久々にお出かけ。 いざ鎌倉!、と言うことでPippinさん宅を半年ぶりに襲撃。
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まるで状況が変わってしまっている。 まずオーディオセットを置いてある場所が変わった。 そしてスピーカーも違えばプリアンプもメインアンプも変わってしまった。 こうなると初訪問と何ら変わらない。 全く新鮮な気持ちで第一音を待つ。
“いきなり上がり。 これは恐れ入りました。” 、、、と本当はその一言で今日の日記は終わりにしたい位。 それではあまりに不親切なので説明を加えるけど ハッキリ言ってこれからはオーディオの事は忘れて 心ゆくまで音楽をお楽しみ下さいと言いたいのが本音だ。 憧れのJBL4343。状態の良い固体が手に入ったと喜んだのも束の間、 その後暫くはよくあるお話だが、なかなか言うことを訊かない名器に Pippinさんも悩まれたご様子。 しかし、その後ヤマハMX−10000導入。 更に同じくヤマハのチャンデバEC−1を入手されて 以前よりお持ちのB−2Xと併せてのマルチアンプドライブを実現。 とどめとしてマークレビンソンのML−1導入。 矢継ぎ早のグレードアップとはこの事だ。 結果、出てくる音はあまりに美しく、あまりに繊細で しかも本物の力強さを持つ物となった。 ハイエンドの匂いがプンプンする。 こんな音が自宅でも出てくれたら、、と 思わずにはいられないよっしーだった。
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上記駆動系に加えて音の入り口はGT−2000X(砲金ターンテーブル、 WE−407GT他オプション満載)とGT−CD1が受け持っている。 これらは以前より活躍していた訳だが、今や正に水を得た魚状態だろう。 オールスター夢の饗宴?。 一同張り切っているのがよくわかる。 とは言え大抵の場合客人より本人の方が評価が厳しい。 だからPippinさんにしてみればまだまだ目指すところも あれば試してみたいものもあるのだろう。 それはもうご本人様にお任せして、よっしーは時々お邪魔しては 感動して帰らせて貰おうと思う。(何と身勝手な、、、笑)
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Pippinさんが今使ってるスペースを決してオーディオ最優先にしていない所。 身勝手なおいらなど、お部屋に通された瞬間、 “僕だったらこっちにスピーカー置いて、ここにラックを置いて、、” などとのたまわってしまったのだが(爆)、それでは居住性は最悪になってしまう。 それでも、よっしーならきっと冗談抜きにそれをやりかねないが、 Pippinさんは決してそんな事はしない。 それが“らしさ”なのである。 お部屋もラグジュアリーな雰囲気。そして音の方もラグジュアリー。 ゆったり走る高級車の味わい?。
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ところでマークレビンソンなんてまじまじと眺める事は なかなか出来ない。 失礼を顧みずジロジロ見てしまった。(笑) “どこかウチのカウンターポイントSA3と似ています” なんて言ってしまった。 もちろん、SA3とML1では格が違うのは承知の上。 佇まいに相通じるところがあるし、仕事振りも似ている。 下流にある機器を徹底的に動かしてしまう駆動力。 あの頃のアメリカは凄かった?。 SA3も同じ様なテイストを持っているのだが、 ウチで聴く限り、レビンソン様がちゃんとした標準語を喋っているのに対して SA3は、ちょっと江戸弁。 サシスセソがシャシィシュシェショになっている?。 もっともこれはHMA−9500との組み合わせにおいてだが。 しかし、レビンソン様はさすがである。 このところ物欲減退モードのよっしーであったが さすがにこれは欲しくなった。 (誰だって欲しいって?。笑)
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マルチアンプが効いているのかどうか、よっしーにはわからないが とにかく圧倒的に正確な表現には参ってしまう。 津波の様に押し寄せたかと思うと瞬時に立ち下がる低音。 陳腐な表現だろうか。 しかし、こーゆーのを聴くと、やはり大面積の振動板って良いな、 って思ってしまう。 小石をどんなに頑張って水面に投げつけても津波の様な波動は起きない。 波動。正に波動だ。 ウチのロジャースが頑張ってもショットガンの域から出ない。 Pippin邸の4343はそれに対して宇宙戦艦ヤマトの波動砲か?。 あたしゃイチコロであった。
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4348使いのSkuksさんも、ただニコニコと音に聞き入るばかり。 お二人はJBL繋がりでもある。 ところでこの日も興味深い会話が色々とあったのだが、 Pippinさんの美音に耳を傾けつつ、Shuksさんがこんな事を仰った。 曰く、自分もこのように家庭の中のオーディオに帰りたい、と。 Shuksさんと言えばオーディオ専用にワンルームマンションを使われている方。 そのお部屋にもよっしーは二回程お邪魔している。 それはもう、男の隠れ家ここに有りという感じの素敵なお部屋なのだ。 それを放棄したいとは如何なる事か?。 ただ、何となくお気持ちはわかる。 よっしーも今、無理をすれば自宅とは別なワンルームマンション (事業用です)の片隅に三畳一間の隠れ家を持つことが出来そうな立場にある。 憧れの遊び部屋?。ところがあんまり胸がときめかない。 よっしーの部屋もそちらに移動かと思ったこともあるが、どうもそんな気にならない。 何でだろ〜?。 でも、丁度自分もそんな状況&心境の時だったので Shuksさんのお気持ちは良くわかる気がした。 そして、そんな独白が沸いて出たのも 明るいご家庭の中で多少の制約は受けつつも これだけの音をものにしてしまったPippinさんの音を聴いた事と 決して無関係では無いと僕は想像するのだった。 (6月24日付けの画像はPippinさんからご提供頂いた物です)
