6月15日

山本さんからKT−1100が送られてきた。

以前は山本さんがお使いだった物で、
最近は山本さんのお兄さんが使われていたという。

不調なので、直して使うならどうぞ、
と言うお言葉に甘えてお譲りいただいてしまった。


考えてみると、新しい(?)チューナーが我が家に来るというのは
実に四半世紀振りの事だ。
最初のチューナーは、ビクターのJT−V31という物で、’76年当時29,800円。
親が買ってくれたシスコンの一員だった。
と言う事は、私は生まれてこの方、お金を出してチューナーを買った事が無いという事になるのか?。
(なんて奴だ。)

昔は毎日FMも聴いたし、エアチェック(死語?)もせっせとした。
と言ったって、高校生位まではFMも二局しかなかったわけで、
よくもその為にアンテナだ、録音機だ、と投資したもんだ。

僕の投資額などたかが知れているが、人によってはウン十万を注いだのだから、
今思えばなんの事?、という気がする。

その頃は多局化を夢見ていたが、冷静に考えると二局で良かったのかもしれない。
たった二局だから、あれだけ真剣に聴けた気がする。

皮肉な物で、今は当時からすれば多局化が進んだが、真剣に聴きたいと思う番組も無い。
それ以前に聴いている時間が無い。
「FMfan」を買っても、番組表を見た試しがない。
悲しいな。


能書きはさて置き、届けていただいたチューナーをセットしてみた。
中級機とは言え、さすがにチューナーは軽い。
ポンっと、取り合えずアナログプレーヤーの上に置く。

アンテナコードも新品を用意してあったが、時間が惜しいので
TVのアンテナコードをビデオデッキから引き抜いてチューナーに差しこむ。
電源を確保してピンケーブルをPRA−2000に繋ぐ。

このアンプのチューナーと書かれたインプットに、本当にチューナーが繋がれたのは、
実は初めてではないか?。

音はあっさり出てしまった。
久し振りにまじめに聴くFMの音は、かなり良い。
レンジも充分広いし、音が活き活きしている。

ただ、不調と聞いていたので、時間が経つと同調がずれたりするのかな?、
と気を揉みながら見守った。

ところが2時間以上経過する今も、特にこれと言った問題は発生していない

?。
これって、もしかして完動品なのでは、、、?。

なんだか申し訳無いような気がして来た、、、。


すっきりしたデザインも魅力のKT−1100。
フロントパネルには、まだTORIOの文字。
ちなみにリアパネルにはTORIOとKENWOOD
両方の表記がある。

’82年発売。73,800円。5,4kg。
同様に好評だった、
KT−1000の後継機。
回路構成は基本的に同じ。
@MPXを新しく開発したICニ個によるサンプリングホールド式の物とした。
Aディエンファシス回路を低歪率アンプを用いて独立させた。
BAMにミューティングをかけると共に、帯域切り替えを自動化。同調、離調時のフィーリング向上。
と言った所が異なるらしい。
(以上、出典は別冊FMfan35号)

とにかく受信性能は良さそう。
TVアンテナ経由にもかかわらず、ほとんどの局で
SIGNALメーターは4,5を指す。

(フルスケールで5)

ただし、我が家は高台と言うよりも山の上に建つ。
その点では、相当恵まれてはいるが、、、。


チューナーの性能に比して、番組の内容は
私にはイマイチ。

もう少し大人びた番組は無いものか?。

たまには番組表を真剣に見ようと思ったのでした。


6月17日

ケンウッド KP−9010を某誌個人売買欄で発見。

今度は自分の分?。
速攻TELして商談成立!。


数日後捕獲に向かう。


季節柄、雨の降る中東京都下のH市まで車を走らせる。
僕は大抵の場合現物は見ないで購入を決めてしまうので、
宅急便で送ってもらってもいいな、と思っていたが、
オーナーのIさんから、
「そんなに遠くもないから、ご覧になってからでも良いのでは?。」
とご提案いただいたのでお邪魔させて頂く事とした。

平日の夕方。折からの渋滞で、19〜20時到着の予定が、大幅に遅れて21時頃
となってしまった。
恐縮して、ブツを受け取ったらすぐ帰るつもりでIさん宅の玄関をくぐる。

招き入れられてすぐのリビングに、ドーンっとスーパーレアが構えている。
「!。」
おっと、これは予想外に長岡派?、なんて思いながら奥の院へと進む。

そちらにも何やらオーディオセットが用意されていた。
P−610を使った自作スピーカー、ミニチュアの真空管アンプ、
そしてマランツのCD−R。

ちょっとした和み部屋、と言う感じ。

早速9010を拝見するが、傷一つ無く、コンクールコンディション。
辺りを見回すと、他にもデンオンDP−900MU、ビクターQL−V1Mがあり、
出荷待ちの様子。
僕も物持ちだけど、Iさんも凄いな〜、なんて思っていたけど、お話を伺っていたら
生半可ではなかった。

