他のシェルに付帯音があるんだよ、
と言う説もあったが、
後一歩華やぎが欲しい、
と言うのが同シェルを拝聴したメンバーに
共通した感想だった。

結論から言うと、�bQシェルでは
その点が23gの�bPシェルとはまるで違っていた。

�bPシェルの音が、
雄大な裾野に支えられたピラミッド型だとしたら
�bQシェルの音は、どこまでもフラット型と言って良いと思う。

以前も比較に出したビクターのPH−L1000シェルに有るような、
一種独特の華麗さまでは感じられないが
どこにもピークが感じられないと言う点では
�bQシェルの方が本物と言えるかもしれない。


そのせいもあってだろうが、
アンプのボリュームをいつもより上げられる。

と言うか、上げたくなる。

もちろん、最終的にはソース次第だが、
必要以上に音が荒れると言う事がほとんど無いため、
安心して音量を上げたくなるのだ。


思い返すと、23gの�bPタイプのシェルの時は
そんなにボリュームを上げなかった。

もちろん、音が悪かったからではない。

では何故か?、と言うと
�bPシェルは“ハイトルク”、という言い方がピッタリで、
普段とより低いボリューム設定でも
グングン音が出て来てしまったから。


特に低域の圧力は物凄く、
針圧か何か間違えたのではないか?、
と最初は疑ったくらいだったのだ。


この辺りは�bPシェルと�bQシェルで
大きく違うと感じられた所で、
大変興味深い。

�bQシェルも一般のシェルに比べると
十分トルクフルだが、
その辺の凄みの違いと言うのは想像以上に大きくて、
僕には戦前の皇室と戦後の皇室の違い位に感じられた。


トータルで、親しみ易さと扱い易さは
�bQシェルの方が上と言って間違い無いと思う。

ただ、�bPシェルには、
明らかにあのシェルでないと聴けない世界が有り、
挑戦するならその価値は十分にあるシェルである事も、
間違いの無い事実だ。

どちらを取るかはその人次第。

ご興味のある方は当サイトの掲示板等通じて、
V24Cさんにご打診を一つどうぞ。


�bPシェルと比べると
全長がだいぶ短縮されている
のがお分かり頂けるだろうか?。

L−1000をつけると
綺麗に収まる。


4月24日

ところで、カウンターポイントSA3は
相変わらず”良い仕事”をし続けてくれている。

ありがたや、ありがたや。

しかしながら、このアンプ
フォノは基本的にMM対応だったりする。

説明書には高出力MCまで対応可能となっているが、
SN比の点などで少々無理がある。

そこで、かねてより思っていた事をやっと実行。

何かといえば、PRA−2000を
フォノイコとして使うのだ。


実はそれまでカウンターポイントでは
MMをあれこれ聴いていた。

それはそれで楽しい日々だったのだが、
V24Cさんのシェルに付いたMC−L1000を眺めている内に、
これをSA3→A−10Type3→ロジャース
の流れで聴くとどんな感じなのかな?、
と思ってしまった。

もう一つ言うと、SA3に繋がっている
GT−2000で、V24Cさんのシェル+L−1000が
本当に使用可能か確かめて見たかった
と言うのもある。

前作のプロトタイプは、
なにせシェル単体で23gという自重があったので、
我が家では、ダイナベクターDV507でしか実用にならなかったが、
今回の物(自重18g)は、もう少し色々なアームで使える筈だ。


接続、調整を終えて音出し。

SN比問題無し。
このあたり、さすがデンオンと言うべきか、
あるいはジャパン アズ ナンバー ワン
と言うべきか?。

(後でMM各種も聴き直したが、
それらも、あるいはPRA−2000を通した方が
良いかもしれない?。
これに付いては、追って研究しよう。)



例によって聴き慣れた物を
あれこれ掛けるが、途中でハタと気がついた。

他の機器はさて置いて、
L−1000の音をロジャースから出したのは
初めてだった?。

L−1000=ハイスピードサウンド。
だからロジャースみたいなタイプのスピーカーでは
真価を発揮しない、
と言う短絡的過ぎる思い込みが
邪魔をしていた様だ。
(反省)

ところで音は?。

馬鹿みたいだけど、これが“良い”。(笑)

L−1000とロジャースで、こんな感じになるとは思いもしなかった。
(その他の機器の力もあるが)

L−1000の良さがキチンと出て
フツフツ、ポカリポカリ、と音像が宙に浮く。

手持ちのカートリッジの中で
この感じが出る物はやっぱりL−1000だけで、
ちょっとオーバーに言ってしまうと
他の物だと宙には浮かばず、
何かに貼り付いたような感じになってしまう?。
(唯一例外がコンダクトYC−05E)

さすがダイレクトカップル?。


それにしても、
こんなに良い感じだったら、
もっと早く試せば良かった、、。

一歩間違うとキツさだけが耳に付きかねない
L−1000だが、
ロジャースが上手く丸め込んでくれるので
一種の安心感みたいな物がある。

加えてV24Cさんのシェルが
本当に余分な音を付けないタイプなので
無駄な(時には必要な?)
賑やかさは無い。

何だか全てが上手く嵌り過ぎて
拍子抜けするくらい。

ただし、スピーカーの限界もあり、
低域の“ガツン”、と来る感じは活かし切れない。

こればっかりは仕方ない。
両者の住んでいる世界の違いとしか言い様が無い。
(これに付いては、また改めて書きます。)


ところで、NEWタイプは
GT−2000で取り敢えず
問題も無く使えました。

しかし、
何で使うにしても
針圧計は欠かせない
カートリッジなのでありました。

このシェルについては
もう少し試してみたい事がある。

近くご報告させて頂きます。

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