HMAをゲットして、にこにこ顔の私のところに、 思わぬ魔の手が迫っていたのであった、、、。
4月になった。 HMAがメーカーの手によって直って返って来たのは、正確には4月に入ってからの事だった。 届いたHMAの音出しをしていたその時、またしても、(と言うのは失礼だが) 山本耕司さんからのメールが届いた。 「サウンドクリエイトから連絡があって、ロジャース LS5/9がスタンド付きで入って格安にて出せるとの事。あんまりお買い得なのでメールしました。」との事。 「、、、。」 ロジャースねえ、ふーん。まあ、今回の件はあんまり俺向きじゃあないな。 第一、どんな物なのか、全然わからんぞ。 などと呟きつつ、オーディオ雑誌がひしめく本棚に向かう。 取りあえず、ステレオサウンドの1990年冬号で発見。 ベストバイ コンポーネントのスピーカー、ペア40〜80万クラスで16位。 お値段は、と見ると 56万円(ペア)。 ありゃありゃ、これはお門違いだぞ、BBCモニターかあ。 ブックシェルフだとしても、置き場所なんか無いぞ〜。 なので山本さんへの返信には、こんな事を書いた。 @ (格安なのは承知の上で)、自分が買うオーディオパーツにしては高額。 A それ以上に置き場所が問題。 まさか、ネッシーを投げ出すわけにも行かないし、、、。 、、、。それに対しての山本さんの返信。
「、、、、。」 以下、僕の返信。
(出来れば、利ざやを稼げると、もっといい) 山本さんからも、すぐに返信が来る。 将来はガラード+ダイナベクター、+ロジャース。 う〜ん、いいですね〜。 ガラード+ダイナベクター、と言うのは僕が将来やってみたい組み合わせで、以前から山本さんには伝えてある事。 (ガラードの古典的雰囲気と、ダイナベクターの近未来的フォルムが、アンマッチングで良い) それにしても、勝手に他人のオーディオライフを決めるなって。(笑) 以上のやり取りは、かなり省略して書かれており、実際にはほとんどチェーンメール状態であった。 さて、くだくだと書いたが、実は一番最初のメールをいただいた段階で、 「きっと俺はこれを買っちゃうぞ。」、と言う、なんとも説明しがたい予感があった。 ちょっと引っ張ってみたのは、やり取り自体が楽しかったからかもしれない。 結局サウンドクリエイトに連絡して、ショールームに赴いた。 山本さんが勧めるのだから、物なんか見なくたって全然構わないのだけど、中古品と言う事もあり、お店としては一応見てから買って欲しいご様子だったからだ。 (たまには客づらしてみたい、という思いもあった) サウンドクリエイトの、アットホームで居心地のよい試聴室でLS5/9と御対面。 適当にCDを掛けさせてもらう。 ふ〜ん、予想どうり、いや、予想以上にまともな音がしている。 と言うか、過剰なくらいにまともである。 弦楽器に強いのは予想どうり。ただ、大編成になると辛そう。 意地悪してローリングストーンズやドリカム。挙句の果てにテラークの「サラウンド サウンド」(SONIC SPECTACULAR IN SURROUND)まで持ち出す。 こうなると、ほとんどイジメである。 家で聴くのと、全く違う音がする。 だから購入決定。(ひねくれ者め) 試聴途中で山本さんからお店宛に電話が入ったらしく、(これから試聴に行く、と携帯からメールを打っておいた)聞いていた値段より更に安くなった。 素直に喜ぶ。 手続きを済ませ、その足で山本さんのスタジオへ。 (歩いて10分くらい) どーでしたー?、と訊かれたので、 「実に普通の音でした。」、と答えると、 そーでしょー、実に普通の音がしたでしょう。 でも、本当はそうじゃあないんですけど、とおっしゃる。 「アンプ次第かな?。」、と試聴室で第一音を耳にした時からずっと思っていたことを口にしたら、山本さんは我が意を得たり、という感じで、笑みを浮かべた。 LS5/9みたいなスピーカーは金食い虫だ。僕はそう思いながら試聴していた。 例えばフォステクスのユニットを使って、長岡先生が設計するようなスピーカー達は、あんまりアンプに厳しくない。 ローコストのプリメインアンプでもガンガン鳴るし、むしろローコストアンプならではの良さを引っ張り出してくれるような感さえある。 これは実証済みだし、そこが良い所だと思っている。 しかし、LS5/9は、きっとそうは行かない。 アンプに贅沢をさせてやらないと、本気を出して来ないタイプだ。 (金額的に高ければ良い、とか、ハイパワーアンプでなければダメだ、とか、 そんな単純な事ではなく、だ。) 厄介な物に手を出してしまった。 ちょっと、びびっている自分がいた。
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