どう凄いか。とても詳しくは紹介しきれない。
手短に言うと、Iさん自分で経験した事の無いオーディオ機器なんか無いんじゃあないか
という感じ。
普及品からハイエンド機器まで、アナログからSACDまで、片っ端から経験されている。
もちろんご自分で購入されて、だ。

そのお話の内容は、追々公開させて頂けるかと思うが、圧倒されたまま約五時間が過ぎ、
Iさん宅を辞したのは、夜中の2時を回っていた。(!)

帰宅は3時を回り、朝刊を配達するバイクが走り始めていた。
それでも不思議と疲れは感じなかったのは、久々に超マニアに出会った感動で
テンションが上がっていたからかもしれない。


まだ箱入り状態のKP−9010。
現在ラックの上座には、GT−2000と
自作プレーヤーが鎮座しているので
どちらかどかさないと居場所は無い。

今しばらくは箱入り娘で過ごしてもらうか?。
(でも、本当は早く出したくてうずうずしている。)


6月27日

待ちに待った、KP−9010音出しの日が来た。
自作プレーヤーをどけて、9010をセットしてみた。


前オーナーのIさんの保管があまりにも良かったので、
恐る恐るという感じで開梱、組み立て。

幸い4月にも9010をGETしているので
(それは山本さんの所へ行ってスケルトン仕様になった。)
段取りと言うか手際は良い。

MC−L1000 + PH−L1000を取り付けて、さて、音出し!。

うん、とってもオーソドックスな音。
標準器的と言ってもよい。

前回ちょっとだけ聴いた時は、恐ろしいくらいに張り切った音で
あ然とさせてくれたが、今日はそんな事はない。

ロジャースで鳴らし始めたのだが、スピーカーをネッシーに換えても
オーソドックスな音のまま。元気が良すぎるという事も無い。

とにかく値段が信じられないようなプレーヤーである。
つべこべ言わなければ、世の中の99%のマニアが満足できるに違いない。


恐ろしいくらいにきれい。
このまま店頭に戻しても大丈夫なくらい。
前オーナーの、完璧な保存状態に頭が下がる。


とにかく何を聴いても危なげが無い。
大変結構な事だが、念の為にGT−2000と聴き比べる。
(ただし、こちらはノーマルではなく、オプションのピュアストレートアーム
YSA−2
に換装されている。)

カートリッジも別のL−1000が付いているので、かなり公平な
切り替え比較試聴が出来る。

さて、音の違いはいかがなものか?。

KP−9010が極めてオーソドックスな鳴り方をするのに対して、
GT−2000 + YSA−2はもう少し味付けのある鳴り方となるようだ。

KPの方では感じられない、狂おしいほどの高音部の輝き、とか、
一緒に沈みこみそうなたっぷりした低音とかがGTでは出て来る。

どっちが上、と言う事はないが、今日のところはGTの方が魅力的な音を
聴かせてくれた。


新しいのを連れて来て、古女房を誉めているのでは意味が無い?。

しかし、そもそも今日の対決、KPには分が悪い。
なにしろGTとは10年弱の付き合いがある。
KPとは今日始まったばかりだ

お楽しみはこれから、と言う所。


KP−9010。

ユニファイド.アルミダイキャストフレームに
DLモーターとDSアームが組み込まれ、
メカニカルショートサーキットを構成するという、
これ正に構造の妙。

取り立てて物量が投資されているわけでも、
見るからに超弩級というわけでもないが、
出て来る音はただもんじゃあない。

先代先々代から、着々とグレードアップをしてきたから
あの値段(最終価格110,000円)で出来たが、
今、一から作ったら一体幾らになるやら?。


GT−2000。

威風堂々と言った面構え。
作りは実にオーソドックス。
今回はYSA−2の威力でKPを退けたが、
ノーマル状態だったらどうだったか?。
(次回はノーマルのJ字アームで挑戦してみよう。)

物としての作りはGTの方が断然上。
持っている喜びがまるで違う。

しかし、考えてみるとそもそもの価格設定がワンランク上。
アーム込みで考えると、20万円コースで約2倍。
比較されてはKPも良い迷惑?。


とかなんとか理屈を言ったが、
KP−9010とGT−2000が並んで、
それだけで幸せな気分なのが正直な所。

もうこれ以上、プレーヤーは要らない。
(ホント?)


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(7月11日 UP!)


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