久し振りに秋葉原へ行った。 同僚が会社を辞める事になったのだが、 彼は数少ない、 もちろん社内では唯一の オーディオを趣味とする者なのだ。 同期入社で16年近くを 共に過ごしたが、 それぞれの人生、 いつかは別れの日が来るものだ。
どんな関係がある?。 何の事はない、 送別会の幹事に自分がなったので、 退職祝いのプレゼントを求めに 脚を運んだのだ。 退職祝いの品を秋葉原で買うというのも凄いが、 前述のようにオーディオマニアなのだから 彼にふさわしい物を捜すとなると ここしかない?。
大の苦手。 どうも、構えすぎてしまうと言うか、 何だったら喜んでもらえるんだろう?、 と真剣に考え過ぎてしまうので、 やっと決めて買う頃には クタクタに疲れ果ててしまうのである。 例えば何かのお返しを、 などとデパートに行くと、 チラチラと物色はするのだが なかなか決められない自分にイライラして、 いつもの如くの本屋さんに逃げ込んで 立ち読みを真剣に始めてしまう不甲斐なさ。 まだ、後一日猶予があるから 明日でもいいさ、と先延ばしにして 結局最後に地獄を見るタイプなのである。
この日もある程度めぼしは付けて行ったのだが、 なかなか決定が出来ない。 しかも場所は秋葉原。 プレゼント捜しのはずが あっちへチョロチョロ、 こっちへチョロチョロ。 まあ、何とも情けないヤツだ。 しかし、やっぱりこの街は面白い。 オーディオを扱っているお店は 減る一方だが、 それでも丁寧に見れば 丸一日は軽く潰せる位の“密度”は残っている。
例によって中古品ばかり。 新製品、新品には目もくれず。 人とは違う所をせっせと見ている。 しかし、そう言ったわけのわからない物が 何故かあるのが秋葉原。 しかも、その手の物は脚を運ばないと 出会える事は、まず無い。 ネットの普及で、大抵の物は (中古も含めて) わざわざ現地まで行かなくても手に入るご時世だが、 本当にくだらない物 (おいしい物?) は、店先を覗かないと見つからないものだ。 グレースのアームケーブル。 針の無いヤマハMC-100。 フォステクスFE-108ESの中古。 タンノイ スターリングのユニット無し、 箱だけ。(なんじゃ。こりゃ?。) 売り物かどうかわからないオーディオクラフトのアーム。 いやはや、財布を開かないように自制するのに一苦労。 タンノイの箱なんか、思わず買いそうになった。(笑)
ここでハードを見て、 御茶ノ水で中古レコードと古本を漁る。 そんなハシゴを出来たら 僕にとっては最高の一日となるのだが、 あいにくそこまでの時間は取れないのである。 (残念!)
いつも彼がタマのアンプって言ってたから、 エレキットのTU-870真空管パワーアンプ (ボリューム付きだから、実質的にはプリメイン) を買うことにした。 一緒に秋葉原をうろつくと、 「これなんかからやるかなぁ〜。」と いつも見ていたしね。 もうそんな時間を取る事も出来ないのか、、、。 そう思い返すと、ちょっと胸に迫るものがあったりした。 ちなみに、彼の装置はクオードのアンプと タンノイのスターリングだ。 大のジャズマニアで、アナログ党でもあるのだが、 最近はレコードも大分処分してしまい、 プレーヤーも押入れにしまってしまったと言う。 どこかの誰かとは違い、“良いパパ”なのである。 そんな彼との想い出を残して、 秋葉原を後にしたのであった。
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