6月10日

さて、1979年…のはずが実はこの記事は1978年の
別冊FMfan18号の中からだ。

いよいよ金属テープ時代到来か!
という事でメタルテープ登場について既にこの時触れられている。

住友スリーエムは六月一日、かねてより米国3M社が
新世代の磁気テープとして開発中であった、金属テープを使用した
スコッチメタファインカセットの量産化のメドがついたところから
国内オーディオ機器メーカーの動向に合わせて
発売を開始する意向であると発表した。
(中略)
スコッチメタファインカセットの最大出力レベルは
クロームカセットに比較して5dBから10dBも増加している。

このため最大出力レベルは現在発売されている
高級音楽専用カセットの約二倍(中略)になる。

なお、同じ六月一日、日本ビクターは金属テープ時代に必要不可欠の
デッキ側の対応のひとつとして、新開発のセンアロイ消去ヘッドを発表
金属テープ時代のテープデッキ実用化のメドを明らかにした。

…かくしてメタル時代の世は明ける


6月12日

ビクターが拓いたメタル時代

そうなのかどうかわからないが、
本人が言っているんだから間違いないという説もある。

上からKD-A5 59.800円
A6 84.800円
A8 138.000円

共通しているのはSA(センアロイ)ヘッド搭載ということ。
ただしA6とA8はX-cutSAヘッド。

特にA5は59.800円という価格設定もあり良く売れた様だ。

しかし実際には'79年夏の段階でA3という下位機が49.800円
登場している。
恐ろしい開発スピードだ。
メタル対応デッキは、やや失速気味だったオーディオ市場に
喝を入れてくれる物として各社かなり頑張った事がわかる。

とはいえ49.800円クラスはボーダーライン。
59.800円との1万円の差は大きい。
ビクターでもA3は1モーターでメカニカル操作。
A5になると2モーター、ロジックコントロール
これだけでもA5を選びたくなるのが心情で、
ベストセラーになったのも理解出来る。


ところでビクターのデッキは頑なにトランスポート右寄り
レベルコントロール等左寄りを守り通した。

誰が何と言おうと変えない。

立派である。

世間なんてのはいい加減なものだから
迂闊に迎合するとろくな事はない?

…かどうかは知らないが、よっしーも考えてみるとDD-5
持っている。
お祭りや敬老会の時のカラオケ用(笑)という
かなり過酷な状況下での使用だが
ビクターの配置で困ったことはそう言えば無い

トラポが右でも左でもどーでも良いということか?

しかしそんなビクターでも、CDプレーヤーで右トランスポート
というのは作らなかった。
いっそのことやってくれていたら嬉しかった気はする。


6月16日

KD-A5は公認メタル対応デッキ第一号だったことを
付け加えておかないとならない。

さて、メタル元年1979。

しかしこの年は正に“元年”であってテープの方は
各社出そろった訳ではなく、当初は46分テープしか存在しないというのが
実情だった。


その後60分90分も出そろうが一本1250円/46分
1.500円/60分とかなり高価。

それでもハードの出そろい方は立派なもので
各社メタル対応一色である。
お陰で非メタル対応だった旧製品は半値にしても売れないという
悲惨な目に遭ったそうだが仕方あるまい。


さて、しかしこれから1979年のカセットデッキについて語る前にひと言
言っておくが、メタルが全てでは無いということ。

もちろんメタル対応でデッキは進化したが、
それだけでは無かったということだ。


大変個人的な事を言っておくと、
メタルテープの頃(1979年)の頃には、僕はちょっとオーディオ熱が醒めていた

というか他の趣味にも傾倒し始めて、遠ざかり始めていたというべきか。

そのせいもあって、メタルテープというのが出ることや
デッキもそれに対応していないと使えないという事は知っていたが
“良し!俺もメタルを買うぞ!”という気分では無かったということ。

そしてもう一つ。
そうは言いながら僕の1970年代後半から1980年代前半は
カセット抜きでは語り得ない状況、あるいは生活ではあったが
メタル非対応で全く困らなかったという事は言える。

もちろん、僕が生まれるのがあと2〜3年遅ければ
メタル対応デッキを買っていたのだろうが
それでもメタルテープなどという高価な物をほいほい使えたかは
大いに疑問である。

音楽仲間全員がカセットデッキを持っていた
しかし振り返ってみるとメタルテープという物は
見たことがなかった
のであ。る


6月23日

1979年のカセット事情。

ひとつハッキリしているのは
テープセレクターにメタル、という項目が増えた事。

馬鹿にするな?

いえいえ、これだけはっきりした違いもない。


と、しかしこれでノーマル、クローム、フェリクローム、
に次ぐ
第四のポジション=メタルが出来たわけだ。

四つもあるのは
煩わしい

特に
EQとBIASS独立三段切り替えなんてタイプだと
煩わしさが増す。

で、注目?は一気に切り替えが効く、一つつまみで
EQ、BIASSまとめて切り替え方式。

なのだが、これが
アカイの特許だって知っていました?

EQやBIASSを独立したスイッチで切り替える方式というのは、
このアカイ特許から逃げる為に生まれたみたいですねー。

アタシは最近知りました。はい。

しかし第四のポジションの登場で、やっぱりユーザーに
悪いから
アカイに特許料払ってでも一発切り替え
テープセレクターにしようという動きが
この辺りで出だした様でございます。


6月24日

そう言えば僕が最初に手に入れたカセットデッキ
(多分パイオニアの
CT-700)もこのタイプのセレクターだった。

そしてバイアス調整つまみがついていて、それは
メーターで
加減を見ることが出来た。


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