さて、今回の訪問はダブルヘッダーであった。 午前中はPippinさん宅で午後はN先生宅へご訪問。 N先生とPippinさんは旧知の仲。なのでPippinさんに連れられて N先生宅へ。 Shukusさんは5月にやはりPippinさんの仲介でN先生宅を訪問済み。 つまり初体験はよっしーのみ。 N先生のお宅もまた閑静な、実に落ち着いた住宅街の一角にある。 そしてN先生は齢70余歳。オーディオ歴はとてつもなく長い、、、。 とこう書くといかにも好々爺が登場しそうだがそんな事は無かった。 我々が到着すると既に家の外にまで豪音が漏れ聞こえていたのだった、、。
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良くわかる。思わずキョロキョロしてしまった。 で、さっそく玄関脇のオーディオルームへ通される。 いきなり二重ドアだ。 後で見ると窓は三重。 これだけの重装備をもってしても音が漏れてくると言うことは、、。 そう、N先生はよっしーがこれまで体験した中でもナンバーワンの 大音量派だったのだ。 、、というような事前情報は、実は訊かされていた。 だから覚悟もしていたが、これは想像以上の激辛サウンド。 一曲目が終わっただけで鼓膜がしびれている。 (本当です) そしてそのしびれはこの後3〜4時間続いたのだ。(!)
バイタリティーは素晴らしく、矢継ぎ早にCDをお掛けになる。 会話はと言えば、CDを掛け替える僅かな時間に二言三言あるだけ。 いや〜、もう凄いお元気。 戦争経験者を舐めてはいけない?。 改めてオーディオ装置を眺めてみるとスピーカーはJBLの4343。 プリはレビンソン、メインはマッキン。チャンデバはアキュ。 (当然マルチアンプ構成) そしてCDはスチューダーとハイエンド機のオンパレード。 だがしかし、N先生にとってはオーディオ装置は好みのJAZZを 気持ち良く鳴らす為に存在する機械にしか過ぎない感じ。 装置も好きだがそれについて蘊蓄をたれる、所謂ハードマニアとは ちょっと違う。
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床壁天井まで全て特別あつらえ。 30年以上も前にこれだけの物を作られたと言うのだから 物凄く進んでいたと言える。 N先生曰く、本当は蔵なんか良いね〜、との事。 蔵をリスニングルームとして使う?。 どこかで訊いたようなお話だが、実はN先生、 JAZZ喫茶ベイシーの菅原さんとも懇意にされているらしい。 あるいはN先生の大音量はベイシーの向こうを張ってなのかもしれない。 (註 よっしーはベイシー未体験です) 続く
さて、それだけ先進性に富んだN先生のお部屋だが よっしーが感じたのは、これでもN先生のやりたい事に対しては スペースの点で不足なのでは?と言うこと。 実質10畳くらいはある、充分恵まれたお部屋なのだが N先生のパワーを持ってすれば50畳くらいはあって然るべしではないか。 4343からリスニングポイントまでは約2メートル。 そこに向けてコンプレッションドライバーやらホーンツイーターやらが 集中砲火を浴びせかけて、、いや、投げつけてくる。 初速200q/hの剛速球を、マウンドから5メートル位の所で捕球するような感覚だ。 ミットならぬよっしーの耳は痺れっぱなしだったのが正直なところ。 音像は頭骨内定位を通り越して、壁の更に後3メートルくらいの所で 焦点を結んでいる気がした。 ただ、これは後になってから思ったのだが、N先生ご自身は そのように二等辺三角形の頂点で正面を向いてなどという聴き方は されていないのではないか?。 多分この想像は当たっていると思う。 JAZZのシャワーを頭から浴びる。 その事こそ肝心だと思われているとしたら、上記感想は 正に大きなお世話以外の何物でもない。 お前の様な軟弱者は近寄るな、と言われるかも知れない。 (いや、そんなことはない。至って気さくで優しい先生だもの、、)
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出来るものなら本当にどこからか“蔵”を移設してきて、 “鎌倉ベイシー”を実現して頂けたらと思う。 (勝手な事を言うな?。汗) オーディオも人それぞれ。午前中にPippinさん宅。 午後にN先生宅などという対極のワンセット?を体験すると つくづくそう思ってしまう。 でも、やっぱり趣味を持っている事は良い事だ。 何より家族の為に良いと思う。 女性は歳を重ねても元気で居られるが、男は放っておくと枯れるばかり。 趣味という如雨露でせっせと水をやらないと、あっという間にしおれてしまう。 しょぼくれた野郎が家に居るくらい女性の心を暗くするものもない。 そう考えると、我々オーディオ好きは、案外奥さん孝行なのかもしれない。 でもしかし、N先生の場合は如雨露で、、、どころか散水車かスプリンクラーでも 使っているかの如く水が撒き続けられている感がある。 とにかくパワフル。最近のわけーもんは細かい事を言いすぎるのかもしれない。 色々な思いを胸に、雨の鎌倉を後にしたよっしーでした。
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